施設で行われる訪問歯科診療、その一日に密着

2026.10.09 interview歯科タウン編集部

医科歯科連携特集企画 訪問歯科特集① 現場密着レポート


① 施設到着・器材の搬入

診療時間にあわせて、歯科医師・歯科衛生士、そして訪問歯科コーディネーターが施設に到着します。歯科医師・歯科衛生士は市内の医療法人社団彩明会 春日部デンタルクリニック、訪問歯科コーディネーターはデンタルサポート株式会社に所属するスタッフです。聞き慣れない「訪問歯科コーディネーター」とは、車の運転や診療補助、施設とのコミュニケーションの橋渡しなど、診療がスムーズに進むよう幅広くサポートする役割を担うスタッフのことです。
施設到着後はまず、施設スタッフへ挨拶をし、その後、訪問車から診療に必要な器材を運び出し、施設の中へと運び込みます。

訪問歯科の様子1


② 診療スペースの準備

今回取材した施設では、入居者が普段過ごす部屋ではなく、大広間を使って診療を行っていました。運び込んだ器材を手際よくセッティングしながら、施設スタッフとその日の患者さんの様子について確認を交わします。限られた時間の中で効率よく診療できるよう、あっという間に診療スペースが整えられていきます。

訪問歯科の様子2


③ 一人ひとりに向き合う診療

診療は、施設にある椅子や、入居者が普段使用している車椅子に座ったままの姿勢で行われます。施設スタッフの協力のもと、一人ずつ診療スペースへ誘導され、多いときには1回の訪問で10〜20名ほどの入居者を診ていきます。診療スペースや使用する器具についても衛生管理が徹底されており、入居者が安心して診療を受けられるよう、衛生面にも細やかな配慮がなされています。
入居者にはエプロンを付け、診療スタッフが頭をしっかり支えながら、辛い体勢にならないよう配慮しつつ口の中を丁寧にチェックします。歯ブラシや器具を使って口腔内を清掃し、その場でうがいができるよう、うがい薬を入れた紙コップも多めに準備されていました。入れ歯を使用している方には、外して入念にチェックしたうえで、ぐらついている歯があれば固定し、清掃してから元に戻します。

訪問歯科の様子3

印象的だったのは、診療中ずっと絶えることのない声かけです。歯科医師、歯科衛生士、コーディネーターの誰もが、明るく優しい言葉を入居者にかけ続けていました。単に口の中を処置するだけでなく、積極的にコミュニケーションを取りながら、本人の意向を丁寧に確認する姿が印象的でした。たとえ入れ歯を勧めたほうがよい状態であっても、本人が望まなければ、その意向に沿ったケアやアドバイスに切り替える――現場では、そうした一人ひとりへの向き合い方が徹底されていました。


④ 片付けとチーム内での情報共有

診療が終わると、器材は手際よく片付けられ、大広間は元の状態に戻されます。その後、診療チーム内で入居者一人ひとりの状態や対応内容について、報告・共有の時間が設けられます。

訪問歯科の様子4


⑤ 施設スタッフへの共有・アドバイス

最後に欠かせないのが、歯科医師から施設スタッフへの共有です。入居者ごとの口腔内の状態や、日々のケアで気をつけてほしいポイントについて、毎回必ず報告・アドバイスが行われます。この積み重ねが、次の食事介助や口腔ケアの質を支えています。

訪問歯科の様子5

器材の搬入から診療、そして施設スタッフへの共有まで。訪問歯科診療の現場には、限られた時間と環境の中で一人ひとりに向き合う工夫と、施設との丁寧な連携が積み重ねられていました。 施設スタッフ・根本様へのインタビュー、そして今回の診療を担当した 歯科医師・石井先生へのインタビューもあわせて読んでみてください。訪問歯科診療がなぜこうした形で行われているのか、より深くご理解いただけるはずです。



▼取材協力

特別養護老人ホーム庄和和合外観

特別養護老人ホーム庄和和合
住所:〒344-0117 埼玉県春日部市金崎527-1
電話番号:048-745-4501
医院HP:https://shouwa-wagou.or.jp/



デンタルサポート株式会社
歯科医院の訪問歯科診療をサポートする老舗企業

住所:〒261-8501 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンD棟17階
電話番号:042-937-7931
公式HP:https://www.dentalsupport.co.jp/

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