唇にできる血豆の正体!「血腫」の原因と対処法
たまきデンタルクリニックの院長が教える!血腫の対処方法とは?
血腫ができるのはどんなとき?
血腫ができる根本的な原因は内出血です。手や足の場合は強くぶつけたり、ドアなどに挟まったりして起こることが大半ですが、唇の場合は誤って噛んでしまって血腫ができることがほとんどです。唇を噛むのは主に食事中。しかし、それ以外にも気づかずに唇を噛んでしまうことがあります。それは睡眠中の癖です。
人間は多くのストレスが体に加わると、そのストレスに対応するために体が反応を起こすと言われています。その1つが睡眠中に無意識に唇を噛む動作です。中にはストレスで唇を噛むのが癖になり、噛んだときの激痛で目覚めてしまう人もケースもあると言われています。
また、前に飛び出すように生えている八重歯も血腫ができる原因の1つです。口を閉じたときに唇の内側に常に刺さっている状態になり、血腫ができやすくなることがあります。このように、外的な刺激を受けて内出血を引き起こし、プックリと腫れあがるようにその部分に血液が溜まってしまうのが主な血腫ができる要因です。
血腫は潰しても良いのか!?
血腫ができてしまった場合は「潰して血液を抜く」か「潰さずに様子を見てみる」という2つの選択肢があります。もしかすると。「血豆ができたら潰して血液を抜かないと黒く痕が残ってしまう」と思っている方も多いかもしれませんが、実は結果的に潰しても、潰さなくても血腫は治ります。また、潰さなかったからと言って黒く痕が残ることはほとんどありませんので、過度に心配する必要はありません。
しかし、血腫を潰すことでちょっとしたリスクが発生します。それは皮膚に傷がつくことです。皮膚に傷がつくと、そこへ細菌が入り込み、化膿してしまう可能性も考えられます。つまり、十分に消毒が行えないのであれば、潰さずに歯科医院で治療した方が無難だと言えるでしょう。
血腫を早くキレイに治すためには?
正しい血腫の治し方
血腫を潰すのに抵抗がある場合は、潰さずに治療をするにはどのような治療法を採用すべきでしょうか?血腫の治療法には、さまざまな方法がありますが、もっともポピュラーな方法が自然治癒です。おおよそ1週間~10日ほどかかりますが、完全に放置しておくことで多くの場合はキレイに治ります。
それ以外の方法では、冷やしてから温めるという方法があります。冷やすのは、血腫ができてしまってすぐ。いつまでも内出血している場合、腫れが大きくなってしまうことがあります。そこでアイシングを行うと、血液が凝固する速度が早まるため、内出血が止まって比較的症状を軽度に抑えることができます。
その後にホットタオルなどで患部を温めることで、固まった血液を柔らかい状態に戻します。すると溜まった血液が流れるため、比較的早めに完治すると言われています。しかし、この方法でも治るまでには、1週間はかかると考えた方が良いでしょう。また、患部の消毒もできれば行うことをおすすめします。特に口内側の唇に血腫ができた場合、噛んだときの傷口から細菌が入り込む可能性があるので、洗口液などを使いうがいをするようにしましょう。
痕が残ってしまったら口腔外科か皮膚科を受診
血腫はほとんど痕が残ることはありませんが、稀に皮膚の中で血液が凝固してまったく流れなくなり、その影響で痕が残ることもあります。ここで悩むのが治療のために何科を受診するのかということです。血腫ができた場所にもよりますが、ほぼ口の中にあるようであれば、口腔外科になります。血腫ができている場所が唇の表面の場合は、皮膚科の受診でもかまいません。とにかく痕が気になる場合は早めの受診を心がけましょう。
このように、血腫は噛むことで起こる内出血で、治療は基本的には完全に放置する自然治癒でもキレイに治ることがほとんどです。しかし、少しでも早く治したいという場合は、今回紹介した方法を試してみましょう。また、どうしても気になるようであれば、早めの受診をおすすめします。