アフタ性口内炎・カタル性口内炎~それぞれの原因や治療法・予防法を解説

2017.08.10 healthReiko Okabe

「アフタ性口内炎」と「カタル性口内炎」それぞれの特徴とは?

アフタ性口内炎

症状

・刺激痛・灼熱感
アフタ性口内炎は、口内炎のなかでももっとも多く発症すると言われています。初期症状としては、チクチクといった軽い刺激痛や、ヒリヒリ・ピリピリといった灼熱感があります。また、痛みや違和感を覚える部分が赤くなります。

・潰瘍
症状が進行すると、赤くなった患部の中央付近にゆっくりと潰瘍ができはじめ、灰白色になります。潰瘍ができると食べ物や飲み物などがしみるようになります。なお、潰瘍の大きさは2~10mm程度です。

・集中力の低下・食欲不振
潰瘍の大きさが最大になる頃に痛みもピークを迎えるため、集中力が低下してくることがあります。また、患部の痛みが原因で食欲不振に陥ることもあります。

原因

・外傷から細菌が侵入
アフタ性口内炎ができる原因は詳しく解明されてはいませんが、いくつかの説があります。もっとも有力な説は、口腔内の粘膜に傷が付き、そこから細菌が侵入・増殖することだと言われています。実際に口腔内を噛んでしまったことにより、アフタ性口内炎が発症することはよくあります。

・栄養不足・ストレス過多
次に有力だとされているのは、栄養不足やストレス過多です。これらは身体の免疫力低下の原因になりますが、免疫力が低下すれば口腔内にも細菌が侵入・増殖しやすくなり、アフタ性口内炎ができてしまうのではないかと言われています。

好発部位

アフタ性口内炎は頬の裏の粘膜や歯茎、舌など、口腔内のあらゆる部位に発症します。

主な治療法・予防法

アフタ性口内炎は、通常1~2週間程度で自然治癒するため、特に治療が必要なわけではありません。ただし、症状が2週間以上長引く場合は、対策を考えたほうがいいでしょう。原因を根本的に改善しなければ、治ったとしても繰り返す恐れがあります。

口腔内に噛み傷などがある場合は、なるべく口腔内を清潔な状態に保ちましょう。また、偏った食生活やストレス過多の状態を改善する必要があります。

少しでも早く治したいときには、市販の軟膏を患部に直接塗りましょう。細菌の増殖を抑えられ、治りやすくなります。

カタル性口内炎

症状

・痛み・灼熱感
カタル性口内炎もアフタ性口内炎と同様に、初期症状として痛みや灼熱感などがあります。ただし、カタル性口内炎はアフタ性口内炎よりも痛みが弱いのが特徴です。

・赤い斑点・白くただれる
カタル性口内炎は、口腔内の粘膜に炎症が起こって赤い斑点ができることがあることから、「紅斑性口内炎」とも呼ばれます。また、症状が進行すると炎症が起きている部分が白くただれて、ひび割れたようになることがあります。なお、アフタ性口内炎のような潰瘍はできません。

原因

・矯正器具やクラウン・尖った歯による刺激
カタル性口内炎の主な原因と言われているのは、物理的な刺激です。歯に装着した矯正器具やクラウンなどが口腔内の粘膜を刺激していたり、尖った歯や欠けた歯が粘膜にぶつかっていたりすることで起こります。

また、子どもの場合は、異物を口のなかに入れて遊んでしまうことが原因で発症することもあります。

・口腔内の火傷
熱い食べ物や飲み物を口に入れたときに、口腔内の粘膜を火傷してしまうことでもカタル性口内炎が発症します。

好発部位

カタル性口内炎もアフタ性口内炎と同様に、口腔内のあらゆる部分に発症しますが、特に上顎の口蓋(こうがい)や頬の裏の粘膜にできやすいとされています。

主な治療法・予防法

カタル性口内炎の治療においても、原因を把握することが重要です。

矯正器具やクラウンが原因となっている場合は、歯科医院で調整をしてもらう必要があります。尖った歯や欠けた歯がある場合も、然るべき対策が必要になります。

予防法としては、定期的に歯科医院を受診して口腔内のメンテナンスを受けることです。硬いものを噛んだときなどに、矯正装置やクラウンなどが変形して、粘膜に接触してしまっていることも考えられるため、定期的なメンテナンスでチェック・調整してもらうことは大切です。

2週間以上治らないときは歯医者に相談を

口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれで原因や治療法・予防法が異なります。いずれの口内炎も1~2週間程度で自然治癒するものなので、それほど心配することはありません。ただし、それ以上の間、治らないときは他の病気の可能性も考えられます。2週間以上、口内炎が続く場合は歯科医院に相談してみましょう。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事