9割が「国民皆歯科健診制度」に賛成するも目的を知らない人も多数!? 歯科タウン意識調査
歯科健診制度には9割が賛成。でも、目的を知らない人も多数…
「国民皆歯科健診制度について意識調査」 調査概要
調査期間:2022年06月30日~2022年08月08日
調査方法:歯科タウンから歯科医院予約をしたユーザーへアンケート
有効回答:309サンプル
対象地域:全国
調査対象:歯科医院を探している患者さん(男女)
費用負担の心配がなければ、歯科健診を受けたい人は90%超
『歯科健診が自己負担なし、自己負担わずかで出来るようになったら利用しますか?』
・学生でなければ歯科検診を受ける機会もないため(20代 男性)
・治療では無い状態で、高い金額を出すのは少し嫌だなと思う(20代 女性)
・恥ずかしくて行けない人達のきっかけになると思う(20代 男性)
・負担がないと気軽に行ける(30代 女性)
・無料で健康を保つ機会が得られるから(40代 男性)
・歯科に関することは金額が高いイメージがあるので、気軽に受けられるようになれば、もっと敷居が低くなる(50代 女性)
自己負担なし、またはわずかな自己負担で歯科健診を受けられるようになった場合に「利用する」と回答した人は90%超となりました。自己負担が少なければ気軽に行きやすい、無料で健康を保つ機会が得られるなど、多くの人が負担の少ない歯科健診を歓迎していることが分かります。
・仕事で時間がなかなか取れないため(20代 女性)
・時間がない(30代 男性)
・健診しなきゃと思う一方歯医者が怖いから(20代 女性)
・負担がわずかでも、忙しくていけるかわからないから(30代 男性)
・歯科の営業時間と仕事の時間の調整が難しく感じる場合が多い(40代 女性)
一方、自己負担が減っても「利用しない」、「どちらともいえない」と回答した人も。その理由は、忙しくて歯科健診に行く時間がない、健診を受けなくてはという気持ちはあるものの歯医者が怖いといったものでした。
より多くの人に歯科健診を広げるためには、自己負担の有無だけでなく、歯科医院側の診療時間の拡大や歯科医院に対する恐怖心を払拭するような取り組みも必要なようです。
約90%の人が国民皆歯科健診制度に賛成!
前の質問ではホワイトニングの値段に不安を感じている人が多いことがわかりましたが、歯医者さんでのホワイトニングの値段については、どのように感じている人が多いのでしょうか。
『国民皆歯科健診制度は良いと思いますか?』
・自己負担が無くなれば、お金の心配をせずに通えるから(10代 女性)
・歯も大事な身体の一部だから(20代 男性)
・虫歯の人も減ると思うし、相談出来る機会も出来そうだから(30代 女性)
・国民の健康維持を保つ制度として、大変素晴らしいことだと思う(40代 男性)
・一生自分の歯で食事が出来るためにも。定期的な健診は必要だと思う(50代 女性)
・自主的になかなか健診に行かないので(60代 男性)
国民皆歯科健診制度について、約90%が「良いと思う」と回答しています。お金を心配せずに通えるといった理由や自主的にはなかなか健診に行かないからといった理由のほか、定期的な検診で歯の健康維持を保てるからと、歯の大切さを認識している人も多いことが分かりました。
・制度として義務付けすることの必要性を感じない(40代 女性)
・必要な世代など限定的なものになっていればまぁ良いのではと思う(20代 男性)
・その分の負担がどこかに皺寄せがきそう(30代 女性)
・よくわかっていない(40代 男性)
・望んでる人には良い制度だと思うけど極力歯医者には近づきたくないと思ってるので きっと行かないと思う(50代 女性)
「良いとは思わない」、「どちらともいえない」と回答した人からは、対象世代を限定した方がいいのではという声や国民皆歯科健診制度にかかる費用を別の形で負担することになるのではといった意見が出されました。国民皆歯科健診制度の詳しい内容までは、まだ浸透していないことが伺えます。
国民皆歯科健診制度に税金が使われることに賛成する人は約7割に
『国民皆歯科健診制度に税金が使われることについてどう思いますか?』
・日本人の歯の健康習慣を向上した方が良い(20代女性)
