唇が腫れる「クインケ浮腫」の特徴や対処法

2017.08.23 healthReiko Okabe

クインケ浮腫を引き起こす様々な原因

クインケ浮腫(血管性浮腫)の特徴

クインケ浮腫には“遺伝性”と“非遺伝性”の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

遺伝性のクインケ浮腫

家族がクインケ浮腫を発症していると遺伝する可能性があるため、同じようにクインケ浮腫を発症することがあります。遺伝性のクインケ浮腫の場合は軽い症状で済むことが多いようですが、10歳ごろになると徐々に症状が重くなり始めるのが特徴です。しかし、なかには遺伝していても症状が現れない人もいます。

遺伝性のクインケ浮腫の原因は、遺伝子が異常をきたすことで体内の“C1インヒビター”というタンパク質の量が低下することだと考えられています。

非遺伝性のクインケ浮腫

・薬の副作用
解熱消炎鎮痛剤やペニシリン、線溶系酵素、降圧薬などの医薬品は副作用としてクインケ浮腫を発症させる可能性があると言われており、症状が出ているのに医薬品を服用し続けると重症化する可能性もあります。

・虫刺され
クインケ浮腫は蜂などの虫に刺されても起こることがあります。これは、“アナフィラキシー様反応”と呼ばれ、アレルギーを起こしている状態です。アナフィラキシーショックの場合は急激に症状が悪化し、最悪の場合、命を落とす可能性があると言われています。

・ストレス
職場や家庭での精神的・身体的ストレスが原因でクインケ浮腫が発症することがあります。

・物理的刺激
温熱や寒冷、外傷、紫外線などの皮膚への物理的刺激が原因でクインケ浮腫が発症することがあります。

クインケ浮腫の症状

皮膚

症状の多くは唇や頬、まぶたなどに現れます。しかし、皮膚のあらゆる部分に発症する可能性があるため、どこにできるかは定かではありません。また、皮膚以外に口腔内や気管支の粘膜などにも発症する可能性があります。皮膚にできる場合、基本的に痛みはありませんが、虫刺されによるアレルギーなどが原因の場合はかゆみとともに蕁麻疹(じんましん)ができることもあるので注意しましょう。

消化器官

クインケ浮腫が消化器官に発症した場合は、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が起こることがあり、激痛を伴うこともあります。

喉にクインケ浮腫が現れると、とても厄介です。前述した通り、喉の粘膜が腫れ上がって呼吸を妨げてしまう恐れがあります。

クインケ浮腫の疑いがあれば早めに受診を

クインケ浮腫の対処法

クインケ浮腫の症状が軽い場合は、発症した部分が数時間でぷっくり腫れ上がるだけにとどまり、1~2日程度で自然に治まります。しかし、同時に息苦しさを感じたり、蕁麻疹が出たりする場合は、アレルギー性のものであることや喉の奥に発症している可能性があるので、早めに医師に相談しましょう。

また、遺伝性のクインケ浮腫はストレスや疲れにより発症しやすくなると言われているため、なるべくストレスや疲れを溜めないように工夫することも大切です。

治療に関しては、皮膚科を受診するのが良いでしょう。内科や歯科医院でも対応できることがあるので問い合わせてみてください。

症状が起きる原因を把握することが予防になります

このようにクインケ浮腫は遺伝や薬の副作用、虫刺され、物理的刺激など、さまざまな原因で発症します。そのため、症状が良くなったとしても発症した原因を把握しない限り、再発する可能性があるのです。

自分がどんな薬を飲んだか、虫に刺されていないかなど思い当たることがないか確認することが重要です。また、発症した原因がわからない場合はストレスなどで発症している可能性もあります。いずれにせよ、早めに受診して何が原因で発症しているかをしっかりと把握するようにしましょう。

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