唾液検診のすすめ!唾液の質を向上させる方法

2017.06.30 healthReiko Okabe

虫歯や歯周病と唾液の関係

治療を受ける少女

日常生活の中で意識しなくても分泌されている唾液は、食べ物の消化を助ける働きがあるなど、私たちの健康に不可欠な存在です。唾液にはさまざまな役割があり、歯の再石灰化(さいせっかいか)もその1つです。

歯は虫歯の原因であるミュータンス菌が出す酸の影響を受けることで、脱炭(だっかい)を起こします。脱炭とは、歯の表面にあるエナメル質からカルシウムやリン酸などが溶け出てしまうことで穴が開き、虫歯になりやすくなってしまいます。

この状態を改善するのが唾液による再石灰化です。

唾液によって歯の表面が殺菌され、脱炭で失われたカルシウムやリンが再び吸収されます。つまり、初期の虫歯を治す働きがあるのです。そのため、唾液の質がとても重要であり、分泌量が少なかったり中和力が弱かったりすると、再石灰化が正常に行われず虫歯を進行させてしまいます。

唾液検診とは?

ポーズを決める女性

唾液検診はどこで受けられるの?

虫歯になりやすいという人は、唾液の質に原因があるのかもしれません。そこで、唾液検診を受けることで唾液の状態を把握しておきましょう。唾液検診は歯科医院で受けることができ、検査をして唾液の質を知ることで生活習慣を改善。唾液の分泌量や質をよくすることができます。歯科医院以外では大きな病院や耳鼻科などでも実施しているようです。

唾液検診の内容

1.唾液量の検査

唾液量の検査は無糖のガムを数分間噛み続け、分泌した唾液をコップや試験管に吐き出す方法で行います。その他にも、乾いたガーゼを数分噛み、ガーゼの重さで測定する方法もあります。

2.中和力の検査

中和力を測定する検査では、唾液量の検査時に採取した唾液を専用の試験紙に垂らし、紙の変色具合からどれほどの中和力を持っているのかを測定していきます。中和力とは、酸の影響で口腔内が酸性に傾いている場合に人体に対して無害な弱アルカリ性に戻す働きのことで、健康な唾液の場合は、分泌された瞬間に試験紙がアルカリ性を示します。

3.菌の検査

菌の検査では、採取した唾液や歯垢を採取して、虫歯の原因であるミュータンス菌などの細菌の数を測定します。口腔内に潜む細菌の数が多ければ虫歯になる可能性が高くなります。

また歯科医院によっては、唾液中のアンモニアの量なども測定します。唾液中のアンモニア数が多い場合は、口臭が強くなりがちです。その他にも、唾液に含まれる白血球の量やタンパク質の量なども測定できます。これらを測定することにより、口腔内の細菌の状態だけではなく、歯周ポケット内の状態も検査することができるため、歯周病などのチェックにも役立ちます。

ここまでで、唾液検診は終了です。検査結果を踏まえて歯科医師から生活習慣へのアドバイスなどが行われます。

4.生活習慣へのアドバイス

生活習慣へのアドバイスは、主に食事習慣やブラッシング方法などのアドバイスを受けることができます。正しい食事習慣を身につけて、丁寧なブラッシングを身に着けることこそ虫歯をなくす近道です。

唾液検診にかかる費用

お金

唾液検査は残念ながら保険適用外なので、自費治療となります。相場は2,500円~5,000円とされ、比較的安価に受診することができます。ただし、自由診療のため、歯科医院によって検診にかかる費用に大きな差があるため、事前にチェックしておきましょう。

虫歯になりやすい人は特に唾液検診をおすすめします

虫歯になると、どうしても歯を磨く頻度やブラッシングの仕方に問題があると考えてしまいがちです。しかし、唾液の質に問題がある可能性があり、きちんと歯の再石灰化が行えていないために虫歯になっているかもしれません。

唾液検診を受けることで唾液の質や口腔内の状況を把握することができ、医師のアドバイスを元にセルフケアによって改善できるかもしれません。興味のある方はぜひ受けてみてください。

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