そのまま放置は絶対ダメ!銀歯が外れたときの対処法
なぜ銀歯が外れてしまうの?
「治療後に銀歯を被せれば一安心」と思いがちですが、実はそうではありません。詰め物を被せた後も定期的に歯科医院でチェックをしなければ、早くて2~3年で何らかの問題が出てきてしまうケースもあります。その中でも多く見られるのは銀歯が外れてしまうケース。理由としては以下が考えられます。
・銀歯と歯を接着しているセメントが劣化し、接着力が弱くなった
・硬い物を噛むなど、強い衝撃が銀歯に与えられた
・銀歯の下の歯が虫歯になり、進行することで歯と銀歯の間に隙間ができた
・銀歯に使用される金銀パラジウム合金がすり減り、歯との適合性が悪くなった
銀歯が外れた時に放置してはいけない理由
銀歯が外れてしまった時、なぜ痛みがない場合でも放置してはいけないのでしょうか。それは銀歯が外れたことをきっかけに、その歯や他の歯にまで悪い影響があるからです。
虫歯がどんどん進行してしまう
銀歯が外れることで歯との境目に隙間が生まれます。そこにプラークが溜まると、銀歯の中にも虫歯菌が入り込み、虫歯にかかってしまうのです。銀歯の下にできた虫歯は気づきにくく、自覚症状が出たときには、かなり進行してしまっていることも少なくありません。そのまま放置すると、どんどん進行し、神経まで到達してしまう危険も。すでに神経を抜いてある場合は、特に進行が早まるため注意が必要です。
さらに歯の内側から虫歯が進行すると、表面のエナメル質だけが残っている状態となり、非常に歯がもろくなります。そのため硬いものを噛んだ時に欠けてしまうこともあります。歯ぎしりや食いしばりのクセがある場合は気をつけましょう。
他の歯まで虫歯のリスクが高くなってしまう
銀歯が外れた歯は汚れがたまりやすくなり、口腔内で虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなります。両隣の歯はもちろん、周囲の歯まで虫歯や歯周病にかかってしまうリスクが高まります。
銀歯が外れた時にやってはいけないこと
銀歯が外れてもすぐに歯科医院へ行けない場合、自力でなんとかしようと考えてしまいがちです。ところが、そこで間違った対処法をとってしまうと逆効果になることも……。特に次の3つのことは絶対にしないように気をつけましょう。
その1:取れた銀歯を無理に戻さない
取れた銀歯を自力で元通りにしようとしても、必ずズレが生じます。その状態でものを噛んでしまうと、残っている歯が欠けたり銀歯が変形したりしてしまいます。また、再度外れた時に飲み込んでしまう恐れもあり、とても危険です。もちろん接着剤でつけるのも厳禁。
その2:銀歯が取れた部分を避けて磨かない
銀歯の外れた部分は、やわらかい象牙質がむきだしになっています。そのため、怖いからと歯磨きしないでいると、すぐに虫歯になってしまう危険があります。銀歯が外れてしまったからこそ、しっかり歯磨きをして清潔に保つようにしましょう。
その3:外れた銀歯をティッシュペーパーにくるんで保管しない
一見すると正しいように思えますが、ティッシュペーパーにくるんだ銀歯に力が加わると変形してしまう恐れがあります。また、間違って家族に捨てられてしまう可能性もあります。外れた銀歯はしっかりしたケースに保管し、歯科医院へ持っていきましょう。
治療後の歯をいい状態で長持ちさせるために
歯の治療は、その後のメンテナンスが不可欠です。自宅でのセルフケアを見直すのはもちろん、定期的に歯科医院でチェックしてもらうようにしましょう。そうすることで詰め物をいい状態でキープでき、長持ちさせることができます。
また、もし銀歯が外れてしまったときは自分で判断せず、なるべく早めに歯科医院を受診してください。