虫歯予防に有効な「シーラント」をご存知ですか?

2018.01.11 healthオオタカ

「シーラント」の効果とは

子どもの歯である乳歯は複雑で、奥歯の表面は想像以上にデコボゴしています。このため歯磨きをしていても磨き残しがでやすいのが特徴です。そのため、磨き残しがないように奥歯の溝の凸凹を埋めて、虫歯菌が繁殖しないようにするシーラントの処置をおすすめします。

「シーラント」とは

シーラントは日本語では、小窩裂溝填塞法(しょうかれっこうてんそくほう)と呼ばれています。大人の歯も奥歯はデコボゴしていますが、子どもの場合さらに複雑な形状をしており、奥歯などは大人以上に入念なケアが必要です。

このデコボコした形状を小窩裂溝(しょうかれっこう)と言いますが、この部分は汚れがたまりやすく、虫歯の原因になることがよくあります。シーラントでは子どもの歯のデコボコした部分にレジンを素材としたシーラント材を注入し、デコボコした部分を平らにする処置を行います。

「シーラント」の効果・タイミング

子どもの奥歯などのデコボコした部分をシーラントで平らにすることで、磨き残ししにくくなり、虫歯予防をより効果的に行うことが期待できます。

もともと赤ちゃんの歯のなかには虫歯菌はありませんが、母子感染などさまざまな要因で虫歯菌が子どもに感染することで発症する可能性が高まります。このため、乳歯が生えた段階からのシーラントを行うことをおすすめします。また、永久歯に対してもシーラントで虫歯予防の処置を施すことは重要であり、前歯の裏側にシーラントをすることも効果的です。

【シーラントを行うのに最適なタイミング】
1.乳歯の奥歯が生えてくる3~4歳ごろ
2.奥歯の永久歯が生えてくる5~6歳ごろ
3.前歯の永久歯が生える7~8歳ごろ
4.12歳臼歯(奥歯)は生えてくる9~12歳ごろ

「シーラント」の施術方法

シーラントの施術方法はとてもシンプルです。まずは対象となる歯をクリーニングして乾燥させ、歯にシーラント材を注入します。デコボコ部分が平らになったらUVライトを数十秒照射し、固まったら終了です。シーラント材は虫歯治療に使用されるレジンを素材としているので健康面でも不安はありません。なおシーラントは6~12歳までの初期虫歯の場合は保険適用されるので、歯医者さんにご相談ください。

「シーラント」をする際の注意ポイント

子どもの虫歯予防に効果的なシーラントですが、シーラントをすれば虫歯にかからないというわけではありません。シーラントの処置においては以下の注意点を留意しておきましょう。

注意点1:シーラントは永久的なものではない

シーラントはレジンというプラスティック製の素材で出来ており、毎日食事をしたり歯磨きをするうちに欠けたり外れてしまうなど、永久的に効果を発揮するものではありません。シーラントの処置を施したからと安心せず、定期的な検診を行ってシーラントの状態を常にチェックする必要があります。

注意点2:虫歯にかからないと勘違いをしないこと

シーラントは歯のデコボコしたところをシーラント材で一時的に平らにし、歯磨きなど虫歯予防をしやすくするための処置です。そのため、シーラントをしたからといって完全に虫歯予防、ましてや虫歯治療ができるわけではないということを認識しておくべきでしょう。

また、歯と歯の隙間や歯と歯ぐきの間などにシーラントの処置は施せません。シーラントをしたからといって、子どもの歯磨きを疎かにしてしまうと逆に虫歯を進行させてしまうこともあります。シーラントをした後もいつも通りに毎日の歯磨きをし、正しい食習慣を心がけて定期的な歯科検診を行うことが大切です。

正しい歯磨き習慣のためにもシーラント

小さな子どものうちに虫歯にかかると、大人になってからも虫歯や歯周病などに悩まされる可能性が高まります。子どものころからの虫歯予防は、生涯の歯の健康を決めると言っても過言ではありません。シーラントは奥歯などを磨きやすくしてくれるので、子どもに正しい歯磨き習慣を身につけさせ、虫歯予防をすることに効果的なので、是非おすすめです。

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