唇が荒れているのは胃腸の調子が悪い証拠?
唇と胃腸の関連性
唇の荒れは胃腸の荒れを表している
身体の不調の原因が、その症状が現れた部位とは別の場所にあるということはよくあります。これは古くから実際の医療の現場でも用いられている病を見分ける方法の一つでもあります。唇の場合は、胃腸の状態を表しているとされ「唇は胃腸の鏡」とも言われてきました。では、どのような症状が見られる場合、胃腸の調子が悪いと言えるのでしょうか?
胃の場合は上唇の皮が剥けている、もしくは赤く爛れているなどの症状が現れている。これは胃酸が過剰に分泌しているか、暴飲暴食などで胃が弱っている状態を表すと言われています。
下唇の皮が剥ける、もしくは赤く腫れあがるという症状が出た場合は、腸が緩んでいたり、食べ物を吸収する力が弱っていたりする可能性があります。
さらに、口角がパックリと割れるような症状が出ている場合は、胃炎や十二指腸潰瘍などのトラブルが発生していることがあります。
唇に棲む常在菌が関係?
なぜ胃腸がトラブルを起こすと唇が荒れるのか?
唇荒れが発症しているときには、胃腸も何らかのトラブルが発生していることが多いですが、なぜ、胃腸のトラブルが唇荒れにつながるのでしょうか? これには諸説ありますが、もっとも有力な説は、唇に棲む常在菌が関係しているのではないか……というものです。
唇の皮膚には、たくさんの常在菌は棲みついていると言われています。この常在菌は、普段は身体の抵抗力が菌の活動を抑制しているため、それほど悪さをすることがありません。しかし、胃や腸で何らかのトラブルが発生した場合、身体の抵抗力が弱ります。するといつもは悪さをすることのない常在菌の働きが活発化し、唇荒れを引き起こすようです。中でも、ポピュラーな唇荒れは「口唇ヘルペス」でしょう。口唇ヘルペスはヘルペスウイルスという常在菌の働きにより引き起こされるものですが、身体の抵抗力が落ちることで活動が活発化し、水ぶくれができたりかゆみやほてり、痛みを感じたりするといった症状が出ます。人から人へ移ることもあるので注意が必要です。
胃腸を整える方法をご紹介
胃腸トラブルが発生して唇荒れを引き起こしたときの対処法は?
以下は、胃腸の調子を整える対処法です。簡単に取り入れられるのでぜひ試してみてください。それでも慢性的に続く不調は、専門の医療機関を受診しましょう。
≪対処法1≫乳酸菌を摂取する
乳酸菌が胃腸の働きを活発にすることは一般的にもよく知られていますよね。もちろん弱った胃腸を元気にしてくれる働きもあります。ほとんどの場合、胃腸にトラブルが発生しているときは胃腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが乱れているのが原因です。通常は善玉菌が多く、悪玉菌が少ない状態ですが、トラブル発生時の胃腸には、善玉菌より悪玉菌が増えてしまっているのです。乳酸菌を摂取することで善玉菌の働きが活性化し、腸内環境が整い、免疫力もアップします。
≪対処法2≫白湯を飲む
免疫力の低下は体温が下がることで起こります。そこでおすすめなのが白湯です。白湯は体内の老廃物を外に流してくれると同時に、体温を上げて免疫力の働きを活発にする効果があります。また、肝臓の老廃物を流し、肝臓の働きが活性化することで胃腸も元気になるという相乗効果を期待できます。そのため、白湯を飲む習慣は、胃腸トラブルを解消し唇荒れを治すだけでなく、予防することにもつながります。
胃腸を元気にして唇荒れを治しましょう
いかがでしたか? 今回は唇荒れが胃腸のトラブルによって発症することについて解説しました。一見唇とは、まったく関係がなさそうな胃腸のトラブルで体の抵抗力が下がり、常在菌の働きが活性化して引き起こるものです。この場合の唇荒れは、一度治ったとしても胃腸トラブルを改善しなければ繰り返してしまう恐れがあるので、日々体調を整えるように努力しましょう。