バイオフィルムって何?お口の中の”細菌の巣窟”

2017.07.03 health渡辺蘭

バイオフィルムとは?

舌

バイオフィルムとは、簡単に言うと水回りなどにできるヌメリのようなもの。お風呂の壁や床などを触るとヌメヌメとしていてイヤな気分になったことはありませんか? このヌメヌメは、いわゆる菌が作り出した巣穴のようなもの。さまざまな菌が集まって、薄い膜のようなものを形成している状態です。

口腔内でも、そのヌメヌメと同じ原理でバイオフィルムが形成されます。食後8時間程度で形成されると言われている細菌の塊“歯垢”もバイオフィルムの一つとされています。

バイオフィルムができると、口腔内がヌメヌメとして気持ちが悪いだけではありません。バイオフィルムが形成されるとバリアのような働きをするため、薬剤や免疫などの働きが弱まります。

また、バイオフィルムは粘着性が高く、うがいだけでは取り除くのが困難。日頃の丁寧なブラッシングをはじめ、歯科医師や歯科衛生士による定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを疎かにしてしまうと、バイオフィルム内に住み着いている虫歯菌や歯周病菌が活動を強め、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング“PMTC”

バイオフィルムの除去にもっとも効果的なのは、“プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(PMTC)”です。歯科医院で行うことができる歯のクリーニングで、磨き残しを確認し、専用の機械を使用して歯垢や歯石を除去することができます。また、歯の表面を研磨し、歯垢を付着しにくくしたり、フッ素を塗布し歯の表面のエナメル質を強化したりすることもできます。

毎日しっかりとブラッシングをしていても、セルフケアだけで汚れを完全に除去することは難しいのが現実です。PMTCでは、ブラッシングで落とすことができなかった部分を確認したうえで的確に除去することができるため、定期的に受けることでバイオフィルムができにくくなります。

毎日のブラッシング

毎日のブラッシングは、バイオフィルムを形成する細菌の多くを除去するために欠かせません。丁寧なブラッシングはもちろん、デンタルフロスなどのグッズも活用し常に口腔内をきれいに保つことができれば、バイオフィルムはできにくくなります。

力を入れて磨くと歯の表面を傷つけてしまう恐れもあります。歯の表面に細かな傷が付くと歯垢が付着しやすくなり、バイオフィルムもできやすくなります。優しいブラッシングを心がけましょう。

殺菌力の強いマウスウォッシュ“IPMP配合”

バイオフィルムの除去にはイソプロピルメチルフェノール“IPMP”という成分が配合されているマウスウォッシュや歯磨き粉が効果的です。IPMPは浸透殺菌効果の高い成分で、バイオフィルムに浸透し殺菌・除去することができます。

バイオフィルムの除去におすすめのマウスウォッシュは“システマEXデンタルリンス”です。IPMPに加え、配合されるコーティング剤により歯茎をコーティングし、歯周病菌が歯周ポケットに侵入するのを防ぎます。ドラッグストアやスーパーなどでも購入できるので、気軽に続けやすい点もメリットです。

丁寧なブラッシングと定期的なメンテナンスをしましょう

歯磨き粉

想像するだけでも、バイオフィルムが口腔内にあるというのはあまり気分がよいものではありませんよね。一度バイオフィルムが形成されてしまうとブラッシングでは落としきれないため、定期的にPMTCを受けることをおすすめします。バイオフィルムの形成を防ぎ、健やかな口腔内を目指しましょう。

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