歯ブラシでは半分だけ?デンタルフロスと歯間ブラシがお口のケアに必要なワケ
なぜ歯ブラシだけでは不十分なのか
そもそも、なぜしっかり歯を磨いているつもりなのに、磨き残しが発生してしまうのでしょうか?それは人それぞれに磨き方にクセがあり、いつも同じところしか磨けていない可能性があるからです。そのため、磨き残しやすい箇所は汚れが落ちにくく、そこにプラークがたまって虫歯や歯周病にかかるリスクが増大します。
リスク部位となるのは主に歯と歯の間や、奥歯の裏側。リスク部位はとても細かな場所なので、一般に販売されている3列歯ブラシだけでは磨き切れないことも。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が重要となります。
デンタルフロスと歯間ブラシの役割
デンタルフロスも歯間ブラシも、細かい部分のプラーク除去には欠かせないアイテムですが、それぞれの方のお口に合ったアイテムを選定する必要があります。そうでなければ、歯ぐきを痛めてしまう恐れもあるのです。それぞれの役割や特徴を知ったうえで、自分に合うものを選ぶようにしましょう。
その1:デンタルフロス
デンタルフロスはたくさんの繊維が合わせた歯間ケアのアイテムです。糸を歯と歯の間に入れてノコギリのように小刻みに動かし、汚れを絡めとります。デンタルフロスの大きな特徴は歯ぐきの溝までお掃除できること。歯ぐきには健康な場合でも1~2㎜の溝(歯周ポケット)がありますが、その中にプラークが溜まると歯周病の原因になります。デンタルフロスは歯周ポケットのケアに最適なアイテムです。
その2:歯間ブラシ
歯間ブラシは細い針金にナイロンの毛がついた棒状のアイテムです。主に歯と歯のすき間が大きい部分(食べ物がはさまりやすい部分)に使用します。つまようじを動かす感覚なので、比較的初心者でも扱いやすいアイテムだと言えます。さまざまなタイプやサイズがあるので、自分の口に合わせたものを選ぶことが重要です。
デンタルフロスの種類と選び方
デンタルフロスは大きく分けて次の2つのタイプがあります。
その1:糸ようじタイプ
ホルダーに糸がついていて、使用が簡単なので初心者にオススメです。前歯に使いやすいF型と奥歯に使いやすいY型に分かれているので、入念にケアをしたい場合は2本使いも検討しましょう。
その2:手巻きタイプ
糸が巻かれており、必要な長さだけ切り取って指に巻き付けて使用します。慣れるまで練習が必要ですが、コツさえつかめば非常に簡単。歯の形に沿ってケアできるので、糸ようじタイプよりもプラークを多く絡めとります。
また、デンタルフロスの糸には滑りをよくするワックスタイプとノンワックスタイプがあります。初めのうちは歯間に挿入しやすいワックスタイプで練習することをオススメします。
歯間ブラシの種類と選び方
歯間ブラシにはさまざまな種類があり、サイズも豊富。購入の際は、歯科医院でどれを使えばいいかプロにアドバイスを受けてましょう。
持ち手
I字型
主に前歯の歯間部の汚れを落としやすいタイプ
L字型
主に奥歯の汚れを落としやすいタイプ
ブラシ
ゴムタイプ
棒状のゴムでできており、毛もゴムでできているタイプ。やわらかいので初心者にオススメで、金属アレルギーの心配がある方でも使用できます。誤って強く挿入しても歯ぐきへのダメージが少ない点が特徴です。また、金属製の矯正装置や被せ物が入っている場合も、傷つける心配なく使えます。
ワイヤータイプ
細い針金の先に複数の毛がついており、プラークをかき出します。ゴムタイプよりもプラーク除去率が高く長持ちしますが、力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。
サイズ
SSSサイズ
もっとも小さいサイズで歯のすき間が0.8㎜までの人向け。健康な歯ぐきの人なら、こちらのサイズがオススメです。
SS・S・Mサイズ
SSは0.8~1.0㎜、Sは1.0~1.2㎜、Mは1.2~1.5㎜のすき間にそれぞれ対応します。歯ぐきが少し下がってきていたり、歯によってすき間の大きさが違ったりする場合は、これらのサイズから合うものを選びましょう。
Lサイズ
1.5~1.8㎜のすき間がある人向け。大きく歯ぐきが下がっていたり、ブリッジを入れていたりする人にオススメです。
ご自身のお口に合ったケアアイテムを!
デンタルフロスと歯間ブラシは似てはいますが、口腔内環境によって使い分ける必要があります。まずは普段の歯みがきで自分がどの箇所を磨き残しているのかを歯科医院でチェックしてもらいましょう。そのうえで、お口の状態に合った磨き残しを補完するためのアイテムを選んでください。