冷たい物がしみる!知覚過敏の原因とメカニズム

2018.03.12 healthオオタカ

知覚過敏のメカニズム

知覚過敏は、歯の表面を覆っているエナメル質が何らかの原因で薄くなったり削れたりすることで起こる症状です。

知覚過敏のメカニズム

私たちの歯の表面には、白くて硬い「エナメル質」があります。その内側にエナメル質よりも柔らかい「象牙質」、またその内側に神経組織や毛細血管の集合体である「歯髄(しずい)」があり、この3層で構成されています。

普段、歯の組織は硬いエナメル質に守られていますが、何らかの原因でエナメル質が欠けたり薄くなったりすると、その部分だけ内側の象牙質が露出してしまいます。象牙質には歯髄に通じる「象牙細管」という細い管(穴)がたくさんあり、そこに冷たい物や歯ブラシの刺激が伝わると、瞬間的に痛みが生じて「しみた感じ」がするのです。

知覚過敏の症状

冷たい物を飲んだり食べたり、歯を磨いたりした瞬間に「キーン」という一過性の痛みを感じるのが知覚過敏。冷たい物だけでなく、熱い物、酸っぱい物、甘い物を口に入れてもしみることがあります。

虫歯になった場合も同じような症状がありますが、虫歯の場合は進行するにしたがって常に痛みを感じるようになり、痛みも強くなっていきます。一方の知覚過敏は、痛みを感じる時間はせいぜい1分程度。何かに触れるなどの刺激がなければ、痛みを感じることはありません。

知覚過敏になる原因

知覚過敏には、さまざまな原因が考えられます。

原因1:加齢や歯周病などによる歯ぐきの後退

歯ぐきの根元に近い部分はエナメル質がもともと薄く、歯肉に埋もれた部分にはエナメル質がほとんどありません。歯ぐきは加齢に伴い後退しますが、それによって歯の根元が露出すると、象牙質がむき出しになって知覚過敏を起こします。歯周組織を壊して「歯ぐきが痩せる」という状態を招きやすい歯周病にも要注意です。

原因2:歯ぎしりや食いしばり

長期にわたって歯ぎしりや食いしばりなどをしていると、歯に大きな力が加わり、エナメル質が削られていきます。この結果、象牙質が露出して知覚過敏を起こします。ストレスを感じたときや緊張しているとき、実に96%以上の人が「上下の歯を接触させている」とも言われます。

原因3:歯並びや噛み合わせが悪い

歯並びや噛み合わせが悪いと、歯の一部にのみ過度な力がかかります。その部分のエナメル質が欠けたり割れたりすることで象牙質が露出し、知覚過敏を引き起こします。

原因4:力任せのセルフケア

毎日の「歯磨き」は虫歯や歯周病の予防に欠かせません。しかし、硬い歯ブラシで毎日ゴシゴシと強く磨いていると、徐々に歯のエナメル質を傷つけてしまいます。また「歯ぐき磨き」も歯周病予防に効果があるとされていますが、強くやりすぎると歯ぐきが痩せてしまい、歯の根元部分で知覚過敏を起こしてしまいます。

原因5:酸性度の高い食品の摂取

歯のエナメル質は酸に弱いという特徴があります。炭酸飲料水やワイン、柑橘類などの酸性度の高い食品を長期にわたって摂り続けていると、エナメル質が溶けて「酸蝕歯」になる恐れがあります。象牙質がむき出しになる酸蝕歯も、知覚過敏に原因の1つです。

原因6:事故による歯の欠損など

事故による歯の欠損でも、象牙質がむき出しになることがあります。

原因7:虫歯の治療

虫歯治療後にも知覚過敏になる場合があります。歯を削ることで神経が敏感になるケースがあるからです。こうした場合は、しばらく様子を見てみましょう。時間が経っても改善されない場合は、歯科医院に相談することをおすすめします。

原因8:ホワイトニングの薬剤によるもの

ホワイトニング(オフィスホワイトニング)の処置中に知覚過敏になることがあります。オフィスホワイトニングには強力な薬剤を使用するためで、処置が終われば一般的に知覚過敏の症状も改善に向かうでしょう。

知覚過敏が疑われたら、すぐに歯医者へ

知覚過敏は虫歯と違って、放置しておいても大丈夫と考えられがちです。しかし、「キーン」とする感じが気になる、美味しく食事ができないなど日常生活に支障が生じるので、知覚過敏が疑われたら歯科医院で診察を受けましょう。

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