違和感が少なく噛みやすい「ブリッジ」の特徴と治療法の流れ

2017.09.01 healthReiko Okabe

ブリッジってどんな治療?

ブリッジには、みなさんもよくご存知の“橋”という意味があります。補綴治療の1つであるブリッジもこの名の通り、歯と補綴物をつなぐ橋のような役割を担います。失った歯の両端を削って土台として橋を架けるようにつなぎ、3本の人工歯をつけるという治療法です。ブリッジにもいくつか種類があり、4本の人工歯をつけるロングブリッジや、噛む力が弱い部分に接着するようにつける接着性ブリッジなどがあります。

ブリッジの特徴

天然歯とほとんど同じ感覚で食事できる

ブリッジは土台となる歯に通常の1.5倍の噛む力が加わるため負担になりますが、入れ歯とは異なり完全に接着し動かないので天然歯と同じような感覚で噛むことができます。「入れ歯にしてみたが噛みづらさを感じた」という人はブリッジへの移行も検討してみてはいかがでしょうか。

外科手術の必要はない

ブリッジと同様の補綴治療の1つにインプラント治療があります。インプラントの場合は、歯槽骨という顎の下の骨にインプラント体を埋め込んで固定する必要があるため、外科的な手術を行います。しかし、ブリッジの場合は土台となる歯を削って、歯科用の接着剤で固定するだけなので外科的な手術は必要なく、体への負担も少なく済むでしょう。

インプラントに比べて費用が安い

自由診療のインプラントの平均費用は、1本あたり約35万かかると言われています。それに比べブリッジは保険が適用されるため5,000~13,000円ほどで治療を受けられます。インプラントに比べると圧倒的にかかる費用が安いというのが特徴です。

しかし、義歯にセラミック素材を用いる“セラミックブリッジ”などはインプラントと同等、もしくはそれ以上に高額になることもあるようです。

両隣に歯がなければならない

歯を失った部分の両端の天然歯を土台として装着するため、歯を失った部分の隣にぐらつきのない歯がない場合は装着できません。つまり、何本も連なって歯が抜けてしまっている箇所にはブリッジ治療を行えないのです。

天然歯の神経をとることがある

天然歯を削った場合、歯に痛みを感じるときには神経を抜くことがあります。神経を抜かれた歯は、神経がある歯と比べると脆くなるので、ブリッジを入れてから強い衝撃などが加わると破損などのトラブルが発生するリスクが高くなります。

ブリッジ治療の基本的な流れ

1.土台作り・型取り
ブリッジを装着するための土台を作ります。土台作りでは歯を平行に削り、前後のバランスを調整します。この時点で実際にブリッジを入れたときに歯の噛み合わせがきちんと合うように型取りをします。

ちなみに、土台作りが始まる前に歯に虫歯や歯周病などのトラブルがある場合、脱離する可能性があるため、まずは病気の治療を行ってからブリッジの治療を開始します。

2.仮歯の装着・模型作成
次に仮歯を入れます。これはブリッジが作成し終わるまでの代わりになる歯です。仮歯はその場で修正がしやすいようにプラスチックで作られているケースが大半のため、強度は決して高いとは言えません。そのため、なるべく硬いものは噛まないように気をつけてください。

3.設計・制作
初めにとった歯型を参考に模型を作ります。この模型を使い、噛み合わせを再現し、しっかりと噛み合っているかチェックをしながら実際に装着するブリッジを作成していきます。

4.接着・調整
ブリッジの作成が終わったら、いよいよ装着です。土台に歯科用の接着剤で固定し、その後に最終調整。接着したブリッジを口腔内で削り、高さや形を微調整して完成です。

ブリッジ治療は歯を失ってしまった場合の1つの選択肢

ブリッジは違和感が少なく、噛みやすいというメリットがあるため、治療を選択される方も多いでしょう。しかし、健康な歯を削るというデメリットもあるだけに、どの治療法を選択するかは要検討すべきだと言えるでしょう。歯を失ってしまった場合の1つの選択肢として捉えておくことが大切です。

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