歯科衛生士が称賛!おすすめしたい歯医者の条件~ちぃ先生の手記第8回~

2018.10.24 medicalちぃ先生

「近さ」を重視しがちな歯科医院選び

グラフ

多くの方は虫歯や歯周病などのお口のトラブルが発生した際に、「早く症状を診てもらおう!」という気持ちが先行して家や職場、学校から近い歯科医院に駆け込みがちです。多くの方が歯医者選びの第一条件として「近さ」を挙げているのは、「通院する歯科医院の立地条件とは?~歯の本音調査第8回~」のアンケート結果を見ても明らかです。

もちろん、近くて通いやすい歯科医院の方が便利なのは確かですが、“良い歯医者であるか”はまったく別問題だと言えます。「相性が悪くて嫌な先生だけど、近いし他のところに変えるのも面倒だから」と嫌々ながら惰性でズルズルとずっと同じ歯科医院に通っている方も多いのではないでしょうか?気心の知れた、信頼できる先生にずっと罹り続けることができれば素敵ですが、そうしたかかりつけの歯医者が見つからない場合は、何を基準に歯科医院を選べば良いのでしょうか?

良い歯医者であることの5つの条件

「歯医者選びの仕方がわからない!」という声は実際に多いようで、以前にテレビ番組でも“良い歯医者の条件”が紹介されていました。歯科衛生士としての臨床経験がある私も思わず頷いてしまう内容だったので、1つひとつの条件を解説しながら紹介します!

条件1:初診の問診が長い

しっかりと患者さんの意見を聞いて治療の選択肢をいくつか提示してくれる先生が理想だと思います。原因を取り除くのが治療のすべてではありません。たとえば、虫歯の痛みを取るためには抜歯しかないというケースでも、歯を抜きたくない患者さんもいますよね。そんな時に歯を抜かない治療についても丁寧に説明してくれる先生は信頼できます。

条件2:口腔写真や模型などをきちんと残す

これは一般的な歯科医院では、ほとんど省略しているケースが多いと思います。本来ならば珍しい症例に限らず、精密な検査や診断を下すために口腔内の写真や模型などは、すべての患者さんで残しておくべきです。その手間を惜しむような先生は良い歯医者とは言えません。

条件3:ちゃんと歯科衛生士を雇っている

世の中には歯科助手に歯科衛生士と同じ歯石とりなどの処置をさせている歯科医院があります。ただし、これは違法です。歯科助手の方もいくら経験があっても専門的な教育を受けていないので、いつ事故が起こるともわかりません。歯科衛生士がまったくいない歯科医院には行かない方が得策です。

条件4:マイクロスコープなど設備が整っている

マイクロスコープとは患部を高倍率で視認することができる歯科用の顕微鏡です。マイクロスコープを覗きながら治療を行うことで目視よりも正確に患部の状況を確認できるため、診療のレベルに大きな差が出ます。口の中は狭く小さく作業もしにくく、目視できる範囲は限られるため、虫歯や歯石を取り残すこともよくあります。マイクロスコープで拡大しないとまともな治療などできないと語る先生もいるほどです。

マイクロスコープ以外にも、最新のレーザーや、顎や頭蓋の位置関係を確認できるセファロ、3D画像で顎の骨の厚さや神経の位置を正確に把握できる機器であるCADIAXなどが完備されてあると、きちんと設備投資をしている歯科医院として信頼が置けます。

条件5:自分の専門外の診療はしない

私が過去に在籍した歯科医院では歯並びを整える矯正歯科と、虫歯を治療する一般歯科の診療は完全に分けていました。そのため、矯正治療中に虫歯が見つかっても、矯正専門の先生は治療を行わず、一般診療の先生に虫歯の治療をしてもらっていました。一見すると面倒なようにも思えますが、一般の医療でも内科で外科の手術はできませんよね?それと同じで専門領域に注力しているプロフェッショナルの先生だと治療も安心できると思います。

歯科衛生士がおすすめする歯医者とは?

喜ぶ男性

良い歯医者の条件を5つ紹介させていただきましたが、私個人がおすすめする歯医者はずばり“技術力に長けている先生”です。技術が伴っていない歯医者の診療では初診で主訴がちっとも改善されず、患者さんがずっと痛い思いをし続けるケースもあります。きちんと説明してくれない歯医者も同様で、「後、何回通えばいいのだろう?」と不安な思いにさせてはいけません。

一方で素晴らしい技術をもっている先生は、日々研鑽に励み、一緒に働いていている歯科衛生士ら他のスタッフからも尊敬を集めています。虫歯の根っこの治療(根管治療)にしても、根に詰める材料を隙間なくぴったりとはめることができるので、炎症を再び起こす可能性が減ります。そうすると患者さんも痛みが少なくなり、歯の寿命も延びるので良いこと尽くめだと言えるでしょう。

「痛い、怖い」というイメージは歯医者の本来の姿ではありません。治療が終わった際に患者さんを笑顔にできる歯医者こそが、あるべき姿なのだと思います。

❤ちぃ先生から一言❤技術のある歯医者の見極め方とは?

技術があるかどうかは、初見ではわからないので1つポイントを挙げます。それは、やはりマイクロスコープなど設備投資にお金をかけているところです。新しい設備を購入したら使いたくなりますし、どうせ使うならうまく使いこなしたいと思うのが人間の性です。そうした探求心のある先生は、常にストイックに診療にも取り組む傾向があるため、技術の研鑽にも余念がありません。「レベルの高い治療を患者さんに提供する」と意識を高く持っている先生の方が、実際に腕の良い歯医者である可能性が高いと言えます。

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【ライター紹介】 ちぃ先生

ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~

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