唇も日焼けする!?そのメカニズムとケア方法
唇が日焼けするメカニズム
紫外線には“UVA”、“UVB”、“UVC”の3種類があります。このうちUVCは大気中のオゾン層によって取り除かれます。しかしUVAとUVBはオゾン層を通過するため、日焼けを起こす原因になると言われています。
特に日焼けの原因となりやすいのはUVBです。このUVBが肌に当たると、外部からの刺激に対して体を守ろうとするバリア機能が働き、メラニン色素が作られるため、肌が黒くなります。
一方、唇の場合はもともとメラニン色素がほとんどありません。これは、バリア機能がない状態であると言えるため、紫外線の影響を直接受けてしまいやすく、ダメージにつながります。
また、肌の場合は角質層が厚く、皮脂が分泌されるので紫外線を浴びたとしても肌内部の水分を維持することができます。一方、唇は角質層が薄く、皮脂線がないため、紫外線を浴びると水分が蒸発して乾燥する原因となり、かさつきやヒビ割れ、水ぶくれなどが起こりやすくなります。
しかし、唇はバリア機能を持たない代わりに、“ターンオーバー”が早いと言われています。ターンオーバーとは、「紫外線などの外部刺激で損傷を受けた部分の細胞が新しい細胞に生まれ変わる」ことを意味します。
ターンオーバーが早いということは、ダメージを受けても回復が早いということ。具体的には肌の場合、およそ28日サイクルでターンオーバーが行われると言われていますが、唇の場合はおよそ3~4日だとされています。そのため、紫外線の影響を受けたとしても他の部分に比べると回復が早く、きちんとセルフケアを行えば早く治るのが特徴です。
唇が日焼けしたときのケア方法
冷やす
唇がヒリヒリするほど日焼けしてしまった場合は、まず冷やすことが大切です。冷やすときには流水に患部をしばらく当てて冷やしましょう。氷や保冷剤を使って冷やすのもよい方法ですが、冷やしすぎて低温火傷を起こすこともあるので、タオルやハンカチなどに包んでから患部に当てるようにしてください。
保湿する
日焼けをした直後は、火傷をした後と同じように皮膚の水分量が減少し、カサカサしていることもあります。そのため、冷やした後にはなるべく保湿をしましょう。保湿ケアにおすすめなのが「オロナインH軟膏」。軽度の火傷に効果的です。ただし、子どもの場合は大人よりも皮膚が弱いので医師の診断を受けてから使うようにしましょう。
水ぶくれを潰さない
日焼けが悪化し、真皮にまでダメージが及ぶと水ぶくれができることがあります。水ぶくれの中の液体は自然に身体に吸収されて治癒しますが、跡が残るなどの後遺症が現れることもあるので、なるべく皮膚科などを受診してください。
また、水ぶくれができるとどうしても潰してしまいたくなりますが、我慢するようにしましょう。潰してしまうと傷口から細菌が入り込んで炎症を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを摂る
唇の日焼けに限らず、日頃から肌のためにビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをたくさん摂取しましょう。これらの栄養素は紫外線からの悪影響を緩和させる効果が期待できます。特にビタミンCはしっかりと摂ることが大切です。
ビタミンCにはメラニン色素の生成を抑制する働きがあると言われています。唇にはメラニン色素を生成するメラノサイトが少ないため、肌のように黒くはなりませんが、くすんだ色になってしまうことがあります。
UVカット成分を含まないリップに切り替える
外出時にUVカット効果付きのリップクリームを使うのはよいのですが、日焼け後には、あまりおすすめできません。なぜなら、UVカット成分が唇の負担になってしまう可能性があるからです。日焼け後は唇の角質層まで浸透しないワセリンなどを使うとよいでしょう。
日焼け後のケアをしっかりと!
唇は他の部分よりも紫外線の影響を受けやすい点が特徴ですが、治るのも比較的早いため、十分なケアを心がけたいものです。日焼けを予防することがもっとも大切ですが、今回紹介したケア方法を身につけて、万が一日焼けしてしまったときでも早めに対処できるようにしましょう。