・無駄な税金の使い道ではないため(20代 男性)
・検診を受けて早期に治療をすることで将来的に医療費の低減に繋がると思うから(20代女性)
・綺麗な歯=健康な身体作り(長生き)にも繋がるのではないか(30代 女性)
・自分たちに使っていると思えるから(30代 女性)
・治療費は高額になる場合があるから(40代 男性)
・みんなに有効に使ってもらえるなら良いと思う(50代 女性)
国民皆歯科健診制度に税金が使われることについては、約70%が「良いと思う」という回答に。歯科健診制度の浸透が将来の医療費の軽減につながるという声や自分たちのために使われる税金だと分かるから、などの意見が出され、国民の健康維持を目的とした税金の利用方法であることに肯定的な回答が多かったようです。
・個々の生活習慣も関係することに税金を使うことは望ましくない(40代 女性)
・利用しない人にとっては損な気持ちになるから(30代 女性)
・他の検診のように対象年齢が必要だと思う。心臓病や糖尿病の予防なら20〜40代くらいを対象にして歯のリスクを周知させると上の世代にも広がると思う。
10代は学校の歯科検診があるので(20代 女性)
・税金でも仕方ないかなと思うが、税金が上がるのはつらい(30代 女性)
・別に使うべき所もあるのでなんとも言えない(40代 女性)
一方、「良いとは思わない」、「どちらともいえない」と回答した人も約30%に上りました。制度自体を肯定する人は約9割であったのに対し、税金の投入については賛成が7割弱であったことから、税金を投入してまで歯科健診を行う必要性はないと考える人も一定数いることが伺えます。
約9割の人が健診をきっかけに歯の健康に対する意識が高まると回答
『国民皆歯科健診を機に、歯医者に行く頻度やオーラルケアへの意識は変わりそうですか?』
「意識が高まり、歯医者に行く頻度も増えると思う」という回答が約65%と最も多く、「意識はやや高まるが、歯医者に行く頻度までは変わらない」という回答も約25%という結果に。国民皆歯科健診制度が確立されれば、約9割の人はオーラルケアへの意識が高まることが分かりました。しかし、オーラルケアの意識が高まっても、歯医者に通うという行動にまではつながらない人も少なからずいるようです。
国民皆歯科健診制度の導入目的を知らない人が35%
『国民皆歯科健診制度は将来的な大病を抑制するためのものと知っていましたか?(心臓病、糖尿病などを未然に防ぐ)』
国民皆歯科健診制度の導入には、将来的な病気を予防する目的があることを「知らなかった」という回答が最も多く約35%に。「知っていた」、「なんとなく知っていた」と回答した人は合わせて65%となりました。
歯の健康と全身の健康の関係性を知る人は増えているものの、オーラルケアの大切さや必要性については今後もより広く伝えていく必要がありそうです。
オーラルケアの意識が高いと思っている人は、わずか20%
『自身のオーラルケアに対する意識は高いと思いますか?』
自身のオーラルケアに対する意識についての質問では「普通」という回答が約45%で最も多くなりました。
「低い」 、「やや低い」という回答は合わせて約35%、「とても高い」、「やや高い」という回答は合わせて約20%となり、オーラルケアの意識が高いと回答する人の割合が最も少ないという残念な結果に。この結果から、オーラルケアに意識を高く向けている人はまだまだ少ないことが分かりました。国民皆歯科健診制度をきっかけに一人ひとりのオーラルケアの意識が高まり、口腔内はもちろん、全身の健康維持が促進されることを期待したいものです。
国民皆歯科健診制度は、将来の医療費削減を目指した制度
国民皆歯科健診制度については肯定する意見が9割に上ったものの、制度の目的については35%の人が知らなかったと回答しました。
オーラルケアは歯周病を予防するだけでなく、全身の疾患予防にもつながります。国民皆歯科健診制度は、歯医者に行くことを促すだけの制度ではなく、オーラルケアを続けることで国民の健康寿命を延ばし、将来的に医療費を削減することを目的として検討されている制度です。国民皆歯科健診制度をきっかけに、国民一人ひとりのオーラルケアの意識が高まれば、健康寿命も高まり、医療費も削減できるのではと期待されています。