冷水が「キーン」としみる!知覚過敏の原因や対処法
そもそも知覚過敏ってどんな状態?症状は?
歯は、骨と同じ物質で構成されていると思っている人も多いようですが、実は、歯と骨とはまったく別物。
歯の表面はエナメル質と呼ばれる人間のカラダの中で、もっとも硬い物質で作られていて、その内部に象牙細管や歯髄(しずい)があります。このエナメル質が普段の食生活や外部からの強い刺激など、さまざまな原因で削れてしまうことが知覚過敏という状態を起こします。
エナメル質が削られ、内部が露出してしまうとそこには神経があります。この神経は、口にしたものの熱さや冷たさなどを敏感に感じ取ってしまうセンサーのような働きをしているため、冷たい飲み物や熱い飲み物などを口にしたときに刺激として伝わり、痛みが現れてしまうのです。
知覚過敏になる原因は?
歯ぎしり、食いしばりにより歯の損傷
睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、歯のエナメル質を傷つけてしまう原因の一つ。そして歯ぎしりは、なんと日本人の約70%が経験していると言われています。
そのほとんどが就寝中などに無意識に行ってしまっていることが多いので、歯ぎしりや食いしばりが原因で顎の骨に負担がかかり、痛みが現れてから気づくことが多いようです。
酸性食品の摂り過ぎ
コーラなどの炭酸飲料が大好きという人は、それが原因となりエナメル質が傷ついている可能性もあります。
炭酸飲料は、酸性の飲料のため口腔内も酸性に近づきます。酸にはエナメル質を溶かしてしまう働きがあるので、頻繁に摂取する人は象牙細管がむき出しになり神経が露出することで、知覚過敏になるリスクが高まります。
歯ぐきの後退
知覚過敏の原因は、エナメル質の損傷ばかりではありません。歯周病が進行し、歯ぐきが下がってしまうことでも起こります。歯ぐきが下がることで、象牙細管が露出してしまうからです。
歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、サイレント ディジーズ(静かなる病気)と称されるほど。気づかないうちに症状が進行し、気づいたときには悪化していることが多いので注意が必要です。
歯石の除去
歯垢(プラーク)や歯石は、虫歯菌や歯周病菌のかっこうの棲み家。だからこそ、毎日のセルフケアや歯科医院でのクリーニングは欠かせません。もちろん、歯石除去はお口の健康を維持するためには、とてもよいことですが、場合によっては知覚過敏の症状が現れてしまう原因にもなります。歯石があることで今まで露出していなかった象牙細管を、歯石を除去することで露出させてしまうことがあるからです。
知覚過敏だと感じたら行う3つのこと
1.歯科医院を受診する
知覚過敏の症状が強いときには、まず歯科医院を受診しましょう。知覚過敏はいろいろな原因が考えられるので、何が原因で起こっているのかを自分で判断するのは、とても難しいでしょう。
虫歯や歯周病が原因で知覚過敏が起こっている場合は、根本的な原因から追究しなければ、症状を改善できません。そのため、なるべく早めに歯科医院を受診し、現状を把握しましょう。
2.知覚過敏用歯磨き粉に変える
知覚過敏のセルフケアには「硝酸カリウム」という成分が含まれている「知覚過敏用歯磨き粉」が有効です。この成分は、外部からの刺激から神経を守り、刺激が届かないようにするという働きがあるので、痛みが和らげることができます。
知覚過敏用の歯磨き粉とされている歯磨き粉の中には、硝酸カリウムが含まれないものもあるので、購入の際に成分をしっかりと確認してみてください。
3.唾液を増やす
唾液にはエナメル質を修復する働きがあるので、唾液の分泌量を増やすことで対処することができる場合があります。象牙細管が露出している場合、唾液が約30分という早さでエナメル質を修復することも可能なので、ガムを噛んだり、歯ぐきのマッサージを行ったりして、唾液の分泌量を増やしましょう。
知覚過敏は早めに治療を行いましょう
知覚過敏になる原因はエナメル質が傷つき、象牙細管や歯髄などが露出することですが、エナメル質が露出してしまう原因はさまざまです。冷たいものや熱いものなどを飲食したときに、歯が痛くなる場合自分で判断するのではなく、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。