意外とアッサリ!?インプラント治療「2回法」のアバットメント連結手術~実録“インプラント女子”第7話~

2018.03.01 healthHa・no・ne編集部 RIKA

9~1月:“寝る前まで覚えていたのに”通院日を忘れがちな経過観察期間

寝起きの女性

外科手術で顎の骨にインプラントを埋入した後は、チタン製の人工歯根と顎の骨が結合するまで3~6ヶ月ほど間隔を置くのが一般的です。その後は、歯ぐきに穴を空けてアバットメントを接続するための2度目の手術に移りますが、それまでの期間は月に1~2回ほど歯科医院に通わなければなりません。

手術直後は傷口の消毒がメインですが、傷口が回復した後は保険適用内で他の歯をクリーニングしたり、歯のない部分も正しく磨けているかを確認してブラッシング指導を受けたりします。経過観察中の診察は5~10分程度。会社が10時出社なので通勤途中に通うことにしたものの、その10分のために早起きしなければならないことが、朝に弱い私にとってはだんだんと重荷になっていきます。まさに、「歯の異常が時に、歯科医院に通うのがこんなに面倒だとは……!」という心境です。

前夜に「明日は歯医者行かなくちゃ!」と自分に言い聞かせても、朝起きたらすっかり忘れていて、予約を変更してもらうこともありました。人気のある歯科医院なので、通院を忘れると次に予約できるのは2週間も先。2回目の外科手術を受かるまでの5ヶ月は、「通院を忘れては予約を取り直す」の繰り返しでした。

1月24日:アバットメント連結手術は無事に終了したものの……

歯科検診

インプラント埋入から約4ヶ月が過ぎた12月初旬、担当歯科医師から「そろそろアバットメントの連結手術をしましょうか」と提案がありました。痛みや所要時間を尋ねると、「麻酔をするので痛みはほとんどありません。手術時間は15分くらいですが、埋め込んだインプラントの上に新しい骨ができている場合は、その骨を削ってアバットメントを連結します。その場合は、もう少し時間がかかることもあります」とのことでした。私は一刻も早く手術を受けたかったのですが、他の予定との兼ね合いで手術は1月下旬に決行されることになりました。

そして、迎えたアバットメント連結手術(2回法における2回目の外科手術)当日。すでに怖がることさえ面倒になってしまった私は、会社を15時に退勤して近くの牛丼屋さんに向かいました。抜歯やインプラント埋入手術の後は、手術した側の歯が使えず食事に苦労したので、アバットメント連結前の「最後の晩餐」的な気持ちで牛丼を味わいました。歯科医院では歯を磨いた後、テレビを見ながら自分の名前が呼ばれるのを待ちます。「早く全部の治療を終わらせたいなぁ」――、そんなことを考えながら。

アバットメント連結手術は、まずレントゲンを撮ってインプラントや骨の状態を確認します。そして問題がなければ麻酔、その後歯ぐきに穴を空けて、インプラントにアバットメントを連結。最後にまたレントゲンを撮って異常がないか確認するという流れです。手術は痛みもなくあっさり終わったのですが、手術中は担当医と歯科衛生士さんの間で、何やら不穏なやり取りが交わされていました。目元のタオルが外され、椅子がゆっくり起き上がると、私は歯科衛生士さんから今後の治療方針を告げられます。

まだかかるの!?インプラントの治療期間を長引かせる要因とは

春夏秋冬

手術が終わってすぐ、歯科衛生士さんから「インプラントを入れた奥の歯が少し手前にずれていて、歯と歯の間が狭くなっています。いったん仮歯を入れて奥の歯を元の位置に戻してから、本番の上部構造(白い歯の部分)をつけましょう」と説明がありました。落胆する私を見て「追加料金はかからないので安心してください!治療期間は少し伸びますけどね」ととどめの一言。心の中で、「もうなんでもいいから早く歯をくれーー!!」と声にならない叫びをあげました。

インプラント治療は、インプラントを埋め込む部位や付随する手術の有無によって治療期間が変わってきます。患者さん自身がどんな治療を選ぶかにもよりますが、長い場合はすべての工程が終わるまで1年ほどかかることもあるそうです(一般的に上顎より下顎の治療のほうが早い)。私の場合はこの時点で抜歯から7ヶ月も経過しているのですが、終わりの見えない治療に苛立ちが募るばかりでした。

しかし、治療期間が伸びたのは歯科医院のせいではありません。もともと反対咬合(上顎より下顎が前に出ている)で噛み合わせが良くなかった私ですが、右側の歯が1本欠けたことで噛むのが左側に偏り、噛み合わせのバランスが変わって歯が動いていました。それに加え、通院忘れにより1回目の手術から2回目の手術の間が空いてしまったことも、治療を長引かせる一因となったのでしょう。私は「治療を無事に終わらせたいなら、歯科医院の指示に従うしかない」ということを、ここでやっと悟ったのでした。遅い……。

次回のトピックは「アバットメントと歯の間に物が挟まる」「仮歯の型採りがつらい」「ようこそ仮歯」の3本です。私のインプラント治療は折り返し地点を迎えたのでしょうか?次の更新をお楽しみに!

【実録“インプラント女子”過去記事はこちら】
第1話 私の永久歯が根元からぱっくり割れた経緯
第2話 抜歯になるかも……そんな時に選ぶべき歯科医院
第3話 抜歯後に歯科医院で提示される3つの選択肢と心の声
第4話 抜歯後の生活で感じた困難と推奨される対策
第5話 怖い!逃げたい!初めてづくしのインプラント埋入手術
第6話 鼻血・禁煙・カード払い!経験者が語るインプラントの裏話

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【ライター紹介】 RIKA

RIKA

Ha・no・ne編集部でもっとも歯に悩みを抱えるライター。小学生時代に上下の顎の噛み合わせが逆である「不正咬合」であることが判明したのを皮切りに、乳歯が生え替わる際に必要な永久歯が生えない「先天性欠損」や慢性的に冷たい物が歯にしみる「知覚過敏」など数々の困難を経験。2017年春には25歳にして永久歯を1本失った。そんな“口運”に見放された悲劇のヒロインとしての物語を「実録!インプラント女子」にてありのままに綴っている。予防歯科や矯正治療の重要性を世の中に発信したいという気持ちは、当然ながら“ノンフィクション”だ。

Twitter:香取さとり【文筆業】
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