メンテナンス不足よる虫歯再発！2次カリエスの危険性～ちぃ先生の手記第35回～

治療後の手入れ不足？2次カリエスとは

2次カリエスという言葉をご存知ですか？

一般の方の中には、2次カリエスという言葉をご存知でない方もいるでしょう。そもそも「カリエス」とは「う蝕＝虫歯」のこと。また、2次というのは2度目ということなので、つまり、2次カリエスとは詰め物や被せ物など一度治療を受けた歯が再度虫歯になってしまうということを意味します。

なぜ治療したのに虫歯が再発してしまうかというと、必ずしも歯科医師の腕が悪かったというわけではなく、実はその危険性は常にあるものなのです。治療後５～10年経つと、強い咀嚼（そしゃく）が積み重なり、被せ物と歯の間がわずかにずれ、隙間が空いてしまうことがあります。その隙間に細菌が侵入することで、歯の隙間に虫歯が発生してしまうのです。また、虫歯を再発しなかったとしても、金属の詰め物や被せ物だと膨張したり縮んだり、あるいは外れてしまうなど何らかのトラブルが起きやすくなります。

大人になると子どもの時よりも虫歯にかかる割合は下がりますが、大人の虫歯は基本的に2次カリエスであることが多いので、治療済みの箇所は特に入念なケアが必要です。

虫歯の再発はまさに負のスパイラル

通常の虫歯であれば、毎日しっかり歯磨きなどのケアを徹底することである程度は予防できます。しかし、２次カリエスは歯ブラシが届かないような歯と修復物とのわずかな隙間に発生するので、歯みがきを欠かさずに行っていても、予防できないこともあります。そのため、２次カリエスを防ぐためには、歯科医院での虫歯の再治療が必要です。

２次カリエスは詰め物の内部で進行するケースが多いため、目視による発見が困難です。また、慢性的な虫歯は歯髄を守るために第二象牙質というものを生成するため、痛みを感じにくくなります。それが原因で2次カリエスは発見が遅れることが多々あります。そして、気がついた時には歯に大きい穴が空いていた、新たな被せ物を上から被せられないほど歯がボロボロという恐ろしい事態になっていることも十分にあり得るのです。そのため、歯科検診で定期的なメンテナンスを行い、自分では磨けない箇所のクリーニングを施してもらいましょう。

十分なメンテナンスで2次カリエスを予防！

治療完了はあくまで”健康への第一歩”

2次カリエスの原因は被せ物や詰め物と歯の間にできる隙間なので、精度の高い被せ物・詰め物の製作、そして精度の高い接着（接着剤）が必須となります。それらがそろうことで初めて精度の高い治療ができると言えるでしょう。また、被せ物や詰め物の素材も重要です。保険が適用となる金属やレジンは、変形しやすいなど接着力や耐久性が低いというデメリットがあり、他の素材よりも2次カリエスのリスクが高いと言えます。

とはいえ、どんなに精度の高い治療を行っていても、適切なメンテナンスが行われなければ、2次カリエスを招く危険性はあります。通常の虫歯と同様、メンテナンスの不足も大きな原因の1つです。2次カリエスを予防するには、定期的に歯科検診を受けることや、セルフメンテナンスを十分に行って、口の中を清潔に保つことが不可欠と言えます。

2次カリエスを防ぐために、以下の箇所を特に注意してブラッシングしましょう。
1.被せ物・詰め物の周り
2.被せ物と歯ぐきの境目
細かい箇所なので、タフトブラシを使った入念なブラッシングがおすすめですよ。

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【ライター紹介】　ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha･no･neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ～美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋～
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ～美容テク＆お口の健康講座～

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