「スポーツマウスガード」は子どもにも!歯科医がパフォーマンスアップにつながる理由を解説

2020.01.20 interviewHa・no・ne編集部

実はさまざまな役割を持っているスポーツマウスガード

口腔内や顎を守るだけじゃない!パフォーマンスアップにも

汐留高橋歯科医院



Ha・no・ne編集部 リン(以下、リン)
最近、スポーツマウスガードについてよく聞くようになりましたね。ラグビーW杯の影響もあるでしょうか。

汐留高橋歯科医院 高橋潤一先生(以下、高橋先生)
そうですね。当院にも趣味でラグビーや空手をやっている方たちからの、マウスガード製作の問い合わせが増えています。彼らはルールでマウスガードの着用が義務付けられているので。

リン
ルールで決まっているんですね!

高橋先生
マウスガードがないと、練習はともかく試合には出られないんですよ。今言ったラグビーと空手のほかに、ラクロスやアメフト、レスリング、格闘技系なんかも着用の義務があります。いわゆるコンタクトスポーツは、着用が義務になっている競技が多い印象を受けますね。

リン
やはりコンタクトスポーツは多いんですね。マウスガードは装着することで歯を守れるというイメージですが、実際にはどのような性能があるのでしょうか?

高橋先生
まずおっしゃったように、打撃から顔面や顎を守ってくれます。きちんと噛み合わせが作られたマウスガードなら、顎の先に打撃を受けたときも脳振とうが軽減される傾向にあります。あとはバランスが良くなりますね。ですからコンタクトスポーツ系以外に、バランス感覚が重要なウインタースポーツの選手もほとんどマウスガードを着用しています。

リン
ただ顔面を守るためだけに着用するものじゃないんですね!

高橋先生
マウスガードがあればしっかり食いしばれるので、背筋力や握力が何%か増えるケースが見られます。パフォーマンスアップのためのアイテムとしても、マウスガードは注目を集めているんです。

リン
着用することでパフォーマンスアップがアップするなら、コンタクトスポーツやウインタースポーツ以外の競技でも装着したほうが良いのではと思うのですが?

高橋先生
ただ、ゴルフは逆に、ルール違反になることもあります。

リン
えっ“ルール違反禁止”ですか!?

高橋先生
ゴルフは何かの補助を受けたプレーは禁止されているので、プロはもちろん、アマチュアでもルール違反になることもあります。それだけ、マウスガードを付けているかどうかでパフォーマンスに差が出るということですね。

子どもでもスポーツマウスガード着用は大切

子どものマウスガード



リン
マウスガードは子どもでも着用するものなのでしょうか?

高橋先生
子どもでもラグビーは、中学生頃からきちんと着用するようになっていると聞きます。

リン
中学生からということは小学生くらいだと、どうなのでしょうか。最近はキッズラグビーなども盛んですが……。

高橋先生
義務はないですが、マウスガードは怪我の防止にもつながりますので、着用するに越したことはありません。ただ、子どもは成長と共に歯並びが変わるので、それに合わせて作り直すとなると、コスト的に厳しいという実情はあります。あと子どもってなくしちゃうんですよね(笑)。

リン
あー覚えがあります(笑)。


イニシャルを入れるサービス



高橋先生
練習が終わってマウスガードを外してからいろいろしていると、気づいたらなくなっていたというケースは多くあります。だから当院でマウスガードを作るときには、イニシャルを入れるサービスをしていまして。

歯科医院のスポーツマウスガードはフィット感が全然違う!

スポーツマウスガード



リン
スポーツマウスガードを作るうえで何かコツはあるのでしょうか。

高橋先生
レギュレーションにさえ沿っていれば基本的には色を自由に選べるので、自分の好きな色を選べば良いと思います。あとは自分の国のナショナルカラーとかチームカラーを選ぶ人も多いですね。なかには黒とか茶色とか、あえて汚い色を選んで相手に嫌なイメージを与える人もいます。

リン
面白いですね(笑)。マウスガードにはお湯で柔らかくして装着する市販のものもありますが、歯科医院のマウスガードはどのような点に違いがあるのでしょうか?

高橋先生
フィット感が全然違います。歯科医院はしっかり型を取って作るので、噛み合わせがきちんとします。市販のものだと噛み合わせがうまく合わないケースがあって、違和感が見られることも……。そうすると、パフォーマンスアップには結びつきにくいでしょう。また逆に、歯や歯茎、顎関節を痛めてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

今後もマウスガードの需要は高まっていくはず

マウスガードの需要



リン
歯科医院でマウスガードを作る場合、どれくらいの費用・時間がかかるのでしょうか?

高橋先生
費用は自費診療なので医院によりけりですが、子ども用だとだいたい5000円~1万円です。大人用や子ども用でもしっかりとしたものだと、1万円以上かかりますね。作成期間は1~2週間程度です。ただ、当院では完成後の調整も行っているので、もう少しかかる可能性があります。
それからマウスガードは子どもなら半年、大人なら半年~1年に1回は交換するように提案しています。使っていると擦り切れてしまうので……。それに、衛生面を考えても、定期的な交換は大切ですね。

リン
交換はもちろん、メンテナンスもしたいところですね。

高橋先生
メンテナンスは専用のクリーナーが出ているので、水洗いをしたあとで使っていただければと思います。クリーナーは入れ歯の洗浄剤と中身は変わらないので、そちらを使ってもOKです。

リン
最後に、これからマウスガードの需要がどうなっていくかについて教えてください。

高橋先生
マウスガードの需要は、特に子どもたちを中心に今後も高まっていくと思います。パフォーマンス向上にも役立つので。それに試合中だけではなく、練習中であっても怪我の可能性は十分にありますから、さまざまなシーンでのマウスガードの着用を検討くださいね。

リン
本日は貴重なお話ありがとうございました!


▼取材協力
汐留高橋歯科医院
ホームページ:https://shiodome-dental.com/

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