痛みの緩和に期待!歯科治療で使われる麻酔とは?

2018.02.14 healthSUE

どんな時に麻酔が使われるの?

歯科で麻酔を使用する主な理由は、処置に伴う痛みを緩和するためです。ところが効果はそれだけではありません。次のようなさまざまな場合でも、麻酔が使用されています。

・歯科治療に対する恐怖心が強い
・長時間にわたり口を開けていることが苦痛
・治療中に気分が悪くなってしまう
・血圧が高い、心臓が悪いなどの持病がある

上記のような不快感を取り除いたり、持病が悪化したりするのを防ぐために、麻酔が用いられることがあります。治療に対して何か不安なことがあるときは、まず歯科医師に相談してみましょう。あなたの希望に合わせて麻酔を提案してくれるでしょう。

それでは実際にどんな歯科麻酔があるのか紹介します。

局所麻酔法

その名の通り局所的に感覚を一時的に麻痺させる麻酔です。局所麻酔はさらに次の3つの種類に分けられます。

その1:表面麻酔法

歯ぐきの表面に麻酔薬を塗って、感覚を麻痺させる方法です。麻酔薬のしみ込んだガーゼやコットンロールを処置する部位にはさみ、数分間置いて作用させます。主に麻酔の注射の痛みを緩和させるために使用されます。また、少しだけ痛みをともなう歯石のクリーニングや乳歯の抜歯の際にも用いられることがあります。

その2:浸潤麻酔法

痛みを取りたい部位に直接チクッと注射する、いわゆる皆さんがイメージする歯科の麻酔です。嫌がる人がほとんどですが、最近では細い針が開発され、麻酔薬の温度も調整することで、以前と比べてはるかに痛みを感じにくい注射となっています。また上記で紹介した表面麻酔を組み合わせたり、電動式注射器を使用したりする歯科医院も増え、痛みに配慮された治療が受けられるようになってきました。

その3:伝達麻酔法

比較的麻酔が効きにくい下の奥歯に用いられる方法です。脳から出た神経が下顎に伝達する際の神経に麻酔を注入することで、唇や舌を含む広い範囲に麻酔の効果が得られます。この方法では下の奥歯の後方から麻酔を注入します。麻酔効果が長時間続くので治療後の痛みを抑えられ、鎮痛薬の量を減らせるというメリットがあります。

精神鎮静法

音や振動、薬液の臭いが苦手で治療に恐怖心がある……そんな方に向いているのが、精神鎮静法です。笑気麻酔とも言われるこの麻酔にはリラックス効果があり、うとうとした状態になります。そのため治療中の緊張や恐怖を緩和することができ、口の中に機材が入るとオエッとえずいてしまうという方にも効果が期待できます。精神鎮静法には次の2種類があります。

その1:吸入鎮静法

笑気というガスをマスクやカテーテルを用いて吸入します。笑気は鎮静作用に加えて鎮痛作用もあるので、リラックスするだけでなく痛みを感じにくくなる効果もあります。呼吸器や循環器への影響が少なく、呼気によって速やかに体内から排出されるのも特徴。小さなお子さんや、高血圧や狭心症などの持病を持つ方も安全に使用できます。

全身麻酔法

外科処置が必要な矯正治療や大がかりなインプラント手術、小さなお子さんが治療中に暴れる恐れがある場合などに使用されます。全身状態を診察し、しっかりと計画を立て安全面に配慮しなければならないため、高度なトレーニングを受けた歯科麻酔科医である必要があります。治療内容によっては日帰りで受けることもあるので、治療を受ける医院のホームページをチェックしましょう。

麻酔が心配の場合はそれぞれの効果の確認を

歯科の麻酔は、治療内容や患者さんの状態によってしっかりと使い分けています。自身の体に使用されるものだからこそ、歯医者さん任せにするのではなく、治療前にしっかりと知識を持って受けたいものです。麻酔が少し心配な方は事前にそれぞれの効果を確認したうえで治療に臨みましょう。

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