意外と知らない？歯科衛生士の職業について～ちぃ先生の手記第19回～

歯科助手とは異なる歯科衛生士の仕事

私は以前まで歯科衛生士として働いていましたが、職場仲間の間でもあるあるとしてよく言われていたのが、「助手さん」「歯科助手さん」と間違えられることです。定期的に歯科医院に通っている方ならともかく、一般の方からすると歯科衛生士も歯科助手も同じに思えるでしょう。しかし、実はその同じ歯科に関する職業であるにもかかわらず、両者の業務内容は大きく異なります。

まず、大前提なるのが、歯科助手は資格を持っていなくても職に就くことができるということです。ただし、その反面で医療行為に携わることができません。歯科における医療行為とは、歯石を取ったり、インレー（詰め物）を詰めたりする行為が該当します。ただ、本来は無資格の歯科助手が行ってはいけないにもかかわらず、そうした医療行為を担当させている歯科医院もあると聞きます。実際、個人経営の歯科医院は人手不足なので、そうした対応面でかなりグレーなところも多いのではないでしょうか。

一方の歯科衛生士は国家資格を持つ「医療従事者」になります。歯科衛生士は歯科診療補助、歯科予防処置、歯科保健指導が主な業務で、きちんと専門学校や大学で医療知識を学び、国家資格を取得した人だけが歯科衛生士を名乗ることができるのです。歯磨き指導や、歯石取り、フッ素塗布といった予防処置を行うことで、患者さんのお口の健康維持をサポートするという役割があります。

こんな人が向いている！歯科衛生士になる人

歯科助手とは異なり、国家資格の取得が必要な歯科衛生士。そのため、試験に合格するためには少なからず勉強が必要になります。では歯科衛生士は文系、理系のどちらが有利だと思いますか？正解は……実はどちらでも良いのです。歯科衛生士業務は、もちろん最低限の医療知識は必要ですが、学力が重視されるわけではなく実務主義の世界だと言えます。ではどんな人が歯科衛生士に向いているのでしょうか？私なりに箇条書きでまとめてみました。

歯科医院によっては完全予約制で１コマの時間が決まっているところもあるので、時間にルーズな方より真面目でテキパキ動ける人の方が高く評価されます。また、手先の細かい作業や、危険な器材や薬剤もあるため神経質なくらいがちょうど良いでしょう。私自身が働いていて思ったのは、拘束時間が長いのに女性ばかりのチームメンバーでやっていかなければならないので、のらりくらりやっていける性格の人が向いていると思います。私もそういうタイプでしたね（笑）。

認定歯科衛生士やフリーランスになるのもキャリアパスの1つ

歯科衛生士としてある程度実績を積んだ人であれば、各分野で専門的な知識を持つ「認定歯科衛生士」を目指してみるのも1つキャリアパスだと言えるでしょう。たとえば、インプラント専門歯科衛生士や、日本小児歯科学会認定歯科衛生士などが該当します。これらは規定の年数臨床経験があるかどうかや、学会への加入、専門の講習を受講するなどして認定されます。その分野の“エキスパート”として働きたい人であれば、より専門的な勉強に励んでみると良いでしょう。

歯科医院は認定歯科衛生士でなくても就職できますし、中にはそうした認定がなくとも非常に優秀な歯科衛生士もたくさんいます。ただ、認定歯科衛生士になると医院側からも患者側からも信頼度がアップしますよね。資格手当がつく医院もあり、その人の価値向上にもつながります。歯科衛生士としても専門的な知識が身につき、向上心がアップ、より質の高い治療を提供できるでしょう。

また、歯科衛生士としてのノウハウを院内だけでなく、広く一般に情報発信している人も近年は増えてきました。フリーランスとしてスポットで現場に出て、講演会や勉強会などを行って通常勤務よりもお金を稼いでいる人もいます。自分の意識次第で案外いろいろな働き方ができるのが歯科衛生士なのです。今後、歯科医院を選ぶ際には、どんな歯科衛生士さんが働いているかにも注目してみると面白いでしょう。

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【ライター紹介】　ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha･no･neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ～美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋～

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