歯列矯正すべき?不正咬合の種類と症状について

2018.08.01 healthオオタカ

意外と知らない?不正咬合の種類と症状

口元を押さえる女性

一口に歯並びが悪いと言っても、その種類は実にさまざまです。自身の歯並びの良し悪しをチェックするためにも、まずはそれぞれの種類と症状について把握しましょう。

その1:上顎前突(じょうがくぜんとつ)

いわゆる出っ歯のことで、上の歯が下の歯よりも前に出ている状態です。上顎が下顎よりも成長しすぎたり、下顎が引っ込み過ぎたりする場合に上顎前突になります。

症状としては、上の前歯に下の前歯が噛み合わなかったり、口元がキレイに閉じず、常に開いた状態になったりするのが特徴です。常に開いているので口の中が乾き虫歯や歯周病のリスクが高まったり、食べ物が上手く噛めなかったり、発音が明瞭にできなかったりするなどのデメリットがあります。

その2:反対咬合(受け口)

下顎が上顎よりも前に出ている状態。下顎前突や受け口とも呼びます。食べ物を歯全体でバランスよく噛むことができず、前歯だけで噛んだり、発音が明瞭にできなかったりするなどの症状が特徴です。また、下顎が前に出るため、いわゆる顎がしゃくれた状態になり、コンプレックスを感じる人もいます。

その3:過蓋咬合(かがいこうごう)

歯を噛み合わせたときに下の前歯が上の前歯に隠れて見えなくなる状態です。歯の位置や傾き方、上下の顎骨の位置や大きさのバランスが悪いことで生じる症状であり、食べ物を上手に咀嚼できない、発音を明瞭にできない、虫歯や歯周病になりやすいなど懸念があります。また、下顎を上手に動かせないため、顎の成長が阻害されることもあります。

その4:開咬(かいこう)

噛み合わせの時に上下の歯が噛み合わずに隙間ができてしまう状態のことを指します。先天的な要因のほかに、指しゃぶりを長期間続けていたりすると開咬の原因になります。開咬も食事を上手く咀嚼できなかったり、発音を明瞭にできなかったり、虫歯や歯周病になりやすかったりするなどさまざま悪影響を及ぼします。

その5:交叉咬合(こうさこうごう)

上下の奥歯や前歯の噛み合わせが横にずれている状態のことを言います。指しゃぶりや頬杖などの習慣が原因となることもあります。顎の骨の成長が阻害されることで顔全体のバランスが崩れることもあります。

その6:叢生(そうせい)

歯並びがガタガタと重なり合っている状態で乱杭歯(らんぐいば)とも呼ばれています。顎が小さく一部の歯が大きすぎるときちんと口の中に収まりきらず、重なり合ってしまいます。

先天的に顎が小さかったり一部の歯が大きかったりすることが原因に挙げられますが、乳歯が早く抜けたために永久歯への生え替えが上手くいかなかった場合も叢生になる可能性が高いと言えるでしょう。叢生も他の不正咬合と同じように食事が上手に咀嚼できなかったり、発音が明瞭でなかったりとさまざまな悪影響が出ることが考えられます。

その7:空隙歯列(くうげきしれつ)

歯と歯の間に隙間が空く、いわゆる“すきっぱ”の状態のことを言います。先天的に顎の骨に比べて歯が小さかったり、歯の数が少なかったりすると余分なスペースができてしまい、空隙歯列になるケースがあります。空隙歯列では咀嚼や発音に影響が出るほか、口元の印象が悪くなりがちです。

不正咬合の対策

驚く子ども

不正咬合を放置しても良くなることはなく、メリットも特にありません。さまざまな面で悪影響が考えられるので、できるだけ早めに歯科医院に相談しましょう。

不正咬合による悪影響

不正咬合は噛み合わせが悪く、口腔内の汚れを落としにくい傾向にあるため、虫歯や歯周病を発症しやすくなります。また、噛み合わせの悪さは顎関節症や頭痛、肩こりなどの原因にもなることもあり、上手に食べ物を咀嚼できないため胃腸障害を起こすこともあります。

顎の成長に支障を及ぼすこともあり、顔全体のバランスが乱れる可能性があるところも懸念点です。見た目のせいで人前に出るのがコンプレックスになるなど精神面にも悪影響を及ぼすことがあります。

対策1:不正咬合の治療は矯正治療が一般的

不正咬合には矯正治療が一般的です。矯正治療は子どものころに行うのが理想的ですが、最近では目立たない矯正器具や取り外し可能なマウスピース矯正が人気を集めています。そのため、大人になってから矯正治療を始める方も多いようです。お口と体の健康を維持することはもちろんですが、噛み合わせを正すことでQOL(生活の質)を高めるためにも、不正咬合を治療することをおすすめします。

対策2:小さな子どもは定期的に歯科検診を

小さなお子さんの場合は、定期的にかかりつけ医による歯科検診を受けて、不正咬合について相談しましょう。また、子どもの過渡な指しゃぶりなど生活習慣が悪いと不正咬合の原因にもなるので、かかりつけ医から生活指導をしっかりと受けるようにしましょう。

不正咬合の症状が出たからといっても慌てず、かかりつけ医の指示に従い適切な時期に矯正治療を始めるようにしましょう。

不正咬合が心配される場合は必ず歯科医師に相談しましょう

歯医者

不正咬合にはさまざまな種類があり、共通して虫歯や歯周病、顎関節症などの症状を引き起こしたり、健康面・精神面に悪影響を与えたりします。そのため、できるだけ早めに歯科医師の診察を受けて適切な治療を受けることを心がけましょう。

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