削らずに虫歯を治すという選択肢!「カリソルブ」ってどんな治療法?

2017.07.08 healthReiko Okabe

削らずに虫歯を治すカリソルブ治療とは?

治療中の子ども

治療内容

カリソルブ治療は、「カリソルブ」と呼ばれる次亜塩素酸ナトリウムとアミノ酸から作られた薬剤を虫歯のある部分に塗布して溶かし、溶けた虫歯の箇所(歯質)を専用器具で取り除くという治療法です。虫歯を除去したら、その部分に詰め物を入れて補うだけで処置は完了します。

カリソルブはスウェーデンで開発された虫歯を除去する薬剤で、2007年に厚生労働省の認可を受けて日本でも治療が可能になりました。比較的新しい技術と言えるでしょう。歯医者が嫌いな子どもをはじめ、虫歯治療への恐怖心が強い大人でも安心して治療を受けることができます。

治療費用

カリソルブの治療には保険が適用されませんので、治療費はすべて自己負担となります。治療費は歯科医院によって差がありますが、相場は1本あたり5000円~10000円ほど。保険診療で虫歯治療を受ける場合の相場は、小さな虫歯の場合で1000円~1500円/1本、大きな虫歯の場合は2000円~2500円/1本なので、やや高額と言えます。

カリソルブ治療のメリット

女性歯科医院

痛みがほとんどない

カリソルブ治療の大きなメリットは、ドリルをほとんど使わずに治療できるという点です。患部に専用の薬剤を塗布して虫歯を溶かすという処置なので、削る際に生じる痛みが抑えられます。薬剤が歯にしみることもないので、痛みをほとんど感じずに治療を受けられます。

ドリルの音が苦手な人でも治療できる

一般的な虫歯治療の場合、ドリルの起動音や歯を削る音が恐怖感を増長させると言われています。実際にそういった音が原因で歯医者嫌いになってしまったという人も多くいますが、カリソルブ治療の場合はドリルをほとんど使わずに治療が行われるため、音が苦手だった人でも安心して治療を受けることができます。

カリソルブ治療のデメリット

コスト

一般的な虫歯治療よりも高額

上述したように、費用の高さはカリソルブ治療のデメリット。単純計算ですが、カリソルブ治療1本の値段で、保険適用の虫歯治療を5本分受けられる可能性があります。もし虫歯が数本あった場合は治療費が数万円にのぼるため、経済的に手が出しづらいと言えるかもしれません。

症状により適用外になる可能性がある

カリソルブ治療は対応できる虫歯の進行度が決まっており、C1(エナメル質の虫歯)およびC2(象牙質の虫歯)で進行が止まっている場合のみ有効です。神経に届くほどの深い虫歯は適用外となります。

一度の治療時間が長い

カリソルブ治療では、塗布した薬剤によって虫歯が溶けるまで時間がかかります。また、溶かした後に患部を取り除く手間もかかるので、一般的なドリルで削り詰め物をするシンプルな治療法よりも、1度にかかる治療時間は長くなります。

ドリルを使うこともある

「ドリルをほとんど使わない」と書きましたが、残念ながら「100%ドリルを使わない」というわけではありません。もともとの詰め物を取り除いたり、歯と歯の間の虫歯を除去したりする場合にはドリルを使用することがあります。

痛みや音が苦手な人にはおすすめの選択肢です

治療費が高額になるなど、カリソルブ治療にはデメリットもあります。しかし、痛みを感じにくく、不快な音もしないというのはとても大きなメリットですよね。

今まで、ドリルの痛みや音などが苦手で歯科治療を受けるのが億劫だと思っていた人にとっては、カリソルブ治療を取り入れてみるのもよい選択かもしれません。カリソルブ治療を行っている歯科医院はあまり多くないので、まずはかかりつけの歯科医院に対応しているかどうか相談してみてはいかがでしょうか

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