歯垢と歯石の違いとは?それぞれの特徴を徹底解説!

2017.04.03 health木村由奈

歯垢と歯石の違いと特徴

歯垢とは?

きれいな口元
歯垢は細菌と代謝物

歯垢とは歯の表面に付着した白くネバネバしたものです。またの名をプラークと呼ばれています。
食べカスと勘違いされてしまうことも多いですが、実際は細菌と細菌の代謝物でできた塊で、1mgの中に約数億個~数十億個という膨大な数の細菌が集合しています。
歯垢の中には、虫歯の原因菌であるミュータンス菌や歯周病の原因菌であるジンジバリス菌など、お口のトラブルの原因になる細菌も含まれています。

ブラッシングなどで取り除かなければ、歯垢は糖分をエサにして増え続け、虫歯や歯周病にかかるだけでなく、症状をどんどん悪化させます。

食後8時間で形成される

歯垢は、食後に歯に付着した糖分をエサに細菌の活動が活発になることで発生します。作りだされるまで食後8時間以内と言われています。
つまり、食後に磨き残しがないようにしっかりブラッシングしていれば、歯垢が溜まる心配はありません。

歯石とは?

歯磨きする赤ちゃん
歯垢が歯石になる!?

歯石は、歯垢が唾液に含まれるミネラルと結合して石のように固まったもの。歯垢が歯石になるまでの時間は約2日間というので、意外と短いですよね。
歯石に変わってしまうと、もういつものブラッシングだけでは取り除くことができません。そのため歯石になる前に除去する必要があるのです。

セルフケアでは落ちない

歯石になる前に歯垢を除去しなければいけない最大の理由は、セルフケアでは落ちなくなってしまうから。歯石はとても硬いので、歯科医院で専用の器具を使ってクリーニングしなければなりません。また、「石」と称されるだけあって表面がデコボコしているために、また歯垢が付着しやすくなります。細菌の棲み家となり毒素を排出するので、虫歯や歯周病のリスクがさらに高まります。

歯石取りの処置「スケーリング」と「ルートプレーニング」の違い

歯磨きが不十分で、歯垢が歯石になってしまった場合は、歯科医院でプロによるクリーニングが必要です。以下で代表的なクリーニング処置であるスケーリングとルートプレーニングの違いについてご紹介します。

スケーリング

治療を受ける少女

スケーラーという鉤爪のような専用器具を使い、歯の表面にこびりついた歯石を削るように削ぎ落としていきます。スケーラーにも種類がたくさんあり、中には超音波式で効率よく歯石を除去できるものもあります。

スケーリング費用

比較的リーズナブルです。おおよそ800円~1,000円ほどで、すべての歯をキレイにすることができます。歯磨きが苦手で歯石になりやすいという人は、定期的にスケーリングをしてもらうといいでしょう。ちなみに歯科医院で推奨しているのは3~6ヶ月に1度程度です。

ルートプレーニング

治療中の少女

歯石が歯周ポケットの奥深くまで入り込んでいる場合は、スケーリングでは取りきれません。この場合はルートプレーニングという処置になります。ルートプレーニングは、キュレットと呼ばれる器具を使い、歯周ポケットの奥にある歯石を掻き出します。歯や歯根面がツルツルになるので、歯垢の再付着を防ぐことができます。

ルートプレーニングの費用

ルートプレーニングは保険適用になる場合と自費治療になる場合があります。保険適用の場合は、180円/本程度。自費治療の場合は、お口全体で3,000~10,000円ほどが目安です。
いずれにしても比較的手ごろな価格で受けられます。歯周病の予防にも効果的です。

歯石になる前に正しいブラッシングで歯垢を取り除きましょう!

歯ブラシと歯磨き粉

このように歯垢は歯石になると歯磨きだけでは落とせなくなってしまい、スケーリングやルートプレーニングといった特別な施術を受けなければなりません。そのため、歯石になる前に正しいブラッシングで歯垢を取り除くことが大切です。

とはいえ、どんなにブラッシングをしっかりしていたとしても100%汚れを取り除けるわけではありません。ブラッシングに加え、定期検診を受けることをおすすめします。歯科医院によっては、その人に合ったブラッシング方法もアドバイスしてくれます。

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