唇に“白いできもの”ができたときの対処法

2017.08.22 health渡辺蘭

唇にできた白いでき物の正体とは

“口角炎”と“ヒトパピローマウイルス”について

口角炎

・症状
唇に白いできものができたとき、それが口の両端にできていたら“口角炎”の可能性が高いと言えるでしょう。口角炎はその名の通り口角に炎症が起きる皮膚疾患です。症状が現れると口角がパックリと割れて腫れてしまうことがあるので、口を開く度に痛みを感じます。そして、白くなるのは出血をした後です。患部に白い点々ができることがあり、かさぶたが取れやすくなってしまうため、治癒するまで症状が長引いてしまうこともあります。

・原因
口角炎の原因はカンジダ菌“真菌”と呼ばれるカビの一種だと言われています。カンジダ菌は通常、唾液などの免疫で働きを抑制されていますが、なんらかの原因で免疫力が低下すると、カンジダ菌を押さえ込む力が弱くなり発症してしまうのです。

ヒトパピローマウイルス

・症状
白いできものが唇の外側にできていて、かゆみも痛みもない場合、“ヒトパピローマウイルス”の可能性が考えられます。ヒトパピローマウイルスは乳頭状のイボを発生させるウイルスで、種類によって好発部位は分かれますが120種類以上が確認されています。また、ヒトパピローマウイルスは癌化する恐れがあるタイプもあるため、早期発見、早期治療がとても大切です。特になかなか治らないという場合は、早めに専門機関を受診しましょう。

・原因
ヒトパピローマウイルスは、人間だけが感染するウイルスで、その他の動物や植物などから感染することはありません。つまり、人から人へと感染することが原因とされています。

口角炎の対処法

予防

栄養のバランスが崩れていたり、十分な睡眠がとれず寝不足の状態が続いたりすることで、免疫力が低下し、カンジダ菌の働きが活発化し発症してしまう可能性があります。口角炎を予防するためにはバランスの整った食生活や十分な睡眠など、規則正しい生活を送ることが大切です。

特に“ビタミンB2”が不足していると発症率を高めてしまうと言われているので、ビタミンB2が多く含まれている豚レバーや、牛レバーなどの食品を食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

治療

カンジダ菌が原因で口角炎ができている場合は、抗生物質が含まれている軟膏や、内服のビタミン剤などで対処することが多いようです。しかし、皮膚がんの可能性も考えられるので、なかなか治らないときには自分だけで判断するのは控えましょう。

ヒトパピローマウイルスの予防と治療

ヒトパピローマウイルスの対処法

予防

ヒトパピローマウイルスは接触感染のため、日常生活で感染してしまう可能性が高く、パートナーや夫婦間で共有してしまうことも珍しいことではありません。ただし、ウイルス自体が表皮でとどまりやすく、感染していたとしても新陳代謝により脱落するため、深刻化しないケースも多いと言われています。

そのため、キスや性交渉をする場合は、口腔内や性器などの相手と接触する部分を清潔にするように心がけましょう。また、ヒトパピローマウイルスだけにかかわらず、ウイルス性の病気の感染予防のためには、不特定多数の人との性交渉を避けることも重要になります。

治療

ヒトパピローマウイルスが原因でできた白いできものは、液体窒素を用いて除去することで治療します。約1週間に1度のペースで、液体窒素を患部に当て、-195℃でできものを焼きとります。しかし、これはヒトパピローマウイルスの根本的な治療にはならないため、再度発症する可能性もあります。

そして、残念ながらヒトパピローマウイルスに対する根本的な治療法は2017年時点では見つかっておらず、免疫力を高めて自然治癒させる方法に頼るしかありません。免疫力を高める方法としては、漢方薬が使われることが多いようです。

規則正しい生活を心がけることが予防の第一歩

唇にできた白いできものは、“口角炎”、“ヒトパピローマウイルス”による症状の場合、免疫力と深く関係しているようです。バランスのよい食生活や十分な休養などを心がけて免疫力を下げないように工夫することは予防の第一歩と言えるでしょう。ぜひ、みなさんも規則正しい生活を意識して予防に取り組んでみてください。また、かかってしまったら人に移してしまう前に、早期治療が大切です。

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