永久歯が生えてこない!意外に多い「大人乳歯」とは?
大人乳歯って何?
大人乳歯とは、その名の通り大人になっても乳歯が生えたままの状態を指します。通常、乳歯は6~12歳くらいまでの間に永久歯に押し出されて抜け落ちます。ところが大人乳歯の部位には生えてくる永久歯が生まれつきなく、生え替わりが行われないことがあるのです。
また大人の歯が生えそろうと全部で28本(親知らずを除く)になりますが、大人乳歯はどの箇所でも発生しやすいというわけではなく、前から2番目と5番目の歯にその症状が現れやすいと言われます。
永久歯が欠如する原因はハッキリしていませんが、食生活の変化などで現代人の顎が小さくなってきたことが関係しているとも考えられています。
大人乳歯の問題点
たとえ大人乳歯があったとしても、健康な状態であれば日常生活で困ることはないのでご安心ください。ただし、乳歯ならではの注意点や抜けた場合の問題点があるので気をつけましょう。
問題点1:乳歯は永久歯と比べて弱い
乳歯はエナメル質や象牙質が薄く、虫歯になりやすかったりダメージを受けやすかったりします。また、歯の根っこが短いため、30歳くらいまでに抜けてしまうケースも少なくないようです。
問題点2:放置すると歯並びに影響が出る
大人乳歯が抜けてしまった場合、放置すると以下のようにさまざまな問題が発生します。
・見た目を気にして自然に笑ったり話したりできなくなる
・すき間ができたぶん歯が移動したり倒れたりして噛み合わせや歯並びが崩れる
・顎の成長に悪影響を与えたり顎関節症になったりする
大人乳歯のケアで気をつけること
注意点1:専門家に診断してもらう
大人乳歯は特に問題なければ普通に生活できるので、大人乳歯があることに気づかない人もたくさんいます。グラグラし始めてから歯科医院に行くのではなく、早めにお口の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。
自分が大人乳歯かどうか心配な場合は、歯科医院でレントゲンを撮って診断してもらうようにしましょう。成長に合わせて必要な場合は大人乳歯を抜いて歯列矯正を行うこともあるので、早めのお口の状態を把握しておくことが大切です。
注意点2:虫歯・歯周病ケアは念入りに
通常の永久歯でもそうですが、歯の質が弱い乳歯は特に虫歯や歯周病に気をつけなければいけません。まずは歯医者さんで大人乳歯の部分をどう磨けばいいのか教えてもらいましょう。ワンタフトブラシやフロスなど、あなたの歯並びや歯の形に合った道具や磨き方を選んでくれます。
また、歯磨きだけではどうしても落としきれないプラークは、虫歯や歯周病の原因に。定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けると安心です。
大人乳歯が抜けたらどうするの?
きちんとケアしていても大人乳歯は抜けてしまうこともあります。大人乳歯が抜けた場合は、生活に支障がないよう以下のような処置の選択肢があります。
処置1:歯列矯正ですき間を閉じる
矯正器具をつけ、徐々に歯の位置をずらすことで乳歯が抜けた部分のすき間を埋めます。時間と費用はかかりますが、他の歯を傷つけることなく自分の歯列を整えられるというメリットがあります。
処置2:ブリッジや部分入れ歯を入れる
ブリッジは両隣の歯を削って連結した被せ物をはめ込み、なくなった歯を補う治療法であり、部分入れ歯は留め具で義歯を固定する治療法です。保険適用でできることが多いですが、両隣の健康な歯までダメージを与えたり負担をかけたりしてしまうデメリットがあります。
処置3:インプラントを入れる
顎の骨にインプラントを埋め込み、その上に人工歯を取りつける治療法。手術が必要で費用も高額になりがちですが、両隣の歯への影響もなく自分の歯のようにしっかり噛めるというメリットがあります。
大人乳歯の疑いがある場合は歯科医院で診断を
顎が小さくなったと言われる現代人にとって増加傾向にあると言われる大人乳歯。自覚がなくても、実は乳歯のままの歯があるかもしれません。心配な方は歯科医院で一度診断を受けてみましょう。そして、最善のケア方法を提案してもらうのがベストな対処法だと言えます。