お口の健康を整える唾液の働きと分泌を増やす方法

2017.11.21 healthオオタカ

唾液の働き

唾液とは、口腔内で作られる液体のこと。その大部分は耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれる大唾液腺(だいだえきせん)と、口の中の粘膜のあちこちにある小唾液腺(しょうだえきせん)から分泌されています。唾液は、どのような働きを持っているのでしょうか?

働き1:口の中を洗浄しキレイに保つ

歯や歯間に付着した食べかすやプラークを洗い流します。

働き2:口の中の細菌などを殺菌する

唾液には抗菌作用を持つ成分「リゾチーム」「ラクトフェリン」などが含まれており、口の中で細菌が増殖することを抑えてくれます。

働き3:消化を助ける

唾液に含まれる「アミラーゼ」という酵素はでんぷんを分解して食べ物の消化を促進し、胃腸への負担を軽減します。

働き4:口の中の酸化を中和する

虫歯菌はプラークを栄養にし、酸を排出します。唾液に含まれるミネラルは酸性に傾いた口内を中和する働きがあり、虫歯を防ぎます。

働き5:虫歯を防ぐ働きがある

唾液に含まれるミネラルは、虫歯の前段階で歯に付着して歯の再石灰化を促すため虫歯を防ぎます。

働き6:食べ物がのどを通りやすくする

食べ物がのどを通りやすくする作用があります。また舌が味覚を感じることを助ける作用もあります。

唾液が減る原因

1日に作られる唾液の量は、人によって多少の違いはありますが、成人の場合約1Lから1.5Lと言われています。唾液が減ると虫歯や歯周病のほか、ひどい口臭などさまざまなトラブルを引き起こす要因になります。

唾液減少の原因1:口呼吸

鼻炎や花粉症などで口呼吸を続けていると、口の中が乾燥し、唾液の分泌が減ります。口呼吸を続けていると風邪なども引きやすくなるので、鼻呼吸を心がけてください。

唾液減少の原因2:ストレス

唾液の分泌は自律神経によってコントロールされています。しかし、過度なストレスやイライラが積み重なることで、ネバネバした唾液が分泌されたり、唾液の量が減少したりします。日頃からしっかりと睡眠をとり、ウォーキングなどの軽い運動をするなどしてストレス解消に努めましょう。

唾液減少の原因3:噛む回数

唾液減少の原因4:タバコやお酒

タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は歯ぐきの血管を縮小させ、唾液の分泌機能を低下させます。また過度な飲酒は脱水症状を起こし唾液の量が減少します。

唾液減少の原因5:加齢

70~80代になるとさまざまな要因から唾液の分泌量が減少します。唾液の減少により食べ物を上手に飲み込めないなどの原因になることもあるので、注意してください。

唾液減少の原因6:シェーグレン症候群などの病気

全身性の自己免疫疾患で乾燥症状が生じるシェーグレン症候群や、糖尿病、腎臓病などの病気が原因で唾液の量が減ることがあります。

唾液減少の原因7:薬の副作用

抗うつ剤、鎮痛剤、利尿剤、抗パーキンソン剤、降圧剤などの薬には副作用として唾液分泌の低下があります。

唾液の分泌を増やす方法

方法1:よく噛んで食べる

唾液は噛めば噛むほど分泌量を増やし、食べ物の消化などを助けてくれますので、食事中はできるだけたくさん噛むように心がけましょう。

方法2:唾液腺をマッサージする

唾液を作る唾液腺は舌の下(舌下腺)、顎の下(顎下腺)、左右の耳の下(耳下腺)にあります。これらの唾液腺を優しくマッサージすると唾液が出やすくなります。また、舌を出したり、口の中で舌を回したりすることも効果的です。

方法3:ガムを噛む

噛むと唾液腺を刺激するので、ガムを噛むことも効果的です。

唾液の量が少ないと感じたら歯科クリニックで検査を!

唾液は食べ物をスムーズに飲みこむことや消化を助け、虫歯や歯周病などの予防が期待できるなど口腔内で大切な役割を果たしています。

もし口の中が乾いたり、唾液の量が減少していたりする場合は、食事の際にしっかりと噛むように心がけ、唾液腺のマッサージに努めてください。それでも改善されないようでしたら、歯科クリニックで唾液検査を受けることもおすすめします。

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