どうして歯の神経を抜くの?抜いたときのメリットとデメリットってなに?

2016.10.26 health小日向睦

歯の神経はなぜ抜かなくてはいけないの?

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神経を「抜く」とよく言いますが、実際どんな状態なのでしょうか。実は、歯の中には歯髄腔(しずいくう)という空洞があり、その中に神経が入っています。歯の神経は、前歯は1本ずつ、奥歯などは2~3本ほどの神経があり、普段私たちが食事をするときなどに、触る温度の変化などを感じさせてくれています。

しかし、歯が虫歯になってしまい、虫歯が神経に達している場合は抜かなくてはいけません。では、仮に虫歯が神経まで達しているのに神経を抜かなかったとしましょう。その場合、歯の内部神経が腐ってしまい、感染症になってしまったり、膿が溜まってしまうこともあります。さらに歯の内部を腐らせた細菌は、歯の下の骨まで溶かしてしまうこともあるのです。

すでに虫歯が神経まで達している場合、痛くないという人もいるようですが、突然に鈍器で頭を殴られたような強い痛みが走ることもあります。このような理由から、虫歯が神経まで達している場合は、神経を抜くことが多いようです。

歯の神経を抜くメリット

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次に歯の神経を抜いたときのメリットをご紹介します。

1.歯の感覚がなくなるので痛くない!

もっとも分かりやすいメリットは、痛くなくなるということです。虫歯が進行してしまうと、虫歯菌が歯を腐らせて酸を発生させますが、神経がないので痛みを感じなくなります。また、冷たいものが歯にしみたりすることもなくなります。

2歯の内部に細菌が入るのを防ぐ

先ほども言ったように神経を抜かずに放置しておくということで、感染症になってしまいますが、神経を抜くことでそれを防ぐことができます。なぜなら、歯の神経がある部分は、歯の表面と歯の内部をつないでいる、いわば感染経路のようなもので、神経を通じて、歯の内部に細菌が入り込みます。

ですが、神経を抜くことで、細菌が入り込む感染経路を断つことができるので、歯の表面ある虫歯菌が内部に侵入するのを防ぐことができるのです。

歯の神経を抜くデメリット

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メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。次は、歯の神経を抜くことで発生するデメリットをご紹介します。

1.歯が脆くなる

歯の神経を取ると、神経と一緒に、歯の内部の細い血管を取ることになります。すると歯に栄養が行きわたらなくなるため、歯が脆くなります。

神経を抜いた歯は、よく枯れ木に例えられることがあります。枯れ木は、水を吸い上げる力がなくなった状態で、少しの衝撃で簡単に枝が折れます。歯も枯れ木と同じように、少しの衝撃で簡単に割れてしまいやすくなります。神経を抜いた歯の寿命は、口内環境にもよりますが、約10~20年と言われることが多いようです。

さらに、奥歯には、重いものを持ったりして歯を食いしばると、約60kgもの力がかかります。これほどの力が神経を抜いた後の脆くなった歯にかかってしまうと、いとも簡単に割れてしまいます。そのため、歯の上から被せものなどをして直接歯に力がかからないようにする必要があります。

2.歯が黒くなる

神経を取り、栄養が送られなくなってしまった歯は、黒くなってしまいます。この場合はホワイトニングで治ることもありますが、治らないこともあります。また、歯の変色が起きてしまった場合は、変色が起きた歯の上から被せものをすることが多いようです。

3.虫歯に気づかなくなる

もちろん、神経を抜いた後は、その歯が再度虫歯になってしまっていても神経がなく、痛みがないため、虫歯になっているのに気づかないという人が多いようです。しかし、虫歯の進行は、その歯だけではなく、その他の歯にも影響を及ぼす可能性も考えられるので、できれば早めに治療したいところですね。

歯の神経を抜くことがなくいようにケアしましょう!

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このように、歯の神経を抜くことは、実はメリットよりもデメリットの方が断然多いのです。神経を抜いたところは、歯が脆くなってしまっているため、差し歯を入れてしまったり、インプラントにしてしまったりすることが多いようです。

自分の歯をできるだけ長く使いたい方は、とにかく虫歯が神経まで達することがないように日ごろからケアをしっかりとするということがとても大切です。神経を抜いて脆い枯れ木のような歯になる前に、日ごろの歯のケアをしっかりとして、神経を抜かなくても良いような健康な歯を育てる努力をしていきましょう。

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