なかなかよくならない口内炎!大きくなる原因と対処法について
口内炎が大きくなる原因
6mm以上の大きさの口内炎(「潰瘍」と呼びます)ができてしまう原因は1つ。2つ以上の口内炎がとても近い位置にできてしまい、それらがくっついてしまうことです。
実際に同じ箇所に口内炎が複数個できてしまい、それらがくっついてしまうことはとくに珍しくありません。しかし、同じ箇所に複数個口内炎が発症しているという状態は、他に厄介な病気を抱えていることを表すシグナルかもしれません。
口内炎が大きくなる前の対処法
他に病気のシグナルではなく、単に口内炎が多発してしまっているという状態の場合は、早めに対処することで大きくなるのを未然に回避できます。
市販の口内炎治療薬を使う
セルフケアを考えるなら、市販の口内炎治療薬がおすすめです。比較的安価で購入でき、放置するよりも早い改善が期待できます。なかでもおすすめなのは「ケナログ軟膏」。口内炎治療薬のなかでも特に人気が高く、配合されているステロイド成分によって、効果的な口内炎改善が期待できます。
レーザー照射
即効性を求める場合は、歯科医院や口腔外科でレーザー治療を受けるのがおすすめです。レーザーを照射した時点で口内炎の炎症や痛みの改善が期待できるので、ダラダラと治療をするのが嫌な人はぜひ検討してみてください。
口腔内を清潔にしておく
歯磨きを丁寧に行い、殺菌効果が期待できるマウスウォッシュで口腔内を清潔に維持することは、予防策として有効です。細菌の増殖を抑えることにより、口内炎の治りが早くなります。ただし、ゴシゴシと力を入れて歯磨きをするとかえって悪化させてしまう可能性もあるので、力を入れずに隅々まで磨くようにしましょう。
ビタミンB2・B6 をしっかりと摂る
サプリメントやビタミン剤などからビタミンB2やB6などを摂取することで、口内炎の改善が期待できます。これらのビタミンには口腔内の粘膜の新陳代謝を促進させる働きがあり、新陳代謝が活発になった粘膜は次々に新しい粘膜を作り出します。古い組織が新しい組織と入れ替わることで、口内炎を放置するよりも早く治すことができるのです。
口内炎と似ている病気にも注意が必要
先にお伝えしたように、口内炎が同じ箇所に複数個できてしまうというのは、口内炎以外の“別の厄介な病気”を抱えているシグナルかもしれません。では、どのような病気の可能性があるのかを見ていきましょう。
口腔がん
2週間以上経っても口内炎がよくならない、あるいはどんどん大きくなっている気がするという場合、まず疑わなければならないのは口腔がんです。口腔がんは、舌や歯肉、頬の裏、口蓋など、さまざまな場所に発症します。
口内炎でもっとも多いとされている「アフタ性口内炎」はできものができるという特徴がありますが、口腔がんにも同じ特徴があるので、初期段階で、しかも自分で見分けるのは難しいと言えるでしょう。
手足口病
とても細かな口内炎のようなものが同じ場所にたくさんできている場合は、手足口病の可能性があります。この病気は1~3mm程度の水疱が口腔内に発生します。また、5mmを超える大きな口内炎ができることもあります。
病名からもわかるように、水疱が発症する部位は口腔内だけにとどまらず、手、足、口などいろいろな部分に現れます。また、大人の発症率よりも子どもの発症率のほうが高い傾向にあります。
クローン病
クローン病は、消化器に炎症やできものが起こる病気で、合併症として口腔内、特に頬の粘膜にアフタ性口内炎ができやすくなります。また、口腔内の同じ位置に複数個口内炎は発症することもあります。ちなみに、この病気は難病に指定されており、原因は今のところわかっていません。
ベーチェット病
ベーチェット病も難病に指定されている病気の一つ。全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が起きる膠原病(こうげんびょう)の一種だとされていますが、原因は不明です。
主な症状としては、眼症状が有名です。突然視力が失われたり、回復したりを繰り返します。そのベーチェット病の主たる症状の一つに口内炎があり、同じ箇所に何箇所も口内炎できることがあります。
いつもの口内炎と違うと感じたらすぐに歯科医に相談しましょう
このように、口内炎が大きくなってしまう主な原因としては、1箇所に複数個の口内炎が発症し、それらが合体することで大きな潰瘍となってしまうことが考えられます。
こうした状態は、大きな病気の合併症や主症状として起きている可能性もあるので、早期発見・早期治療を実現するためにも、「おかしいな」と感じたらすぐにかかりつけの歯科医に相談しましょう。