インプラントが受けられない!? 顎の骨が足りなくなる原因とその治療法

2017.05.26 healthReiko Okabe

顎の骨が足りなくなる3つの原因

1.歯周病

歯周病

インプラント治療は顎の骨に穴を開けて、「人工歯根(インプラント)」を埋め込み、その上に人工的に作られた歯を被せるという方法で治療します。埋め込む際に十分な高さが必要なので、歯周病により顎の骨が溶けてしまっている状態では手術ができないケースがあります。

2.生まれつき

遺伝

虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルがないのに、歯科医院で骨が足りないと言われた場合には、生まれつき顎の骨が薄い可能性があります。そもそもインプラント治療は日本ではなく欧米で誕生した治療法です。日本人は欧米人に比べて顎の骨が薄くて細いので、インプラントを埋め込むスペースが取れないことがあるので日本のインプラントは日本人向けにアレンジされています。

3.骨吸収

骨

歯が抜けた箇所を長い間放置すると、歯を支えるための「歯槽骨(しそうこつ)」からカルシウムやミネラルなどが溶けだしてしまう骨吸収という現象が起こります。骨吸収は、歯が抜けてから半年間で30~40%進行すると言われていて、骨吸収の進行具合によってはインプラント治療を受けられないことがあります。

顎の骨が足りない場合の3つの治療法

歯科治療

インプラント治療を受ける場合は、基本的には顎の骨がしっかりとしていることが条件になります。しかし顎の骨が薄くてインプラント治療が難しいと言われた場合でも、技術力の高い歯科医師なら、特殊な治療法でインプラントを埋め込むことができます。

1.GBR法(骨誘導再生法)

GBR法は埋め込んだインプラント側面が露出してしまうような場合に用いられる治療法で、「骨再生誘導法」とも呼ばれています。この治療法は骨が不足している部分を、「メンブレン」という人工膜で覆い、骨補填剤を入れて骨を再生させたうえでインプラント治療を行うという方法です。

2.ソケットリフト

ソケットリフトは上顎の骨の高さが足りない場合に用いられる治療法です。専用の器具で上顎の空洞にある粘膜を押し上げて、そこへ骨補填剤を入れ込み、骨を増やすことで歯槽骨を高くするという特殊な治療法です。

ただし骨補填剤で骨を増やすことには限界があるので、ソケットリフトを行っても骨の量が足りないケースがあります。その場合は次に紹介する「サイナスリフト」という治療法で対応します。

3.サイナスリフト

サイナスリフトは歯槽骨の広範囲に高さがない場合に用いられることの多い治療法です。上顎の空洞に骨補填剤を入れ込み、そこに移植骨を埋め込むことで、インプラントを埋め込む際に十分な高さと幅をとれるようになります。

上記3つの治療法を「骨造成法(こつぞうせいほう)」と言います。骨を増やす手術のため、骨が完全に再生されるまで長い時間が必要です。いずれの治療法もおおよそ4~6ヶ月程度の期間が必要なので、インプラント治療が完全に終わるまでの期間も必然的に長くなります。

骨が足りなくてもインプラント治療を受けることはできます!

骨が細い、骨の高さが足りないなどの理由で歯科医院でインプラント治療を断られてしまった場合でも、骨造成法という治療によって、インプラントを埋め込むことができる場合もあります。

しかし高い技術が必要な治療法のため、治療を行っていないという歯科医院も多くあります。まずは、お近くの歯科医院に相談して、高い技術力と多くの実績を持つ歯科医院を紹介してもらことをオススメします。

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