知っておきたい歯ぎしり(ブラキシズム)の種類と症状

2018.01.04 healthSUE

歯ぎしりの種類と症状

歯ぎしりは、別名「ブラキシズム」ともいい、大きく分けて「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」の3つの種類に分けられます。このうち、どれか1つだけの症状が見られる場合と、2つ以上の症状が複合的に見られる場合があります。いずれにしても、どのタイプでも歯と顎に大きな力がかかるので、放置しておくとさまざまな悪影響が出でしょう。

症状1:グラインディング

3タイプのうちもっとも一般的な歯ぎしりです。上下の歯を強く噛んだ状態でギシギシと音を立てながら、歯と歯を横にこすり合わせる行為です。ほとんどの人が就寝中に無意識に行っている傾向にあり、他人に言われて気づくことが多い症状です。また、就寝中だけでなく起きているときにも注意が必要です。長期にわたってグラインディングを続けていると、歯の表面がすり減ってしまうなどの症状が出ます。

症状2:クレンチング

いわゆる「食いしばり」のことを指します。クレンチングは上下の歯に力を入れてグッと噛みしめる状態になり、就寝中はもちろん、仕事中など起きている間も無意識に食いしばりを続けてしまっているので、意識的に止めなくてはなりません。

グラインディングやタッピングと違い音がしないので、本人も周りの人も気が付かないのが特徴です。クレンチングを続けると歯が欠けたり、ヒビが入ったり、割れたり、顎関節症になったりします。朝起きたときに顎の調子がだるかったり、痛みなどの症状があったりするときは、グレンチングを疑ってみてください。最近、鏡を見たらなんだか顎まわりが張ってきた気がする……といった場合も、食いしばりを行っている可能性があります。

症状3:タッピング

タッピングには英語で「コツコツ音を立てる」という意味がありますが、ブラキシズムにおけるタッピングも歯を上下にコツコツと音を立てる行為を指します。タッピングはグラインディングやクレンチングよりは発症率は少ないですが、歯と顎に大きな力が加わるので、歯が欠けたり顎が痛んだりするなどの症状があり、顎関節症などの原因になることに変わりはありません。

歯ぎしりの症状~チェックリスト~

歯ぎしりは、行っている本人に自覚がないのが特徴です。では、どうしたら気づけるのでしょうか。下記のチェックリストの中に1つでも思い当たる症状があると歯ぎしりをしている可能性があります。

□ 朝起きたときに顎が痛い、だるいなど違和感がある
□ 歯にヒビが入っていたりする
□ 舌や頬の内側に歯型や噛んだ跡がついている
□ 口を閉じた状態のときに奥歯の上下があたっている
□ 肩こりや頭痛がする
□ 首や顎のまわりが張っていたり、こっていたりする
□ 仕事や運転などで集中しているときに歯を食いしばっている
□ 冷たいものや熱いものを口にすると歯がしみる

歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因にはストレスや噛み合わせなどがあげられます。以下の原因を解消することが歯ぎしりの予防に効果的です。

原因1:ストレス

歯ぎしりの最大の原因はストレスです。日ごろ溜まりに溜まったストレスを、歯をギリギリとこすり合わせたり、グッと食いしばったりすることで発散させているのです。たとえば、会議中などにグッと歯を食いしばっているのも、緊張状態を紛らわせるために行っているといえます。

原因2:噛み合わせ

上下の歯の高さがそろっていないなど、噛み合わせが悪いと歯ぎしりを起こしやすくなります。また治療後の詰め物や被せ物などで噛み合わせが変わることも歯ぎしりの原因になります。

原因3:過渡な飲酒と喫煙

因果関係は証明されていませんが、過渡な飲酒と喫煙も歯ぎしりの原因になると考えられ、また、アルコールやニコチンの摂取は歯ぎしりを悪化させると言われています。

歯ぎしりの対策法

歯ぎしりの改善には、自宅で行えるものと、歯科医院で治療するものがあります。

自宅で行う歯ぎしりの対策法

歯ぎしりの原因としてもっとも多いストレス。改善には日ごろからストレスを溜めないように心がけることが大切です。そのためにも規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、ストレスを解消するための趣味を持つなどに留意してください。また、過度な飲酒は控え、禁煙を心がけるようにしましょう。また、就寝時は低めに枕で仰向けに寝ることをおすすめします。

歯科医院で行う対策法

歯ぎしりの対策は歯科医師の指導の下で行うとより効果的になります。歯科医院の治療では、噛み合わせの改善やナイトガードやスプリントといったマウスピース装置を使うなどの方法があります。

歯ぎしりをしているかどうかを把握しましょう

歯ぎしりは放置しておくと歯や顎を傷め、顎関節症になるので、早期発見が重要になります。症状がある場合は、できるだけ早めに自分がどのタイプの歯ぎしりをしているのかを把握し、早めに対策をすることをおすすめします。

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