なぜ歯科健診を受けた方がいいの? ~本当は恐い歯やお口と全身の関係~

2023.05.17 health歯科タウン編集部

歯周病が身体の病気を引き起こす

歯周病が身体の病気を引き起こす

みなさんも一度は、「歯周病」という名前を聞いたことがあると思います。でも、歯周病について詳しく知っている人は少ないかもしれません。ズバリ、歯周病とは歯を支えている歯肉やあごの骨が少しずつ壊されていく怖い病気です。歯周病をそのまま放置しておくと、やがてグラグラしていき歯を抜くことになってしまいます。

この歯周病ですが、身体の病気とも深い関係があるんです。歯周病の原因菌である「歯周病菌」が歯ぐきから血管に侵入していき、血管内で炎症が起こします。その結果、あらゆる病気を引き起こすそうです。

歯周病と関係性の高い身体の病気をまとめてみました。

病名 歯周病との関係
心臓疾患・脳血管疾患 歯周病菌から排出される「エンドトキシン」が歯周組織を破壊し、そこから歯周病菌が血管に侵入。血管内でプラークを形成し血管を硬くすることで、動脈硬化や脳梗塞の原因となる。
また、プラークが心臓に到達すると心臓疾患(心筋梗塞など)を引き起こす。
糖尿病 歯周ポケットから出血や膿などの炎症に関連した化学物質が出ると、血管を経由して全身に回っていく。この化学物質が、身体の中で血糖値を下げるインスリンの効き目を下げてしまうため、糖尿病が発症しやすくなる。
骨粗鬆症 この病気は女性に多く、特に閉経による女性ホルモンの低下が原因となり骨粗鬆症を発症しやすくなります。
また、歯周病の原因の一つに女性ホルモンのエストロゲンの低下が関係しているとも言われ、エストロゲンの分泌が減ることで骨が脆くなり、歯を支える歯槽骨にも影響を及ぼします。
誤嚥性肺炎 ご高齢の方は飲み込む機能(嚥下機能)が衰えるので、飲み込んだ時に食道へスムーズに流れずに、気管に入りやすくなります。
その際に、気管支や肺へ歯周病菌や虫歯菌なども流れ込んでしまい、誤嚥性肺炎が引き起こされてしまいます。
低体重児出産・早産 歯周病によって歯ぐきが炎症すると、「サイトカイン」と呼ばれる炎症性物質が作られる。このサイトカインは血管を通して全身へ運ばれる。
炎症性物質には陣痛を促す作用があり、低体重児出産や早産の原因となる可能性がある。

歯の噛む機能が低下すると「メタボ」になるって本当!?

歯の噛む機能が低下すると「メタボ」になるって本当!?

歯周病の怖さは、上記で紹介しただけではありません。女性にとっての宿敵である、メタボ(メタボリックシンドローム)とも深い関係があるんです。

メタボの方は内臓脂肪が多い特徴があり、血管内にも脂肪が蓄積しています。つまり、血の流れが悪くて血液がドロドロの状態になっています。その結果、栄養や酸素を身体に運ぶ力が低下していきます。運ぶ力が低下することで免疫力も低下してしまいますし、歯ぐきの血の流れも悪くなり、歯周病が悪化してしまう悪循環に陥ります。このように、歯周病とメタボには深い関係があります。

オーラルケアで歯とお口だけでなく全身健康になろう!

オーラルケアで歯とお口だけでなく全身健康になろう!

ここまで歯周病と身体の健康の関係をお伝えしてきましたが、怖さがお分かりいただけたと思います。また、歯周病だけでなく虫歯も放置しておくとあらゆる身体の病気を引き起こすことが分かっています。

歯やお口だけでなく、全身が健康でいたいのならば歯科健診を含めたオーラルケアが欠かせません。でも、自分だけでオーラルケアを行うのは難しいので、歯医者さんの力を借りるのがポイントです。定期的に歯医者さんに通い、しっかりとオーラルケアを行うことで全身健康な身体を目指しましょう!

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