赤ちゃんへのキスで虫歯がうつる?母子感染回避のために気をつけること

2017.09.26 health福本春香

虫歯がうつるってどういうこと?

まず整理しておくべきことは、虫歯がインフルエンザなどと同じ感染症であることです。主な原因となるのはミュータンス菌。そのため虫歯を予防するには生活習慣の改善や念入りなブラッシングに加え、菌に感染しない・増やさないことがとても重要になります。

そもそも、産まれたての赤ちゃんの口の中にはミュータンス菌はまったく存在しません。もしそのまま成長していけば、虫歯ゼロの人生を送れるでしょう。でもママやパパをはじめたくさんの人と関わりながら生活していくうえで、それは難しいことですよね。気づかないうちに感染してしまう経路は、身のまわりにたくさんあるのです。そうした大人を通して虫歯菌に感染することを「母子感染」と言います。

これをすると危険!赤ちゃんに虫歯菌がうつる行動

大人の口から赤ちゃんにミュータンス菌がうつるのには、具体的にどんな行動が考えられるのでしょうか。なにげなく行動していることでも、実は感染の経路になっています。以下の行動にあなたも心当たりはありませんか?

キスをする

ママやパパの唾液に含まれるミュータンス菌が赤ちゃんの唇について、口の中にミュータンス菌がうつってしまいます。

同じスプーンや箸を使う

大人が使った食器に付着したミュータンス菌が、赤ちゃんにも間接的に移動してしまいます。

フーフーして冷ます

「こんなことで!?」と思われるかもしれませんが、食べ物を冷ますためにフーフーと息を吹きかけるだけでも、ミュータンス菌を含む唾液が飛んでしまう恐れがあります。

赤ちゃんの手をなめる

赤ちゃんの手が食べ物で汚れたときペロッとなめてしまうと、唾液がついた手を赤ちゃんがしゃぶってしまうことでもミュータンス菌がうつることが考えられます。

赤ちゃんに虫歯をうつさないために

赤ちゃんにミュータンス菌がうつる原因はたくさんありますが、すべての行動を禁止して神経質になりすぎてはママが疲れてしまいますよね。もちろん感染経路を断つことは大事な予防策ですが、それ以外にも実践できることはあります。

ママやパパの口の中をキレイにしておく

周囲の大人の口腔内にいるミュータンス菌を減らすことで、赤ちゃんに感染するリスクも下げることができます。ブラッシングなどの毎日のセルフケアはもちろん、定期的に歯科医院へメインテナンスに通い、虫歯をつくらない口腔内を目指しましょう。歯科医院で唾液検査を行えば、自分の口の中にどれくらいミュータンス菌が存在するのか確かめることもできます。

ママがキシリトールを摂取する

キシリトールには、口の中のミュータンス菌を減らす効果があります。また、ママが妊婦のころからキシリトールを食べると、産まれてきた赤ちゃんの口の中のミュータンス菌も少なくなるという研究結果もあります。キシリトールは100%のものがおすすめです。

早めに赤ちゃんの歯磨き習慣をつける

個人差はありますが、生後6ヶ月くらいから赤ちゃんの歯が生えてきます。まだ歯磨きは必要ないですが、この段階からガーゼや歯ブラシを口の中に入れる練習をしておくと歯磨き自体の習慣もつきやすくなります。

赤ちゃんのおやつの時間を決める

食べ物が口の中に入ると、唾液が酸性に傾いて虫歯になりやすい状態になります。だらだらとおやつを食べてしまうと、この酸性の状態がずっと続いてしまうことに。なるべく糖分の少ないおやつを、時間を決めてあげましょう。

虫歯予防は家族みんなで取り組もう

気づかないところで、虫歯は大人から赤ちゃんへ感染しています。でも、赤ちゃんの歯を虫歯菌から守るためにできることはたくさんあります。何より大事なのは、まずは周囲の大人がきちんと虫歯予防をしておくこと。ママやパパだけではなくおじいちゃんやおばあちゃん、赤ちゃんの兄弟も、しっかり歯科医院に通いましょう。これからママになる方も、すでにかわいい赤ちゃんが産まれて子育てに奮闘中の方も、さっそくできることから実践してみてください。

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