食事してもOK?歯科治療で麻酔をしたときの注意点
麻酔中の食事は避けましょう
麻酔が効いている最中の食事は、基本的にNGです。その理由を紹介します。
注意点1:ケガややけどのリスクがある
麻酔が効いていると、口の中の感覚が鈍くなるため「痛み」や「熱さ」を認識できなくなります。その状態で食事をすると、知らず知らずのうちに口の中を噛んでケガをしたり、熱いものを食べてやけどしたりしてしまう可能性があります。
また歯科治療の直後は唇や頬などが腫れたり、膨れていたりすることもあるでしょう。そんな状態で食べ物を口にすると、誤って噛んでしまうリスクが高まるのです。
注意点2:いつも通りに食事ができない
麻酔で感覚が麻痺している間は、口を動かしにくくなります。その状態で食事をすると、食べ物をこぼしてしまったりすることがあります。そういう意味でも、麻酔中の食事は避けたほうがいいと言えるでしょう。なお、麻酔中でも水などを飲むことは問題ありません。むしろ水分の摂取はこまめに行ってください。
どうしてもすぐに食事がしたいという場合は、麻酔が効いていない側で口の中を傷つけないように気を付けながら食べましょう。ただし、硬い食べ物や熱い食べ物、こぼれやすい食べ物はおすすめしません。麻酔中の食事では、口の中を傷つける危険がなく、かつ食べやすいものを選ぶようにしてください。
麻酔の効果はどれくらい続く?
歯科治療の際、麻酔の効果はどのくらい持続するのか気になりますよね。麻酔の種類や量にもよりますが、局所麻酔の場合の持続時間はおよそ20~30分ほどです。しかしその後もしびれた感覚は残り、この感覚がなくなるまでには大人では2~3時間、子どもでは1~2時間ほどかかります。
そのため、歯科治療が終わってから数時間は食事をすることができません。重症の虫歯治療や抜歯のために歯医者を受診するときには、そのことを頭に入れておくといいでしょう。
子どもが麻酔をしたときの注意点
子どもが麻酔をすると、唇や頬などのしびれた感覚が気になって噛んで確かめたりすることがあります。また痛みを感じないことがおもしろく、遊び感覚で頬を噛んだりすることも。しかし、これをすると麻酔が切れた後に痛みが出てきてしまいます。
強く噛み過ぎると、運悪く大ケガをしてしまうこともあるかもしれません。子どもが歯科治療で麻酔をしたときには、「唇や頬を噛んではいけないこと」「麻酔が切れてから痛くなること」をしっかりと伝えましょう。
麻酔後に異常が起きることも
麻酔は歯科治療の痛みを和らげる目的で行われますが、まれに麻酔が原因で口の中に異常が起きてしまうこともあります。
注意点1:注射部位からの細菌感染
ご存知の通り、口の中にはたくさんの常在菌が潜んでいます。口の中で生息している細菌の種類は300~700ほどで、歯を頻繁に磨く人でも1000~2000億個の細菌が口の中にいると言われています。
歯科治療で麻酔をするときには注射針を刺すことによって小さな傷ができるので、そこから口の中の菌が侵入して炎症を起こすことがあります。麻酔後に口内炎ができたら、それは傷口から感染したことが原因かもしれません。
ほとんどの場合、このときの炎症は数日から数週間で治るようです。あまり心配する必要はありませんが、炎症が長引く場合や悪化した場合は医師に診てもらうことをおすすめします。
注意点2:麻酔部位を触ったときの痛み
麻酔が切れた後に麻酔部位に触れると、痛みを感じることがあります。これは歯ぐきや歯の骨に麻酔を注射したことによる痛みのため、基本的には問題ありません。痛みが落ち着くまでは、できるだけ触れたり押したりしないようにしましょう。
気になることがあれば歯科医師に報告を
歯科治療で麻酔をしたあとは、大なり小なり口の中に違和感があるものです。注意点を守っているのであれば、必要以上に心配する必要はありません。しかし、痛みが長く続く場合は、何かしらの問題が発生している可能性があります。その場合は、必ず歯科医師に報告して診察を受けるようにしましょう。
歯科治療で麻酔をしたあとは、大なり小なり口の中に違和感があるものです。注意点を守っているのであれば、必要以上に心配する必要はありません。しかし、痛みが長く続く場合は、何かしらの問題が発生している可能性があります。その場合は、必ず歯科医師に報告して診察を受けるようにしましょう。