キシリトールが虫歯予防になる?効果的な摂取の仕方
なぜキシリトールが虫歯予防にいいの?
キシリトールとは天然の甘味料のことであり、身の回りの食べ物ではいちごやカリフラワー、ほうれん草などの果物や野菜に含まれています。ただし、市販のガムやタブレットのほとんどは白樺(しらかば)という木から抽出されたものが原料となっています。そんなキシリトールが虫歯予防に最適な理由は、大きく分けて次の2つです。
理由1:虫歯の原因にならない
甘い物を食べると虫歯になりやすいと言われます。それは食べかすなどによって溜まったプラークをミュータンス菌が食べ、酸をつくり出してしまうからです。ところが、キシリトールは甘いにもかかわらずミュータンス菌が食べても酸をつくり出すことができません。そのため、虫歯の原因にならないのです。さらにミュータンス菌がキシリトールを食べ続けると活動が弱まり、繁殖できずに数も減っていきます。
理由2:虫歯になりにくい環境をつくる
キシリトール入りのガムやタブレットを食べると、口の中に唾液がたくさん分泌されます。唾液は酸性に傾いている口の中を中性に戻してくれる働きがあるため、歯が溶けにくくなります。また、キシリトールによりプラーク中のカルシウムレベルが上がり、再石灰化を促進させると言われています。
こうした働きを持つキシリトールは、赤ちゃんや子どもの虫歯予防にも効果的です。お母さんが妊娠中からキシリトールを食べ続けることで、赤ちゃんがミュータンス菌に感染する時期を遅らせることができたという研究結果もあります。また、小さなお子さんには、お菓子の代わりにキシリトールを与えることで虫歯予防になります。
効果的なキシリトールの摂取方法
キシリトールはただおやつ代わりに食べるだけでは、本来の効果を発揮できません。そこで、ぜひ次のポイントをおさえて摂取してみてください。虫歯予防の効果がグンとアップします。
その1:できるだけ長く噛む
キシリトールガムはすぐに味がなくなってしまいがちですが、その後も5~10分ほどは噛み続けましょう。たくさん噛むことで唾液が分泌され、虫歯予防につながります。
その2:噛み始めの唾液はすぐに飲み込まない
キシリトール成分は噛み始めた時に一番多く出ます。そのため噛み始めた時の唾液をできるだけ長く口の中にとどめることで、虫歯予防効果が発揮されやすくなります。
その3:食後30分以内に食べる
キシリトールは1日3~4回程度摂取するのがおすすめですが、特に食べたほうがいいのは食後30分以内です。虫歯菌は食べかすを摂り込んで酸を出すので、食後は口の中が酸性に傾きやすくなります。そのため、キシリトールを食べると虫歯菌の働きを抑制できるのです。
その4:キシリトール摂取後に歯磨きをする
キシリトールはネバネバしたプラークをサラサラに変えてくれる働きがあります。そのためキシリトールを食べた後に歯磨きをすると、プラークがはがれやすくなります。
虫歯予防に効果があるキシリトールの選び方
スーパーやドラッグストア、コンビニなど、キシリトールガムやタブレットはどこにでも売っています。ただし、本当に虫歯予防に効果的なキシリトールは歯科医院でしか手に入らない専売の商品です。
その最大の特長は、甘味料としてキシリトールが100%配合されているということ。実は市販のキシリトール製品には、キシリトール意外に糖類などが配合されているものも多くあります。そのため、せっかく食べても本来の効果が得られないこともあるのです。その点、歯科専売は確実にキシリトールを含んでいます。
さらに歯の主成分であるリン酸カルシウムも配合されており、再石灰化を助けてくれます。市販のものと比較して硬めにつくられているため、噛む力が鍛えられ唾液も分泌されやすいです。歯にくっつきにくく、矯正治療中や義歯の方でも噛みやすいという特長もあります。虫歯予防のためにキシリトールを食べる時は、ぜひ歯科専売の商品を選ぶようにしましょう。
忙しい方ほどキシリトールを摂取する習慣を
おやつ代わりや口さみしい時に食べるだけで、簡単に虫歯予防ができるキシリトール。忙しくてオーラルケアがゆっくりできないという方は、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。