なぜ生え替わらない?乳歯が抜けない理由とは?

2018.01.14 healthオオタカ

乳歯が抜ける理由と時期は

乳歯から永久歯への生え替わりは人間の骨格の成長に伴う大切なプロセスです。そのため、「どうせ生え替わるから」とケアを怠るのではなく、次に生えてくる永久歯のための環境づくりに徹することを、親御さんとしては意識すべきでしょう。

乳歯から永久歯に生え替わる理由

人間の歯は成長するに従って、乳歯から永久歯に生え替わりますが、これは多くの哺乳動物にみられ、「二生歯性」と呼ばれる生態です。

赤ちゃんの顎はとても小さく大人の歯は収まりません。そのため、最初は小さな顎にも収まる小さな歯が、永久歯よりも少ない20本生えてくるのです。しかし、成長し顎が大きくなり、大きな歯が入るスペースができるにしたがって乳歯が抜け、永久歯へと生え替わるのです。

通常14歳のころに永久歯は生えそろいます。

乳歯が生え替わる時期に個人差はありますが、通常6歳のころから始まると言われています。実際は子どもによっては4~5歳の時に生え替わりが始まり、7歳のころにはほとんどが永久歯に生え替わり始めます。

乳歯の生え替わりは下の前歯から始まり、上の前歯、奥歯の順で進行し、12歳のころにはほぼ生え替わりが終了。また、12歳から14歳の間に乳歯にはなかった奥歯が生え、永久歯28本が生えそろいます。

乳歯が抜けない5つの理由

人間の成長にとって欠かせない乳歯から永久歯への生え替わりですが、最近では大人になってからも乳歯が抜けない「大人乳歯」の方が増えており、その割合は十数人に1人いると言われています。乳歯が抜けないのにはさまざまな理由が考えられます。

理由1:永久歯の成長が通常よりも遅い

子どもの歯の成長に親はとても神経質になってしまうものです。特にほかの子どもと比較して永久歯への生え替わりが遅いようだと、とても心配になるでしょう。しかし、永久歯の成長は人によって違いがあり、ほかの子どもに比べ遅れることは決して珍しくありません。

理由2:永久歯が歯ぐきの中に埋没している

永久歯が顎の骨や歯ぐきの中に埋没する状態を埋伏歯といい、乳歯が抜けない理由の一つに挙げられます。埋伏歯の状態になると歯の生えるスペースが無くなったり、骨のなかで邪魔をしたりして永久歯の成長を妨げることがあります。
埋伏歯はレントゲン検査ですぐにわかります。

埋伏歯は問題が無い場合は、そのままの状態にしておきますが、永久歯の生えるスペースがない状態であれば、歯ぐきを切開し歯を引っ張り出す処置を行います。また矯正装置などで治療する場合もあります。

理由3:2本の歯が癒着した乳歯がある

2本の歯が癒着した状態を癒合歯と呼びますが、癒合歯があると2本のうち1つの永久歯が欠如し乳歯が抜けない原因になります。癒合歯でも特に問題がなければ、そのままの状態にしておいても大丈夫ですが、問題があれば抜歯が必要なケースも。いずれにせよ歯科医師に相談することがおすすめです。

理由4:顎が未発達である

乳歯から永久歯への生え替わりは顎の発達に伴って起こりますが、近年は食生活の変化などにより大人の顎の大きさが小さくなってきており、永久歯が生えるスペースがなくなることによって乳歯が抜けないことも考えられます。小さな子どものうちから食物繊維の多いものなど噛み応えのあるものも食べさせ、子どもの顎の成長を促すことも重要です。

理由5:永久歯が先天的に欠如している

永久歯が生えるには乳歯の下の歯胚(しはい)が作られなければなりませんが、何らかの影響で永久歯の歯胚が作られず永久歯が欠如することがあります。このように先天的に永久歯が欠如している状態を先天性欠如歯と言います。

先天性欠如歯の場合、乳歯が大人になっても抜けない「大人乳歯」になるケースが多いのが特徴です。先天性欠如歯はレントゲン検査ですぐ判明します。治療は一般的には小学生以下は経過観測になり、中学生以上は矯正治療、30歳以上は矯正治療やインプラントなどの治療法を採用。症例などにより治療内容も変わりますので、早めに歯科医師の相談することがおすすめです。

乳歯が抜けないからと心配し過ぎないことが大切!

歯の成長は個人差が大きいので、乳歯が抜けないからと神経質になり過ぎず、じっくり子どもの成長を見守ることを大切にしてください。ただ乳歯が抜ける時期を大きく過ぎても乳歯が抜けない場合は、歯科医院で一度診てもらうといいでしょう。何より大切なのは赤ちゃんのころから歯科医院での定期検診を欠かさないことです。

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