過去に治療済みの銀歯を放置することの問題点とは
古い銀歯から悪臭?放置することで起こるトラブル
装着してから数年単位で時間が経過した銀歯から、物が腐った臭いや酸っぱい臭いが漂うケースがあります。そうした悪臭の原因は銀歯の下の治療済みの歯に虫歯ができていることが考えられます。銀歯の内部で虫歯菌が繁殖し、歯を溶かしたり内部にある神経を腐らせたりすることで、口臭を発してしまうのです。
しかし、銀歯の下は状態を確認しづらいため、症状がかなり進行するまで見落としてしまうことも珍しくありません。さらに治療で神経を取っていると痛みを感じにくく、虫歯に気づいたときには重症化し、抜歯せざるを得ないこともあります。
銀歯の下が虫歯になる原因
銀歯の下に虫歯ができる原因としては、主に以下の3つが挙げられます。
原因1:銀歯と歯に隙間ができている
日本の歯科技工士の技術は世界的に見ても高水準とされていますが、型取りが悪かったり、製作過程で変形してしまったりすると銀歯と歯の間に隙間ができてしまうこともあります。その隙間から虫歯菌が入り込むと虫歯再発の原因となります。
原因2:虫歯の取り残しがある
治療の際に虫歯の取り残しがあると、虫歯再発の原因となります。これは治療を行った歯科医師の技術や治療への考え方によるところが大きいと考えられます。必ずしも歯を削ることが正しいわけではありませんが、取り残しによって虫歯の再発につながる場合があります。
原因3:銀歯が古くなって腐食する
銀歯は一度装着したからといって、永久に使用できるものではありません。経年によって少しずつ腐食が進みます。特に銀歯と歯を止めている接着剤が劣化することで隙間ができ、そこから虫歯菌が侵入してしまい、虫歯の再発につながります。銀歯を装着したら「治療完了でもう安心」と考えるのではなく、定期的に歯科医院でメンテナンスを行うようにしましょう。
二次カリエス発症を防ぐためのポイントとは
銀歯の下にできる虫歯のように、以前に虫歯ができた歯に再度症状が現れることを「二次カリエス」と言います。治療が済むと安心しがちですが、実は歯科医院での虫歯治療の多くは二次カリエスであると言われています。二次カリエスの発症を防ぐためには、以下の内容を意識するようにしましょう。
ポイント1:丁寧なブラッシングを心がける
二次カリエスの予防に欠かせないのが、毎日の丁寧なブラッシングです。歯と銀歯の間にできた隙間には歯垢が溜まりやすいため、意識して磨くようにしましょう。虫歯の治療箇所は特に念入りにブラッシングするようにしましょう。
ポイント2:評判の高い歯科医院を選ぶ
歯科医院はコンビニよりも数が多いと言われているだけに、数多く存在する歯科医師も治療技術に差があるものです。いくら日ごろのケアを丁寧に行ったとしても、受けた治療の精度が低ければ、二次カリエスになるリスクが高まります。虫歯治療を希望する際は評判の高い歯科医院を厳選し、質の高い治療を受けるようにしましょう。
ポイント3:質の高い素材を選ぶ
銀歯は保険診療で行えるため、治療費を抑えられる点がメリットです。ただし、前述した経年による腐食により、二次カリエスを引き起こす可能性があります。虫歯の再発を抑えたい場合は、腐食しにくいセラミック(陶器)製の人工歯を選ぶことも1つの方法です。セラミックは歯垢が付着しにくいため、二次カリエスの予防につながります。また、銀歯よりも長持ちする点も特徴です。歯の色味と自然にマッチするため、審美性も高さも魅力だと言えます。
ポイント4:フッ素入りの歯磨き粉を利用する
フッ素には歯垢の中にいる細菌の活動を抑える作用があり、虫歯予防が期待できます。フッ素入りの歯磨き粉を使って、健康的な歯と同様に毎日コツコツと虫歯予防を続けましょう。
ポイント5:定期検診を忘れずに
歯科医院で定期検診を受けることも虫歯予防には効果的です。銀歯の下にできた虫歯を自分で発見するのは困難なため、プロの診断を受けましょう。できれば半年に1回ほどのペースで定期検診に通うのがベストです。定期的に歯科医院に通うことで治療した銀歯の箇所のケアだけでなく、お口全体の健康も意識することができます。
銀歯装着後のケアはかなり重要
一度虫歯になると高い確率で虫歯を再発するため、治療が済んだからといって安心はできません。二次カリエスを防ぐためにも、普段のブラッシングを怠らず、半年に1回の定期検診に通うようにしましょう。治療から時間が経った銀歯をきちんとケアしつつ、お口の中をいつまでも健康な状態で維持できるように努めることが大切です。