「歯科検診と歯科健診」意味の違いは?意外と知られていない保険診療の範囲~ちぃ先生の手記第94回~

2019.11.16 dhちぃ先生

妊婦健診は保険適用になるのか?

保険or自費?気になる「歯科検診」の疑問

保険と自費



それでは歯科検診の費用が、保険診療と自費診療どちらになるのかケースごとに比較してみましょう。

(1)保険診療のケース

歯や口腔内に疾患が見つかると保険診療になります。これは日本の保険制度が、疾病や症状があって初めて適用される仕組みになっているからです。健康診断ですでに指摘を受けている場合や、歯の痛みなどの自覚症状があるさいには、治療が必要になるケースが多いため、保険診療の可能性が高いといわれています。

また虫歯や歯周病の治療後の再チェックなど、再診料が適応になる場合は、そのときに虫歯や歯周病がなくても保険診療になるでしょう。

(2)自費診療のケース

虫歯や歯周病などのトラブルがなにも見つからなければ自費診療になります。病院によって検診の対象や治療費にばらつきがあるため、はっきりとはいえませんが、歯科衛生士の資格を持つちぃの体感で自費診療になりやすいのは、もともと自費診療で行っていた治療のメンテナンスとしての検診です。自費診療の治療には、歯科矯正やホワイトニングなどがあげられます。

自費診療であっても、歯科検診の費用はあまり高額ではありません。痛みなどの自覚症状がない虫歯や歯周病、口腔疾患もありますので、健康な方でも1年に1回は歯科で検診を受けることが健康への近道。

さて、次の項目で、歯科検診の費用の相場について、自費診療と保険診療に分けて見ていきましょう。

歯科検診の相場はいくらぐらい?

料金

(1)大人

自費診療であれば3,000円~10,000円程度が相場だと考えられます。保険診療の場合、異常が見つかっているのに検診だけして治療をしないということは考えにくいので、治療費がプラスされるとイメージして良いでしょう。歯石除去だけなら2,000円~3,500円程度での治療となります。

(2)子ども

子どもの場合、自治体によるのですが、小児医療費助成を受けると歯科検診が無料になる場合があります!学校検診などで異常が見つかって受診することが多いため、検診単体で受診するケースは少ないと思いますが、医療費補助が受けられるのは嬉しいですよね。

しかし、自治体や保護者の収入によって、医療費補助が受けられるかが異なります。詳しくは自治体へお問い合わせくださいね。

歯科衛生士が解説する「歯科検診」を受けるメリット

悪化



歯科検診は歯科「健」診と混合してしまいがちですよね。しかし「健診」は健康であるかのチェック、「検診」は病気でないかどうかの検査と、明確に役割が異なります。どのような病気があるのか調べ、病気があった場合スムーズに治療を進めるために、健康な方でも歯科検診は必要であるといえるでしょう。

歯科には、痛みなどの自覚症状がなく、ゆっくり進行する慢性疾患がたくさんあります。舌や頬にできた病変は、一見ただの口内炎でも、注意深く経過を観察する必要がある場合も……。

「自分の口は健康だと思っていたのに、気がついたら取り返しのつかないところまで病気が進行していた」ということのないように、こまめに歯科検診を受けることが望ましいです。

歯科検診


❤ちぃ先生から一言❤年に1回の歯科検診が健康への第一歩!

歯科検診は自費診療になる場合でも高額になるわけではなく、逆に虫歯や口腔内の疾患を気が付かずに放置し、進行させてしまうことで治療費が高額になるケースも……。
また歯科検診はクリーニングを一緒に行ってくれる歯科クリニックが多いです。「歯石を取ってキレイにしてもらおう!」という気持ちで検診を受ける方も。
自分では分からなかった虫歯や口腔内の疾患を、歯医者さんが見つけてくれるということもあります。「ちゃんと毎日歯をみがいているから大丈夫」「痛みがないから」と思っていても、年に1回の歯科検診は大切ですね。

【ライター紹介】 ちぃ先生
ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ~美容テク&お口の健康講座~

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