口腔ケアでインフルエンザが予防できるって本当!?

2017.04.28 health渡辺蘭

口腔ケアでインフルエンザが予防できる理由

デンタルケア

インフルエンザウイルスが口腔内から体内に侵入する感染経路は、ウイルスを持つ人が触った部分に触れて、その手で口に触る接触感染。または、くしゃみ・咳などで飛沫したウイルスを口から吸い込む飛沫感染です。これらを予防するためには、口腔内にウイルスを侵入させないことがもっとも大切です。

しかし、口腔内にはインフルエンザウイルスの付着を促進させる「プロテアーゼ」という酵素を作り出す細菌が存在するため、インフルエンザに感染しやすくなります。

実際に行われた調査では、高齢者を対象に口腔ケアを実施したところ。適切に口腔ケアを行った高齢者は、適切に口腔ケアを行わなかった高齢者に比べて、インフルエンザウイルスへの感染率が1/10になったという結果が出ています。

口腔内を清潔に保つ3つの方法

1.ブラッシング

ブラッシング

ブラッシングは口腔ケアの基本です。自分の口の大きさに合ったサイズの歯ブラシを使い、ペンを持つようにして歯を優しく磨きましょう。ブラッシングが行き届かず、口腔ケアが不十分になりやすい部分は3つあります。「歯と歯の間」、「歯の噛み合わせ面の溝」、「奥歯頬側の歯周ポケット」この部分を磨き残しのないように意識してブラッシングを行いましょう。

より効率よく口腔内を清潔に保つなら、電動歯ブラシがおすすめです。音波振動や超音波振動などで、短時間で効果的に歯垢を除去します。磨きづらいとされている3つの部分に対しても、しっかりとアプローチをかけることができます。

2.デンタルフロス

デンタルフロス

手磨きだけのブラッシングでは、全体の50~70%の歯垢しか落とすことはできません。より歯垢を除去するためには、デンタルフロスを使いましょう。デンタルフロスは「糸ようじ」とも呼ばれます。歯と歯の間に付着している歯垢を効果的に落とし、90%程度まで歯垢除去率を高めることができます。

3.マウスウォッシュ

マウスウォッシュ

「グルコン酸クロルヘキシジン」、「グリチルリチン酸モノアンモニウム」などの成分が含まれているマウスウォッシュには殺菌作用があり、細菌の数を減少させプロテアーゼ酵素を発生させにくくする効果があります。オフィスなど、乾燥しやすく人が多い場所では、定期的に殺菌作用のあるマウスウォッシュを使い口腔ケアをすることがインフルエンザ予防につながります。

インフルエンザで歯周病・歯の痛みが現れる!?

歯周病の痛み

「歯茎が炎症を起こして腫れる」、「歯茎から出血する」、「口臭が強くなる」これらの症状は歯周病の症状ですが、インフルエンザが原因で発症することがあります。歯周病初期段階でインフルエンザウイルスにより免疫力が低下することで、歯周病菌の活動が活発になり症状が進行し表面化してしまいます。

また、「歯が浮く」、「歯が痛む」などの症状もインフルエンザにより引き起こされます。これはインフルエンザが原因で副鼻腔炎になり、上顎の空洞「上顎洞」という部分まで炎症が広がり「上顎洞炎」を起こしていることが原因です。

口腔ケアでインフルエンザを予防しましょう

予防

インフルエンザに感染すると発熱や喉の痛み、くしゃみや鼻水などの症状が現れるだけでなく、歯周病や歯の痛みなども発生することがあるので、しっかりと予防することが大切です。標準的な予防法に加えて徹底した口腔ケアをして、常に清潔な口腔内でいられるようにしましょう。

また、自分では口腔内の状態が分からないという人は、定期歯科検診がおすすめです。歯科検診では口腔内の状態をチェックして、歯垢・歯石の除去などを行い、常にベストな状態を維持することができます。

定期歯科検診の頻度は、半年に1度が推奨されており、平均費用は3~4千円です。インフルエンザになるリスクだけでなく、虫歯や歯周病になるリスクも下げることができるのでおすすめです。ぜひ、検討してみてくださいね。

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