糖質制限ダイエットで口臭が悪化する？口臭との関係を解説～ちぃ先生の手記第106回～

ダイエット中の「口臭対策」とは

糖質制限ダイエットがニオイの原因になるって本当？

現在、糖質制限ダイエットが流行しています。「聞いたことある！」という方も多いのではないでしょうか。

糖質制限ダイエットでは、食事の糖質を減らしてインスリンの分泌を抑え、中性脂肪が体内に貯蓄されにくい状態を目指します。また減った糖質の代わりに中性脂肪を燃焼させ、エネルギーにすることで、余分な脂肪を減らす目的もあります。

慢性的に肥満気味の方に提案されているダイエット方法のひとつなのですが、運動を併用しないと体臭の原因となってしまうかもしれないんです！

なぜなら食事を減らすと、炭水化物やタンパク質の摂取不足が生じ、中性脂肪を燃焼させてエネルギーを得ようと働きかけます。その際、中性脂肪を一度ニオイ成分のひとつである「脂肪酸」に分解して燃焼するのです。

無理なダイエットや運動不足で基礎代謝が低下している場合、脂肪酸が不完全燃焼の状態で血中に入り込み、汗や皮脂として体外に出たときにニオイを発生させるケースも……。脂肪酸はやがて乳酸やケトン体に変化し、さらに強いニオイを発生させてしまう恐れがあるのです。

ケトン体の発生が口臭の原因に

そもそもケトン体とは「β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトン」の総称で、糖質が足りなくなったときに、ブドウ糖に代わるエネルギー源として肝臓で生成されるもの。本来は飢餓状態などになったときに作られ、脳の活動を維持するためのものですが、無理な糖質制限ダイエットや強いストレスでも発生してしまう傾向に。

体内の糖質が足りなくなり、中性脂肪がエネルギー源として使われると、体内にケトン体が発生しはじめます。ケトン臭はダイエット臭とも呼ばれ、ダイエット中のニオイの原因とも考えられています。

ケトン体は酸なので、体臭は甘酸っぱいニオイになり、口臭はアセトン臭につながるでしょう。アセトンはネイルの除光液によく使われていて、独特な刺激臭が特徴です。

またダイエット中は食事制限や運動で水分が不足するため、唾液の分泌が減って口臭の原因になる場合もあります。糖質制限によるケトン臭と重なり、ますます口臭がひどくなってしまうことも考えられるため、注意が必要です。

ダイエット中の口臭対策を教えて！

(1)無理なダイエットは禁物！
いきなり、すべての糖質を敵とみなして全てカットするのは避けましょう。急に強い制限をかけると、口臭の原因となるだけではなく、ダイエットが継続できない原因にも……。例えば白米を玄米に置き換えるなど、緩やかな糖質制限から始めてみてはいかがでしょうか。

(2)運動を取り入れる
糖質制限のみのダイエットだと、体の筋肉や水分が落ちることで体重が減っても、基礎代謝まで落ちてしまいます。それがダイエット臭を招いてしまうので、体を動かすことを忘れないようにしましょう。激しい運動もまた、ニオイの原因となるケトン体の発生を招きかねないので、ウォーキング・ジョギング・軽い筋トレ・ストレッチ・ヨガなど、無理のない軽い運動を続けるようにしましょう。

(3)水分補給を忘れずに
運動や食事制限をすると、普段よりも体内の水分量が低下します。口腔内の乾燥は口臭を招きますから、こまめな水分補給を忘れずに行うことが大切です。水なら0カロリーなので、ダイエット中も積極的に飲みましょうね！

【ライター紹介】　ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha･no･neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ～美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋～
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ～美容テク＆お口の健康講座～

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