親知らずから変な臭いがする……原因と対処法

2017.07.26 health渡辺蘭

虫歯・歯周病

親知らずは、思春期を過ぎたころから口腔内の一番奥に生えてくる最後の永久歯。まっすぐ生えてこないことも珍しくなく、奥まった場所だけに無意識に磨いていると汚れを落としきれていないことがあり、そこへ細菌が溜まると虫歯や歯周病を招くことがあります。そして虫歯や歯周病は、ニオイの元となる臭いガスを発生させるので口臭が強くなってしまいます。

対処法

虫歯の場合

虫歯が原因で口臭が発生したときの対処法は、早期の虫歯治療に限ります。ごく初期の虫歯の場合は、再石灰化の働きにより自然治癒することがありますが、「歯が痛い」「しみる」などの自覚症状がある程度出てきたところまで進行すると、自然には治らないので早めに歯科医院で本格的な治療を受けてください。

歯周病の場合

歯周病は、セルフケアが大切。毎日の歯みがきで歯周ポケットに溜まった細菌をしっかりと取り除きます。また、ブラッシングだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、殺菌効果のあるマウスウォッシュなどを使い、口腔内を常に清潔に保ちましょう。歯周病も、初期段階での自覚症状は乏しいので、歯ぐきの腫れや出血などの異変を感じたときはある程度進行しているサインです。早めに歯科医院で治療を受けましょう。

フィステルができている場合

フィステルとは膿を排出するための穴で、歯ぐきや歯の根元部分が化膿し、膿が出ているということを表しています。虫歯や歯周病が原因で、フィステルが発生している場合は、すぐに治療が必要です。

智歯周囲炎“ちししゅういえん”

親知らず(智歯)の周辺に炎症が起きているという状態を「智歯周囲炎」と言います。進行度によっては、痛みが現れたり、膿が出てしまったりすることもあります。また、智歯周囲炎を繰り返すことで、手前の歯が溶けてしまったり、顎の中に細菌が入り込み炎症を起こしてしまったりということもあるので、早めの治療が必要です。親知らずの周辺に細菌が溜まり、化膿し、膿が出ることで口臭が発生します。

対処法

抜歯

智歯周囲炎の対処法でもっとも確実なのは、親知らずを抜くことです。元々、親知らずはほとんど使わない歯なので、抜歯をしても問題はありません。斜めや横に生えていて、前の歯に悪影響を及ぼす場合は、抜歯が推奨されています。炎症が起きて親知らず周辺の歯ぐきが腫れている場合は、速やかに抜歯をすることをおすすめします。

クリーニング

親知らずは、自分ではしっかりと磨けていると思っていても、実際は歯ブラシが届きにくい場所にあるので、磨き残しが出てしまうことが多いです。そのため、定期的に歯科医院のプロの技術で歯垢や歯石の除去を行うことをおすすめします。自分では磨きづらい親知らずを徹底的にクリーニングして清潔に保つことで、炎症が起きるのを防ぎ、口臭の発生を抑えられます。

副鼻腔炎

上顎の親知らずは上顎洞という副鼻腔にとても近い位置にあるため、親知らずを抜いたときに、傷口から細菌が入り込み、副鼻腔炎になってしまうことがまれにあります。

また、口腔内が清潔な場合でも、鼻のトラブルが原因で副鼻腔炎になり親知らずの周辺から臭いニオイが発生することもあります。

対処法

抜歯が原因の場合

親知らずの抜歯が原因の場合は、上顎の歯の根元部分の細菌が上顎洞に進行することで副鼻腔炎になるので、歯の根元の治療を行います。

鼻のトラブルが原因の場合

鼻の病気が原因の場合は、歯科医院では治療できません。耳鼻科を受診し、専門的な治療を受けてください。

根本的な原因を解消することが口臭改善のコツ!

口臭には実にさまざまな原因があるので、原因を突き止めて最適な対処をすることで改善が期待できます。親知らずから臭いニオイがする場合でもたくさんの種類があるので、それぞれに合った対処法で、根本的な原因を解消することで“口臭ゼロ”を目指しましょう。

また、自分で口臭の原因を見つけ出すのは難しいので、一般的な解消法を試しても治らない場合は、速やかに専門的な治療を受けましょう。

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