高齢者や体が不自由な方も治療を受けられる「訪問歯科」

2018.02.11 health福本春香

訪問歯科とは

訪問歯科には、在宅での診療ならではのメリットがあります。

歯科医院へ通院する場合は、「歯が痛い」「クリーニングを受けたい」といった要望に応えた治療や処置をして終わるケースが多いかもしれません。歯科医師や歯科衛生士は患者さんの話から情報を得るしかないため、生活習慣まで把握しきれないことがあるのです。生活習慣に問題があれば、せっかく治療しても再び虫歯ができてしまったりする可能性が高まるでしょう。

一方の訪問歯科は、歯科医師や歯科衛生士が実際に患者さんの生活習慣を観察できます。食事の摂り方や歯磨きのやり方、ご家族のサポートなどを見て適切な指導がしやすく、きめ細やかな対応が可能になります。

費用はどれくらいかかるの?

便利な訪問歯科ですが、気になるのはその費用。訪問歯科でも医療保険と介護保険が適用されるので、それぞれに定められた自己負担金を支払うことになっています。

自己負担額は1~3割されていますが、生活保護受給者などは公費負担が適用される場合もあります。医療保険の自己負担金と診療回数の例は、以下の通りです。

・虫歯の治療……1回1,500~4,000円程度×1~5回程度
・入れ歯の作成(上下どちらかの場合)……10,000~18,000円程度、4~8回
・入れ歯の調整・修理……3,000~5,000円程度、1~3回

介護保険を利用した場合は、医療保険とは別に1割負担として月に350~2,400円程度がかかります。歯科医院には訪問の際にかかった交通費を請求することが認められているため、歯科医院によっては交通費を請求される場合があります。利用の際は事前にチェックしておきましょう。

訪問歯科の広がりに期待しましょう

介護が必要だったり体が不自由だったりする人こそ、お口のケアが難しく、状態も良くない傾向にあります。訪問歯科はこうした人たちをサポートする取り組みとして、大きな期待を寄せられているのです。

現時点では実施している歯科医院の数は限られていますが、もし家族や親戚、知り合いなどに高齢者や体が不自由な方がいるなら、長く自分の歯で食事を楽しんでもらえるように、訪問歯科をぜひ検討してみてください。

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