セラミッククラウンの主な用途や治療にかかる費用

2017.08.03 health渡辺蘭

セラミッククラウンとは?

セラミッククラウンはどんなときに用いられるの?

セラミッククラウンが推奨されるのは、主に重度の虫歯の治療で歯を削らざるを得ないときです。セラミッククラウンは陶器でできている被せ物で、天然の歯と見分けがつかないほどの透明感のある白さが特徴。そのため、虫歯になって削ってしまった箇所に被せても、まず他人に気づかれることはありません。また、出っ歯やすきっ歯の治療にも用いられています。

セラミッククラウンの特徴

セラミッククラウンを用いた虫歯治療には少し注意点があります。従来の治療によく使われていたいわゆる銀歯のクラウンは、比較的薄く作ることができますが、セラミッククラウンは陶器製なので薄く作ることができず、一般的な虫歯治療よりも歯を多めに削ります。また強度については金属のクラウンにたわみ(弾性)があるのに比べ、セラミッククラウンにはたわみがなく、衝撃に弱いという特徴があります。

一方、メリットとしては、色に天然歯の色に合わせてグラデーションなどを入れることができるので、天然の歯とほとんど見分けがつかないことが挙げられます。汚れや変色などの経年劣化が少ないこともメリットでしょう。従来の治療によく使われていたいわゆる銀歯のように、金属アレルギーになる心配もないので、体にやさしい治療法です。

セラミッククラウンの種類と費用について

ジルコニア

ジルコニアはセラミッククラウンの内側に人工ダイヤモンド“ジルコニア”を使用しているセラミッククラウンです。一般的なセラミッククラウンよりも、耐久性が高いという特徴があります。

しかし、外側は普通のセラミックなので、強い衝撃が加わると外側だけが割れてしまうことがあります。また、費用が高額なので、何本も被せ物が必要になる場合には、お財布と相談したほうがよさそうです。

・費用
10~20万円/1本

アルミナ

アルミナは、ガラスなどの原料にも使われている“酸化アルミニウム”を使用して作られているセラミッククラウンです。ジルコニアよりも若干柔らかく、衝撃に弱いので、主に噛む力をそれほど必要としない前歯などで使うことが多いです。

・費用
8~15万円/1本

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチックで作られているセラミッククラウン。一般的なセラミッククラウンにたわみがないのに比べ、ハイブリッドセラミックには、レジン(歯科用プラスチック)が含まれているので弾力があります。

そのため、割れにくく、噛み合う歯を傷つけにくいという特徴があります。しかし、他のセラミックよりもレジンの割合が多く歯垢が付きやすいので、歯磨きを疎かにしてしまうと口腔内にトラブルが起こるリスクが高まります。

・費用
4~12万円/1本

e.max

e.maxは“二ケイ酸リチウムガラス”とセラミックで作られているセラミッククラウンです。硬い素材で耐久性に優れており、衝撃に強いという特徴があります。また、歯垢も付着しにくく、食べ物による着色の影響もほとんど受けることがありません。

・費用
6万~10万円/1本

保険の適用条件と保険適用の治療費

セラミッククラウンはほとんどが自費診療ですが、ハイブリッドセラミックだけは2014年に保険が適用されるようになりました。しかし、保険が適用できる条件があります。

・被せ物のみ
保険が適用されるのは、主に被せ物のみです。小さな虫歯治療で詰め物をするという場合は保険が適用されません。

・適用範囲
セラミッククラウンが適用になる範囲は、前から4番目と5番目の歯のみに限定されます。その他は保険適用外です。

・保険適用の治療費の目安
9,000円/1本

セラミッククラウンは審美性に優れている

上記で紹介した以外にもセラミック製のクラウンには、たくさんの種類があり、それぞれ特徴があります。中でも銀歯よりも審美性や耐久性、生体親和性などに優れているという点が大きなメリットです。2017年現在では、保険適用の治療は条件があり、治療費は自己負担となってしまうこともありますが、歯の見た目が気になるという人は、ぜひ歯科医師の説明のもと、納得がいくようでしたら取り入れてみてください。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事