「オーラルフレイル」って知ってる?老化が口から始まる恐怖って?
もしかして、オーラルフレイル予備軍…!?自覚症状をチェック!
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは、“ささいな口の衰え”のこと。
口には、食べる、飲み込む、息をする、唾液の分泌、コミュニケーションをとる、といった様々な機能があります。
「飲み込みにくい」「口が渇く」「むせやすい」「食べこぼす」などといった口腔機能の衰えは、これまでは特に病気でないかぎり、「歳のせいですね」と言われて放っておかれることも多かったのですが……。
オーラルフレイルが進むと、「口腔機能低下症」という段階へと進む場合も。食べる機能が低下すると、体力や筋力の低下を招き、全身のフレイル(虚弱)へとつながっていきます。
筆者である、飯島勝矢教授が所属する東京大学高齢社会総合研究機構が、2012年から実施している大規模長期縦断追跡調査「柏スタディ」によると、オーラルフレイルが認められた高齢者は、「要介護リスクが2.4倍」、「総死亡リスクは2.2倍」も跳ね上がるという結果が出たのです。
オーラルフレイルの自己チェック
「私は大丈夫かしら?」と不安になったら、ぜひ自己チェックしてみましょう。
□ 食事のときにむせたり、食べこぼしたりする
□ 食欲がなく、少ししか食べられない
□ やわらかいものばかり食べている
□ 以前より滑舌が悪くなった、舌がなめらかに回らなくなった
□ 口の中が乾きやすく、口臭が気になる
□ 自分の歯が少なくなってきた
□ あごの力が弱くなってきた
□ 口の周りの容姿が気になる
当てはまる箇所が多ければ、オーラルフレイル予備軍といえます。ぜひ、今すぐ対策を!
オーラルフレイルを放置したらどうなるの?
「むせやすい」「飲み込みにくい」などを「歳のせい」として、家族がやわらかい食事しか出さなくなると、噛んだり飲んだり口を動かす機会が少なくなり、舌の筋肉が衰えていくのです。
そのうちに呼吸や、飲み込みのコントロールがうまくできなくなり、滑舌が悪くなるので、会話のキャッチボールができなくなり、口腔機能は低下していく一方……。これは怖いお話ですよね。
本人自身がしゃべりづらい、食べこぼす、むせる、といった不安が高まると、外出もおっくうになりがちです。
また、脳への刺激が減り、認知症になりやすくなることも指摘されています。
オーラルフレイルを認知している人は11.0%
『オーラルフレイル意識調査結果』(サンスター調べ。50歳~79歳男女1,036名を対象にした2019年実施の消費者調査)によると、オーラルフレイルを認知している人はたったの11.0%。
オーラルフレイルに関連する症状を感じている人は、67.6%であったのに対して、オーラルフレイル説明後に自分がオーラルフレイルだと思う人は13.8%に留まっており、オーラルフレイルに関する症状と意識にギャップがあることがわかりました。
オーラルフレイルになっているかどうかは、自己チェックリストで確認できます。ひとつでも自覚症状がある人、あるいは家族や友人から指摘があった人は注意しましょう。
オーラルフレイルの段階で気づけば、本人が自覚して努力することにより、健康な状態へ戻ることができることも明らかになっています。口腔機能が上がれば、食事の栄養バランスも向上し、身体も健康になります。
『マンガでわかるオーラルフレイル』は、読むことで自身のオーラルフレイルの予防知識になり、高齢の親世代へのプレゼントにもおすすめの1冊。この本をきっかけに、オーラルフレイル予防への意識を高めませんか?
書籍情報
『マンガでわかるオーラルフレイル』
著者:大久保満男、飯島勝矢
A5判・128ページ
定価:1200円+税
2019年3月31日発行
https://amazon.co.jp/dp/4074362465/