意外と知らない歯周病の実態!知っておくべき種類と症状

2018.06.18 healthSUE

知っておきたい、歯周病の種類と症状

治療器具

歯周病の種類としては歯肉炎や歯周炎、歯槽膿漏などについて名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、それらはさらに細かい症状で細分化することができ、中には骨までも破壊する症状もあります。予防を心がけるうえでも歯周病の種類をあらかじめ把握しておきましょう。

歯肉炎

歯周病初期の段階の症状です。歯と歯ぐきの間が赤くはれたり出血したりするなどの炎症を起こします。歯と歯ぐきの間の歯肉溝が深くなり歯周ポケットができるのもこの段階です。歯肉炎は症状が歯ぐきの腫れや出血に限定されるので、しっかりと歯磨きをしてケアすることで健康な状態に戻ることもあります。

慢性歯周炎

一般的な歯周病の症状で、歯肉炎の症状が進むと慢性歯周炎になります。慢性歯周炎になると炎症は歯ぐきだけでなく、歯根膜からセメント質(硬組織)、歯槽骨にまで及びます。症状としては歯ぐきの腫れや痛み、出血のほかに排膿、酷い口臭などの症状が起こり、また歯ぐきが痩せたり、歯がグラグラしたり、最悪歯が抜けてしまいます。

慢性歯周炎には軽度・中等度・重度の段階があり、歯ぐきから膿が出る歯槽膿漏は重度の状態です。できるだけ軽度の段階で、歯科医院で治療を行うこと重要になります。

侵襲性歯周炎

急速破壊性歯周炎、または若年性歯周炎とも言います。症例としては稀ですが、20代、30代の人に見られる症状です。口の中は比較的清潔に保たれているのに、急速に歯が溶かされるなど症状が重症化するという特徴があります。

歯周病の原因菌にはさまざまな細菌がありますが、侵襲性歯周炎はこの中の特定の細菌が関連していると言われています。また、侵襲性歯周炎にかかる人は家族も同じように発症するケースが多く、遺伝的要因や環境面も要因として考えられます。

薬に起因する歯肉炎

歯肉炎は薬の副作用としても発症します。薬の副作用として発症する歯周病には抗けいれん薬の副作用としてのフェニトイン(ダイランチン)性歯肉炎、降圧剤の副作用としてのニフェジピン性歯肉炎などがあり、歯ぐきが腫れ、重症の場合は歯ぐきが歯を覆いつくすことがあります。疾患の主治医と歯科医師の双方とともに治療を進めましょう。

妊娠性歯肉炎

妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯周ポケット内の細菌が増えるなど歯周病が発生しやすくなります。つわりなどにより歯磨きが疎かになったり食事の回数が増えたりすることも原因として挙げられます。

慢性剥離性歯肉炎

歯ぐきの表面の皮がはがれ落ちて“びらん”の状態になります。生理不順や閉経後の女性に多く見られる症状で、痛みを伴い小さな部位から口全体に見られることもあります。

その他の歯周病発生要因

咬合性外傷

歯の噛み合わせが悪いと歯や顎の骨に過度な力が加わり、その刺激により歯槽骨が徐々に溶けてしまうことがあります。このため重度の歯周炎と同じ症状になることがあります。

全身疾患との関わり

歯周病は全身疾患とも相互関係にあり、糖尿病の合併症の1つとも言われ、骨粗しょう症の場合は歯が溶けるので歯周炎になりやすいと言われています。また、歯周病の人は心疾患や脳梗塞になりやすい傾向にあります。

歯周炎の症状が出たら必ず歯科医院で診察を受けましょう

歯科医師

一口に歯周病と言ってもその症状や要因はさまざまです。歯ぐきが腫れたり少し出血したりするだけの歯肉炎であれば、日頃のケアでこと足ります。

しかし、歯ぐきの腫れがひどくなったり歯ぐきが痩せたりするなどの歯周炎の症状がある場合は必ず歯科医院で治療を受けましょう。歯周病は早期発見、早期治療が大切なので、お口にトラブルがない状態でも定期検診を受けるようにしてください。

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