虫歯菌の数がわかる!唾液検査(サリバテスト)とは
唾液検査でわかること
毎日しっかりと歯磨きをしていても虫歯になる人もいれば、ごく稀にまったく歯磨きをしないのに虫歯知らずの人もいます。これは虫歯の原因が口腔内環境によるものだからです。
虫歯は虫歯菌が酸を出し歯を溶かすことでできます。つまり口の中の虫歯菌の量が虫歯になるかどうか重要なファクターとなるのです。また、唾液の量や質なども虫歯に大きな影響を与えます。唾液検査はこうした口腔内環境を調べることが目的であり、以下のことがわかります。
その1:唾液の量がわかる
唾液は歯を石灰化したり抗菌作用があったり、口の中を洗い流してくれるなど自浄作用があります。唾液の量が少ないと虫歯になるリスクが高まります。
その2:虫歯菌の量がわかる
虫歯の原因になるミュータンス菌やラクトバチラス菌の数を調べることができます。虫歯菌が多ければ虫歯のリスクが高まります。
その3:唾液の酸の中和能力がわかる
虫歯菌はプラークを栄養にして酸を排出しますが、この酸が歯を溶かし虫歯になります。唾液には酸性になった口の中を中和し虫歯を予防する働き(緩衝能)があります。こうした唾液の中和能力が弱いと歯が溶け虫歯のリスクが高まります。
その4:歯周病原因菌の量がわかる
唾液検査は虫歯菌の検査が中心ですが、検査方法によっては「ポルフィロモナス・ジンジバリス」など歯周病の原因菌を調べることもでき、歯周病になる可能性や進行具合を判断することができます。
唾液検査を受けることをおすすめする方とは?
唾液検査は基本的には全ての方におすすめしたい検査ですが、特に以下に該当する方は積極的に受けることをおすすめします。
その1:虫歯になりやすい方
毎日のセルフケアや歯科医での定期的なチェックを受けているにもかかわらず虫歯になる方は口腔内環境に原因が考えられます。虫歯になる原因を探り効果的なケアをするためにも唾液検査をおすすめします。
その2:唾液の量が少ない方
口の中が乾くなど唾液が少ないと感じられる方は唾液検査をおすすめします。
その3:乳歯から永久歯に生え替わる子ども
乳歯から永久歯に生え替わる時期は、子どもの歯にとってもっとも重要な時期にあたります。また子どもは大人よりも虫歯になりやすいので、この時期に唾液検査を受け、適切な対策を立てることで虫歯リスクを軽減することが重要になります。
その4:妊娠中の方や乳幼児の親
赤ちゃんの口の中にいるミュータンス菌は母親などからの感染が原因だと言われています。ご自身の口腔内環境を把握し、生まれてくる子どもや乳幼児に口移しで食べ物を与えないなどの工夫をすれば、子どもの虫歯リスクも軽減することができます。
その5:口臭や口の中がネバネバする方
ひどい口臭がしたり、口の中がネバネバしたりする方は歯周病が疑われますので、できるだけ早く唾液検査で調べてください。
唾液検査について知っておくべきこと
唾液検査は歯科クリニックで簡単にできます。ただ保険適用外でクリニックによって料金が異なる点に注意が必要です。唾液検査についての基本について押さえておきましょう。
基本1:唾液検査の方法
唾液検査は専用のガムを一定時間噛み続け、唾液を専用容器に吐きだして唾液の量を測定し、酸に対する中和力を調べます。またストリップ(木の棒)を舌に擦り付け虫歯菌を測定したりします。
基本2:唾液検査の料金
唾液検査は保険適用外なので、歯科クリニックによって検査の金額は異なります。一般的な相場は数千円とそれほど高額な検査ではありませんが、クリニックを選ぶ際はしっかりと確認しておきましょう。
唾液検査後の効果的なケアとは
検査を受けてお口の状況がわかって、それで安心してしまう人がいるようですが、当然ながらお口の健康を守るうえで不十分です。唾液検査の後は検査結果に基づいたケアをしてください。
ケア1:ミュータンス菌が多い場合
歯科クリニックで歯石をとり、PMCTなどのクリーニングをしてプラークを除去してください。またキシリトールガムを利用したり、フッ素配合の歯磨き粉を使用したりするのも有効です。
ケア2:ラクトバチラス菌が多い場合
ラクトバチラス菌は多い場合はすでに虫歯が進行していることが考えられるので、医師の指示に従って適切に処置してください。ラクトバチラス菌は糖分を好みますので、甘いものを控えたり、食後すぐに歯を磨いたり、グチュグチュうがいをしたりするのを徹底して口腔内を清潔に保ちましょう。
ケア3:唾液の働きが弱い場合
唾液の働きが弱かったり、唾液の量が少ない場合は水分を多く摂取したり、よく噛んで食べたり、唾液腺のマッサージなどが効果的です。
唾液検査でより効果的な虫歯予防を
唾液を調べることは、自分の口腔内環境がどのような状態にあるのか、虫歯のリスクが高いのかどうかなど、さまざまなことを把握できます。毎日のセルフケアをより効果的に行うためにも、ぜひ一度唾液検査を受けてみることをおすすめします。