心当たりのない頬骨の痛みの原因は歯のトラブル!?

2017.12.12 healthオオタカ

頬骨が痛むのは口腔トラブルが原因

虫歯や歯周病、顎関節症といった口腔トラブルでは、それぞれ歯や歯ぐき、顎などに痛みが起こるのが一般的ですが、まれに頬骨にも痛みを伴うこともあります。

口腔トラブル1:虫歯や歯周病

虫歯や歯周病が進行すると頬や顔面全体までも痛みや違和感を覚えることがあります。

口腔トラブル2:歯根膜炎

上の歯の虫歯や歯周病が悪化したり歯に過重な力がかかったりすることで、歯の根(歯根)周辺の歯根膜に炎症を起こすことがあります。これが歯根膜炎です。歯根膜炎には歯がズキズキ痛み、歯ぐきが浮いた感じがするなどの症状がありますが、上の歯が歯根膜炎になると頬骨に痛みや違和感を覚えることがあります。

口腔トラブル3:親知らず

上顎の親知らずが横や斜めに向いて生えていると、他の歯や周囲の歯周組織を圧迫したり、炎症を起こしたりすることで頬骨に痛みを感じることがあります。

口腔トラブル4:顎関節症

顎関節症などの症状があると顎や頬に余分な力が入りすぎるため、頬骨に痛みを発症することがあります。頬骨の痛みのほか、口を開けられない、口を開けたときにカクカクと音がする、口を開けると痛いなど顎関節症の症状がある場合は歯科口腔外科を受診することをおすすめします。

上記のような口腔トラブルにより頬骨が痛む場合は歯科口腔外科を受診することをおすすめします。

口腔トラブル以外の原因による頬骨の痛み

口腔トラブル以外にも副鼻腔炎、顔面神経痛である三叉神経痛なども頬骨の痛みの原因になります。

頬骨の痛みの原因1:副鼻腔炎

副鼻腔炎とは鼻の上や左右にある空洞部分が何らかの理由で炎症を起こす病気です。副鼻腔には鼻づまり、粘り気があり黄色い鼻水がでるなどの症状があるほか、頬骨や両目の間に痛みや額を中心に頭痛を感じることがあります。このような症状が現れたら耳鼻咽喉科で診察を受けることをおすすめします。

頬骨の痛みの原因2:三叉神経痛

三叉神経とは顔面の感覚を脳に伝える神経で、脳から目、上顎、下顎に伸びています。三叉神経痛とは三叉神経の根元に血管や腫瘍などが圧迫する場合などに起こり、洗顔や食事などの際などに顔面に突発的な強い痛みが走ります。三叉神経痛が疑われたら、脳神経外科、神経内科、麻酔科(ペインクリニック)で診察を受けることをおすすめします。

上顎洞炎が原因による頬骨の痛み

上顎洞(じょうがくどう)とは鼻の左右の骨の内側にある空洞のことで、ここに細菌が入り炎症を起こすと上顎洞炎になります。上顎洞炎は鼻の炎症が原因で起こるものと歯の炎症が原因で起こるものがあります。主な症状には頬骨の痛みや違和感のほか、頭痛、目の奥の痛み、鼻づまりや黄色い鼻水がでる、歯の根元の痛み、口臭などが挙げられます。

ケース1:鼻の炎症が原因の上顎洞炎

上顎洞は副鼻腔の一部で、上顎洞炎は副鼻腔炎の1つです。慢性的な鼻炎で副鼻腔炎を起こしたり、アレルギーや風邪などにより細菌が上顎洞に侵入したりすることで上顎洞炎になることがあります。鼻の炎症が原因で上顎洞炎になった場合は、耳鼻咽喉科で診察を受け抗生物質を服用し改善していきます。

ケース2:歯の炎症が原因の上顎洞炎

虫歯や歯周病が重症化し、歯の神経や歯ぐきの周辺組織から細菌が上顎洞に入り込むと上顎洞炎になることがあります。このように歯の炎症が原因でなる上顎洞炎を歯科性上顎洞炎と言います。歯科性上顎洞炎は抜歯やインプラント治療、歯の根管治療などの際に上顎洞に細菌が感染することで起こることもあります。歯科性上顎洞炎には片側の頬骨だけが痛むという特徴があり、歯科性上顎洞炎が疑われる際は歯科口腔外科を受診することをおすすめします。治療は基本的に抗生物質を服用しながら患部をメインに対応していきます。

頬骨の痛みを感じたら、症状に適した診療科を受診しましょう

今回は頬骨の痛みの原因に関して解説しましたが、頬骨の痛みにはさまざまな原因が考えられます。したがって一番大切なのは症状を放置しないことです。頬骨の痛みや違和感のある場合は、病気を進行させないためにも、他の症状も検討しながら適した診療科で診療を受けることをおすすめします。

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