“健康のバロメーター”歯ぐきが変色する原因と対処法

2017.11.25 healthオオタカ

歯ぐきが変色する理由

理由1:タバコによるメラニン色素の活性化

一般的には喫煙者の方には歯ぐきが黒ずんでいる方が多く見られます。タバコにはニコチンやタール、一酸化炭素などの、人体にとって有害な物質が含まれていますが、これらが付着することで歯ぐきが黒ずむ可能性があります。

ニコチンなどから歯ぐきを守るために「メラニン色素」が作られるようになり、それが沈着することで黒く変色する場合もあります。つまり、紫外線による日焼けを防ぐために、皮膚の表面にメラニン色素が多く作られる状態と同じことが歯ぐきでも起こっているのです。

理由2:歯周病

歯ぐきの色が黒ずんだり、腫れ上がったりしている場合は、歯周病が進行している可能性があります。歯周病は歯周病菌による歯ぐきの感染症で、放置すると歯を支える歯槽骨が解け、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまいます。歯周病は初期症状が乏しく、出血や排膿(膿が出ること)が起こるまで自覚できないケースも少なくありません。

理由3:金属製の差し歯や被せ物の影響

虫歯を治療した際に、保険診療の場合は金属製の詰め物や被せ物が使われることがほとんどです。いわゆる銀歯には個体差はありますが、経年によって酸化して腐食する可能性があります。

すると詰め物が歯ぐきから透けて黒く見えたり、溶け出した金属イオンにより歯ぐきが変色して黒く見えたりする、「メタルタトゥー」と呼ばれる状態になることがあります。また、金属製の詰め物は金属アレルギーの原因にもなるので注意が必要です。

歯ぐきが変色したとしても落ち込む必要はありません。変色した原因を理解し、対処することでもとの健康的なピンク色の歯ぐきを取り戻すことも期待できます。

対処法1:薬剤ガムピーリング

メラニン色素で変色した歯ぐきに薬剤を塗布し、ピンク色の歯ぐきを取り戻すことが期待できます。薬剤を塗布すると歯ぐきには白い膜ができますが、1週間程度で剥がれ、その下からピンク色の歯ぐきが現れます。個人差がありますが、治療は1 回から数回程度で済みます。なお保険適用外で歯科クリニックによって治療費も違うため、事前に確認しておくとよいでしょう。

対処法2:歯科医院で治療

歯周病による歯ぐきの変色が疑われる場合は、歯科医院を受診しましょう。自覚症状に乏しい歯周病ですが、ある程度進行すると出血や歯のグラつきが起こります。少しでも違和感を覚えたら、歯科医師の指示に従って治療を進めましょう。

歯周病は歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)に歯垢が溜まることで、内部の歯周病菌が活性化。顎の骨などの歯周組織を破壊します。そのため、毎日の歯磨きによって歯垢を取り除くことで、歯周病の改善につなげられます。

対処法3:レーザーガムピーリング

メタルタトゥーによる変色は、歯科医院でのレーザー治療による除去も1つの方法です。黒色に反応するレーザーの性質を活かして歯ぐきの黒ずんだ部分だけの除去が期待できます。個人差はありますが、レーザー治療は平均1~2回で終了します。

ピンク色の歯ぐきで素敵な笑顔を取り戻そう

歯ぐきが黒く変色していても、原因を理解して適切な対処法を試すことで、ピンク色の健康的な歯ぐきを取り戻せる可能性が高まります。健康的な歯ぐきを取り戻すことで、より自身の笑顔にも自信を持てるようになるはずです。

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