外国人は歯がきれい?日本と海外の歯列矯正の意識の差

2018.03.30 healthSUE

歯並びの美しさを重視するアメリカ

矯正中の子ども

海外、とりわけアメリカでは、歯並びの美しさが非常に重視されています。これは、笑顔を通じたコミュニケーションを大切にするアメリカの風土に基づいたものだそうです。日本では健康面に問題がなければ歯並びが悪くても歯列矯正をしない人が多いですが、アメリカでは審美面を重視するため日常生活に支障がなくても見た目の美しさをもとめて歯列矯正を行う傾向にあります。
また、アメリカでは歯列矯正をしているかどうかで周囲からの視線も変化するそうです。お金に余裕がある家庭では子どもの健康や将来に配慮して歯列矯正を受けさせます。反対に子どもに歯列矯正をさせないと「歯列矯正さえもさせられない貧しい家庭」というレッテルを貼られてしまうのです。
このように、アメリカでは歯並びの良さは家庭の裕福さを表す“一種のステータス”となります。そのため、歯列矯正をせずに乱れた歯並びのままでいると就職や結婚にも悪影響を及ぼすと言われています。

外国人から見た日本人の歯並び

海外に留学したり移住したりしたときに「歯並びの悪さを指摘された」という日本人は多いようです。実際にあるアンケートでは外国人の76%が「日本人は歯並びが悪い」と回答しています。
日本には海外に比べてたくさんの歯医者があります。海外では歯医者の予約がなかなか取れないこともありますが、歯科医師が過剰だと言われる日本ではそのようなことはほとんどありません。それにもかかわらず、歯並びが悪い日本人が多い現状に驚きを隠せない外国人もいるようです。

八重歯に対するイメージの違い

乱れた歯並びの代表として挙げられるのが「八重歯」です。八重歯とは犬歯が正常な状態よりも前に出てきてしまっている状態のことで、犬歯が生えてくるときに十分なスペースがないと八重歯が目立つようになってしまいます。
日本では八重歯は「かわいい」「チャームポイント」と比較的好意的にとらえられることが多い傾向にあります。八重歯があっても歯列矯正で治そうとしない人が多いのは、八重歯に対する一般的なイメージがポジティブなためかもしれません。
ところが、外国では八重歯があってもプラスにはたらくことはありません。八重歯はあくまでも歯並びの美しさを損ねる存在であり、八重歯を正すために歯列矯正をする人も多くいるようです。なかには「八重歯=ドラキュラ(吸血鬼)」を連想する人もいるのだとか……。この八重歯に対するイメージの違いは、日本と外国の歯列矯正の意識の差にもつながっていると言えるでしょう。

日本人の「歯の健康管理」に対する意識の低さ

そもそも日本人は、諸外国に比べて歯の健康に対する意識が低いと言われています。虫歯や歯周病を予防するための「予防歯科」はあまり一般的ではなく、「痛い」「歯が欠けた」「詰め物がはずれた」など歯に違和感があるときに初めて歯医者に足を運ぶ人がほとんどです。国民皆保険があるために治療費を保険でカバーできることもあり、予防のために積極的に歯医者に通う人はあまり多くはありません。
しかし、欧米の先進国では子どものころから予防のための歯科検診に通うのが当たり前の習慣です。きちんと定期検診を受けていれば虫歯や歯周病を早期発見・早期治療ができ、結果的に健康な歯を将来にわたって維持することができることが実証されています。
歯科矯正をして歯並びを整えることは、歯の健康維持に大きく貢献します。歯の健康意識が高い海外で歯科矯正をする人が多いのは、当たり前のことなのかもしれません。

ライフスタイルに合った歯列矯正を

健康面においても審美面においても、歯並びは良いに越したことはありません。しかしながら、歯列矯正は一般的な治療に比べて費用が高く、期間も長いため、ハードルが高いものです。そのため、歯並びを治したくてもなかなか歯列矯正に踏み切れないという人は多いでしょう。
しかし、大切なのはライフスタイルに合った方法で歯列矯正を行うということです。最近では治療方法が進歩しているので、歯列矯正にもたくさんの選択肢があります。一昔前の歯列矯正ではどうしても見た目が気になりましたが、最近では裏側から歯列矯正することも可能です。
歯列矯正は子どもがするものと思っている人もいますが、大人になってから歯列矯正を始める人も多くいます。歯並びが気になるという人は、ぜひ検討してみてください。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事