知っておきたい歯科の基礎知識~セカンドオピニオン~
そもそもセカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは直訳すると「第二の意見」という意味で、現在かかっている病院以外で治療に関する意見を求めることを意味します。治療方法に納得できない場合や他の治療方法を探したい場合などに、セカンドオピニオンを希望する人が多いようです。
セカンドオピニオンは、アメリカをはじめとした欧米諸国では一般的な制度として根づいています。日本でも医療や健康などへの意識の高まりから、近年ではセカンドオピニオンという考え方が徐々にですが、広まりつつあります。
セカンドオピニオンの2つのメリット
セカンドオピニオンを希望する人が増えているのには2つの理由があります。セカンドオピニオンのメリットを把握することで、自身が治療を受ける際の参考にしましょう。
メリット1:治療の選択肢を知ることができる
医療技術が発達するにつれて、治療の選択肢も多くなりました。特に歯医者での治療方法は幅広く、同じ症状でも医師によって選択する治療方法が異なる場合があります。
しかし、患者には主治医が提案する治療法が最善なのかどうか、専門的な部分はわかりません。そんなときに頼りになるのがセカンドオピニオンです。他の歯科医師が同じ治療を提案すれば、主治医が提案した治療方法が最善である可能性が高まります。また、他の治療方法を提案された場合には治療の選択肢が増えます。
選択肢の数が増えれば、それだけ自分が納得のいく治療方法に出会える可能性も高まります。これが、セカンドオピニオンを受ける一番のメリットだと言えるでしょう。
メリット2:自分に合った歯医者に出会える
歯医者選びで大切なのは治療方針だけではありません。歯医者は歯の健康を継続的に保っていくために長く通うことが多く、歯医者の雰囲気や医師の性格、スタッフ対応なども大きなポイントになります。
セカンドオピニオンによって他の歯医者を知ることで、「ここで治療を受けたい」と思える歯医者に出会えるかもしれません。
セカンドオピニオンの流れ
セカンドオピニオンを希望する場合は、まずは主治医に話して紹介状や今までの検査結果・治療内容などを記した書類を準備してもらいましょう。自分で症状を話すだけでは満足なセカンドオピニオンは得られないので、主治医に書類を用意してもらうことがポイントです。
紹介状と書類の準備ができたら、他の歯科医院で治療に関する意見を聞きましょう。このとき、主治医が他の病院を紹介してくれる場合もありますが、自分で探さなければいけない場合もあります。近年では、セカンドオピニオン外来を設けている歯医者が増えているので、そちらを利用することもできます。なお、セカンドオピニオンは保険適用にはならないため、料金を実費で支払う必要があります。せっかくの費用を無駄にしないためにも、セカンドオピニオンのときには質問事項を用意しておきましょう。
セカンドオピニオンという考えが普及していなかった頃は、受けている治療に疑問を感じながらもそのまま主治医の下で同じ治療を受け続ける人がほとんどでした。しかし、セカンドオピニオンが普及し始めたので、セカンドオピニオンを希望する旨を主治医に話しても、すんなりと受け入れてくれるでしょう。主治医に「セカンドオピニオンを希望したい」と言うのは勇気がいることかもしれませんが、自分に合う治療を受けることが大切です。遠慮せずに話してみてください。
セカンドオピニオンとドクターショッピングはどう違う?
セカンドオピニオンと似て非なるものとして挙げられるのが「ドクターショッピング」です。セカンドオピニオンが広まると同時に、ドクターショッピングを繰り返す患者さんも増えてしまいました。
セカンドオピニオンとドクターショッピングの決定的な違いは、主治医が準備した紹介状や書類があるかないかの違いです。これらがないと、複数の病院で同じ検査や同じ治療を繰り返すことになってしまいます。
セカンドオピニオンは、最善の治療のために受診するものです。しかし、安易な気持ちで転院を繰り返すのであれば意味がありません。セカンドオピニオンがいつの間にか、歯医者を見定めするドクターショッピングになってしまわないように十分に注意してください。
自分に合った歯医者や治療を見つけよう!
相性のいい歯医者や最適な治療方法は、人によって異なります。そのため、大切なのは自分に合った歯医者と治療を見つけるということです。今の治療が合わなかったり、他の治療の可能性を探りたかったりする方は、ぜひセカンドオピニオンを有効活用しましょう。そして、安心で満足の治療を受けてください。